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隠されし歴史 6
彼らは歴史の中には、何故か語られなかった。
でも実際に存在した事実も在った。
何故、彼らが歴史の中から隠されるように姿を見せられなかったのかは不明であるとのこと。
ただ分かったのは、
“奴等”は世界を一度滅ぼし、自分達だけが生き残り、世界を自分達に都合の良い生きやすい世界に変えようとした、という事実。
そして争いを起こし、国同士で戦い、武器や兵器、ロボットや民を争わせた。
恐ろしい欲の時代であった。
まだ世界が、三つの大陸に分かれる前の、海の上に幾つも大陸があった時代のことである──
「…っ」
《凛浄》の者達の中に、強い困惑とどよめきが走る。
世界が滅びの危機に瀕したこと、
ソレが今は“旧時代”と呼ばれる時代に起こったことも、
世界が争ったことも、
ソレは《凛浄》の者達のみならず全世界の民々が知っていることであった。
ソレは全ての民がソノ時のことを忘れず、ソノ悲しみと嘆きを忘れず、もう争いの無い時代を…、と切に願い望んだからである。
だからこそ、《凛浄》や多くの地に《貴民》と呼ばれる歴史を伝える者達が居る。
そしてラシュフェーニカも、ソノ《貴民》の一人であった。




