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動き出す歯車と古からの決意 13
「《水ノ宮》はカグヤ様の護衛隊長。
ですから常に御側についていたはず。
だが…、ソノ《水ノ宮》は…。
カグヤ様が行方不明になられたアノ日に、同じく姿が見えなくなった──。
《水ノ宮》の力──水を操る力は恐ろしく巧みで、細かく繊細なところは誰もが目を見張るモノ。
数年はおろか、数十年かけようとも得られないであろうソノ力量。
《水ノ宮》なら、神殿前の床にそんな傷跡をつけれても何も不思議なんかじゃない」
「…神殿前の血の跡は、まだ《水ノ宮》殿のモノとは確定していない。
しかし今ココで判ったのは、血の跡は十八代目カグヤ様のモノではなかった、ということ。
そして床の抉られた跡は、《水ノ宮》殿の力である可能性が高いということ…。
すぐにもう一度、神殿周辺を調べさせよ!」
ユエイの言葉に、役人頭の厳し気な声がかかると、役人頭はすぐに指示を出した。
役人頭の長くゆったりとした衣の袖がふわっ!と勢いよく揺れるのと、指示を受けた役人達が立ち上がり、各々動き出すのに差はほとんどなかった。
全ての歯車が動き出す、そんな感覚だった。




