38/127
天火 ~ 廻りはじめた音 ~ 4
──……これで…、本当にいいの…?
「結局何も、伝えられないまま…?」
──このまま…
ラシュフェーニカが自身の手を見つめる。
火ノ花を、空に生み出した手を。
──…。
よくなんか……、ないわ…──っ!
ラシュフェーニカが手をぎゅっと握り締め、ソレを胸に押し当てる。
ソノ表情には、苦しそうで、今にも溢れる想いに押し潰されそうな顔が表れていた。
──だって私!
まだなんにも踏み出せてない…っ!!
明様はっ、二年前のアノ祭りの日に…、怖くても大きく一歩踏み出したのに!
私は…っ、怯えてばかりで…。
恐れて何も踏み出せていないんですもの!!
「このままじゃダメだわっ!
こんな私の火じゃ…、明様の心、照らせないっ!!」
ラシュフェーニカが自身の手を見つめて、心の表れるまま、想いを顔に出し、そう叫ぶ。
弱く降り注いでいた月の光が、月を覆う雲が離れてゆき次第に強まる。
美しく優しい、静かで力強い月の光がラシュフェーニカを照らした。




