6話 水路と新住民
2週間程かかりましたかね、
意外と難しいもんです。
さあ、新しい住民を加えた日々が始まった。
立場的に僕が、王らしい。
そんなに住民が居るわけでもないんだけどね……
方針は、僕が決めて、元村長――現ワードッグロード――に言えば、住民には伝えてくれるとのこと
とりあえず、
……ご飯は、大きい集会所で皆で食べること。
……食材採取・狩猟組と建築材料収集組に別れること。
……奴隷制度の撤廃
……男は採取・狩猟・材料収集を、女は料理・掃除・出来る範囲での建物の補修。
として、住民総勢に働いてもらう。
要するに、
〈働かざる者食うべからず〉
という事だ。
そして、僕も修練を積むために街の外へ行き、獲物探しを開始する。
《ねぇ、水探さなくていいの………?》
あっ、すっかり忘れてた
探さなきゃね。
食料があっても水がなくちゃね〜。
[そうだね、水を優先しよう]
ルナルとの会話は口に出さなくても、頭で言いたい事を思い浮かべると伝わるようだ。
念話ってゆうのかな?
まあ、そんな感じの使い勝手のいいものです。
頭の中で地図を見ながら、歩きに歩いた結果、見事に見つけた。
川を、見た感じ山の方から下ってきてるから、綺麗な水だろう。
水路については、力技で何とかするよ。
えっ?
無理だろって?
そんなことはない!
僕にば、剛撃射があるからね。
1射ずつだと時間がかかるので、〔3矢射ち〕を使って効率よく地面を抉って行こう。
――――――――――――――――
…………………まさかこんなことになるとは。
1射で2メートルも抉れるとは
これは、楽な仕事になるかな。
しかし、早朝に街を出て、帰ってきたのは、昼だった。
[腹が減っては戦はできぬ]
と言うのはホントだね、弓を引くこともできないや
《もしかして、スキルを使うと体力を使うって知らなかったの?》
と言われ、えっ、あぁ、そうなのね……
と遅めの認識をすることになる。
《それとね、ワードッグ達名前とか無いからね、ロードと、リーダーだけでも名前付けてあげれば?ついでにアタシも》
あ、名前ないのね
まあ、狐だし、キュウビがいいかな?
このままでいいのかな??
[お前の名はキュウビだ]
大丈夫かな……
まんまなんだけど。
《やった、名前だ!》
おぉ!
意外にも喜んでる。
まあ、水路も繋がったから、一先ず安心した。
今日の仕事は終わりにしよう。
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さて、もう朝だ。
まず、朝の伝言は、出口付近の水路の上に橋を作って欲しいと頼んだ。
それで、僕は昨日は見つけた川の上流に行ってみることにした。
うん。
来て正解だった。
リザードマンってゆうのかな。
トカゲみたいで二足歩行してるし。
まあ、長の所に行って、話して来るとしますか。
現在長の前です。
リザードマンって、でっかいのも居るのね。
僕で178だから
衛兵で4メートルか。
長が………6…メートルか…な……?
でかい、デカすぎる
とりあえず、話した事は、此処の他にリザードマンの村が有るか無いかについて。
応えは、ノー
此処一つだそうだ。
一つであるならばと、我街『アールベロ』に移住しないかと聞いたところ、リザードマンは力主義で、強い者に従うと言う掟があるから、長が決めた事は絶対なのだとか。
結果的に、長と僕が戦闘をして、勝った方に従う
と言う結論が出た
僕の力がどれだけなのか確かめるいい機会だから受けた訳だけど。
戦闘フィールドは川の中心から直径3キロ。
つまり、相手側に500メートルの岸、僕側も500メートルの岸、残りの2キロは川だ。
相手の庭みたいな所だし、こっちは不利だけどね、頑張るよ。
開始の合図は、衛兵リザードマンの水泡が、川に落ちた瞬間からだ。
ちなみに、水泡っていうのは、水を圧縮して、鉄程度の硬さにもなる水の弾だ。
と、落ちた瞬間……
相手が川に入り水泡が雨にように降ってくる
ただ、水の中だと弓では攻撃を出来ないから、迫り来る水泡を避けながら考える。
―――――――――――――――――――
少し前………
魔法について、この世界では、大気中に魔力の基になる
魔素という原子があるらしい。
その、魔素を集めて形ができた時点でそれが魔法なのだそうだ。
誰にでもできるわけではなく、魔法について学び、幾度も練習してやっと出来ることだという。
さらに、1人1属性という暗黙のルールみたいなものが成り立っており、1つ属性を手にするとそれ以上は欲さず、その1つを伸ばしていく事が普通である。
稀に、複数の属性を持っている人がいるらしいが、増やす事に集中し、力が弱く直ぐに倒されるのが現実。
――――――――――――――――――
と 、キュウビと念話をしながら、聞いたことだ。
試しに、手を開き、火をイメージしてみた。
ちっちゃ!
火の粉がチラチラ見えるだけなんだけど!
でも、これだけの作業で魔法って使えるものなのか?
〔アビリティ:貫通力増加〕
〔スキル:常時魔法付与可能〕
んっ?
なんか増えたな。
常時魔法付与可能って、どう言う意味だ?
〔説明:矢、弓に魔法付与をいつでも可能にする。矢は、手が触れている時にのみ付与可能。弓に魔法付与をした場合、矢に魔法付与はできない。〕
つまり、僕が触れてる時ならいつでも魔法付与をできるってことか?
まあ、そう解釈しておこう。
難しく考えると水泡に当たってしまう。
弓を構え、矢を番える。
弓に冷気が纏わり付いているのをイメージして見たけど、何も変わらない。
どうなってんだおい、常時じゃないのかよ
くっそ、こうなったら適当にやって正解を引き当てるしか………
手に氷塊をイメージし、矢を持ちそれを放った。
しかし、変化はない。
なんなんだよもう、もう怒ったぞ。
〔アビリティ:肉体強化(最極)〕
〔アビリティ:各属性使用可能〕
{アビリティ:魔法使い(最極)}
何だこれは、怒りに呼応して増えたのか?
{魔法使い(最極)の説明は、魔法を最大まで極めた人が、手にする能力。魔法攻撃の威力増加。回復魔法の効果増加。守備魔法の耐久∞。}
ほう、これって最高じゃないか。
というか、最極って、一番高い位なのか。
肉体強化最極ってゆうのも常に発動らしいから、水泡を素手で破壊する事も可能かな?
怖いから、試すのは後々……
とりあえず、〔弓属性付与*氷〕
剛撃射を放つ
矢は水中に入っても勢いを失わず、そのまま川底まで突き進む。
そして、水中に3本の氷柱が出来た。
続けて6射放つ。
計21本の氷柱ができ、水中にはもう動けるような場所はない。
斜めに矢を放った結果かな?
まあ、結果よければ全て良し
最後だ!
と心で叫び、剛撃射を放つ
何故か、今までの物と比にならない程大きかった。
そして、それを見た長は、水中から飛び出し、受け止める体勢に入ったが、時すでに遅し。
構える前に、矢が直撃する。
この一撃で勝敗が決した。
長が戦闘不能になり、僕の意志に従う事が認められた。
「今日は、5人アールベロへと連れていく。7日後にこの5人で残り全員を迎えに行って貰う。」
[これでいいかな?あんまし分からないから、何かあったら教えて。]
《大丈夫、問題ないと思うよ!》
と言われ安心して、6人と1匹で『アールベロ』へ帰還した。
感想等待ってます。
それと、アルファポリスさんには申し訳ないですけど、この作品は、オーバーラップさんの大賞に応募しました。
次作は、アルファポリスさんの大賞に応募する予定です。
応援よろしくお願いします。