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動き出す歯車と古からの決意 3
十八代目カグヤが大好きだった花──白梅と桜をイメージした置物が光を反射して煌く。
置物の中心には赤と青という光の反射によって変わる宝玉──シフィア・ラーシュが埋め込まれていた。
なんと美しく、なんと素敵な置物だろう。
いつも質素なモノをと言う十八代目カグヤにしては珍しい桃色のソノ置物に、ラシュフェーニカは珍しい、と見るたびに感じていた。
星の生み出した自然の素材を特に好まれた十八代目カグヤにしては、本当に珍しい人工のモノ。
何か、思い入れのあるモノなのだろうか?
「《火ノ宮》殿、何か意見は?」
そうぼんやり考えていると、厳し気な声が降り刺さるようにラシュフェーニカにかかる。
辺りにピシャリ!と音を打ったように、辺りは一斉に静まり返ってしまうソノ声に目を向けると、厳しい顔をした上級役人がラシュフェーニカをソノ鋭い眼光で見ていた。
青い長い髪を結わえ、切れ長の黒い目が特徴的な、東方ノ民──ハイドランジアの一族の女性だ。
東方ノ民は長く、《凛浄》とカグヤについて側に仕えてきた、信頼の厚い一族だ。
忠誠と想いに厚い一族でもある。
だからこそ、黙り込んでいるラシュフェーニカに怒りを感じたのかもしれない、とラシュフェーニカ自身は想った。




