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- 面影 - 4
「ラシュフェーニカ、
おいで」
ユエイの声が聞こえ、ラシュフェーニカがふ…っと、ソチラに目を向ける。
開かれた扉の前にユエイが立ち、手で扉の取ってを持ち、ラシュフェーニカの方を見つめている。
ソノ姿は力強く立つ大樹のようで、ラシュフェーニカは思わずソレを見つめた。
「何ぼーっと無表情になってるのさ!
ほら、行くよっ!
おいで、ラシュフェーニカ!」
──『おいで、ラシュフェーニカ』
ラシュフェーニカが目を見開く。
ユエイの手を伸ばす姿が…、
優しい声で微笑んで手を伸ばす、十八代目カグヤの姿を想い起こした。
「…明……、様…っ」
ラシュフェーニカが泣きそうな表情になり、そう呟くように、零すように、溢れ出した感情をポツリと言葉に宿した。
ソノ声と姿に、ユエイは目を見開き、言葉を失う。
ラシュフェーニカの表情が崩れ、気づけばラシュフェーニカは声を漏らして泣き崩れていた。
「…アナタの面影が……、こんなにも──」
ユエイが胸を締め付けられる気持ちになり、表情を歪ませてそう零す。
目の前では、ただただ溢れ返った感情に押しつぶされそうになっている、涙を流し咲き続ける、まだ十六歳でしかない少女の姿がソコに在った──。
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