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- 面影 - 3
はじめこそ、カグヤに選ばれたソノ少年は、誰にも心を開かず、館にも顔を出すこともなかったが、
十四歳の頃の祭りへの外出をきっかけに、徐々に変化が見え、十五歳の中頃には美しい表情に口元に笑みをたたえ、凛として毅然な姿勢でソノ場に居るようになっていた。
しかしカグヤの姿を知るのはソノ場に居る、国の中でもほんの一握りにしか過ぎず、カグヤは《凛浄》の外には滅多に顔を出すことはなかったという。
美しく、何よりも美しい少年、第十八代目天空ノ巫女──カグヤ。
ソノ歌声は心が奪われる程美しく、黒い髪と黒い瞳、ソノ類稀なる力から、十八代目カグヤはこうも呼ばれていた。
原初ノ国を統べた民──英雄姫の一族の末裔──ソフィラプラド(意味は、久遠ノ光、不死鳥のように巡り続ける光、絶えぬ光)、…と。
民は信じていたのだろう。
コノ類稀なる方が、この先、絶え間なく光をさし続けてくれると…。
*
ラシュフェーニカはユエイに連れられて館に居た。
館の長い廊下の窓から外を眺める。
カグヤの神殿のてっぺんと、巨大な大樹が、そして周りの木々と柱が間から見えた。
ソレはまるで、先の見えない視界に光が差したよう。




