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心配する支える手 2
「想い人…、か」
ラシュフェーニカがカグヤの神殿に入り、少し経った頃のこと。
神殿前の大樹にもたれかかり、一人ため息をつく女性が居た。
黒に近い茶色の髪を高く一つに結わえた女性──ユエイだ。
「心配だなぁ…」
ユエイが神殿を見つめたまま、心の表すままに言葉と表情を表す。
「…」
ユエイがただただラシュフェーニカの入って行った神殿の入り口、一点を見つめる。
ユエイ自身もまた、カグヤが居なくなってから頻繁にコノ場所を訪れていた者の一人だった。
「同じ仕える者として、どうにか助けられないものだろうか…」
「《土ノ宮》様」
ユエイがそう呟き視線を落とすと、少し離れた所から声がかかった。
ユエイが声のした方へと目をやるろ、ソコには白い服をまとった《凛浄》の役人の娘が立っていた。
「《土ノ宮》様、
もうじき《四自然神》の定時会議が始まります。
カグヤ様の神殿内へお願い致します」
「《四自然神》の定時会議だってぇ?」
《凛浄》の役人が告げると、ユエイは笑いをこらえ切れなかった口調で役人に返す。
ソレはどこか、突き放すような冷たさが秘められたように感じられる声で。




