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やっと知ることができたモノ 2
もう夜遅くだというのに、《凛浄》の中心地に在るカグヤの神殿の前には月の光が降り注ぎ、見事なまでに桜の木が枝々を広げていた。
季節は既に深深と雪が降り注ぐ真冬の一月、寒さの厳しい時期であった。
しかし《凛浄》の桜は、毎年年中絶えず咲き誇っていた。
例え寒さの厳しい冬であろうとも、力強く咲き誇るコレには伝説があり、よく十八代目カグヤはソノ話を好んで、語り聞かせてくれた。
ラシュフェーニカはソレを見上げ、力強い眼差しで見つめると、はらりはらりと舞い踊るひとひらの花弁に手を伸ばす。
すらりとしなやかに伸ばされた腕の先の、ソノ手の上で、降り立ったひとひらの花弁は美しく、ラシュフェーニカは目を閉じ、何かを願うように押し黙る。
そしてラシュフェーニカは目を開き、カグヤの神殿へと足を踏み出し、入って行く。




