2話 仮目的地到着
朝起きると、僕の上にルナルがいた。
あれ?名前が分かる......
後々分かっていくと思って、放置しておこう。
それにしても、ちっちゃい子狐みたいな物が丸まって寝てるのは癒される。
可愛そうだけど、登らないといけないから、起こしてあげようか。
揺さぶっても起きないぞこいつ。
うーむ、どうしたものか、取り敢えずはずっとわっさわっさしていよう。
お、ついに起きたか。
30分かかったかも......
まあ、やっと登れる。
と思い立った瞬間、頭に登ってきました......
一応登れるから、落ないように慎重に行こうか。
登っていった結果、一番上につく頃には、お腹が鳴っていた。
見渡すと、進んでいた方向に何か木が無い場所がある。
まずはそこに向かってみようと思う。
降りる時、下を見た瞬間怖くなって硬直してしまった。
怖くなってあたふたしてると、足元からミシッと音がした。
何事かと下を見たら、折れかけていた。
覚悟を決めて、下の枝に飛び移ろうと
重心を落としたその時、バキッと枝が折れてしまった。
頭の上に乗ってたルナル(子狐)を抱えるようにして、地面に落ちていった。
飛び降り自殺は止めとけって言ってた人の思いがわかったよ。
落ちるまでの時間が異様に長く感じられた。
そう思ってるうちに地面が目の前に来ていた。
異世界なんだから、なんか能力でもあるんだろとか余裕で思ってたけど、落ちた瞬間、身体の至る所で骨が折れた......
なんでだよとか思ってたら、傷口が閉じていく所が見えたから、自己再生能力が極端に高くなってるのか、と思いなおす。
それに、落ちてる最中にルナル(子狐)の声が聞こえたような気がするのだが、ホントかどうか分からないから、とりあえず考えない事にする。
にしても、自己再生能力が高いだけで、痛みは残るんだな......
もう歩けない程痛むんだがどうにかならないかな。
ここで寝てしまったら、熊みたいなのに襲われるんじゃないかって思うんだ。
ルナル(子狐)も気を失ってるのか動かないし....
うん、決めた明日になって良くなってるかもわからないけど、僕の運に賭けて今日は休もう。
さあ、朝だよね明るいし。
身体は少し痛いけど、歩けない程じゃない。
それに相変わらず腹の上にはルナル(子狐)がいる。
僕気に入られたのかな?
お腹がすいてるから、早いとこあの何かありそうなとこに行かなければ
まず立つ。
ルナル(子狐)には頭の上にいてもらう。
もう少しだと思うから、ゆっくり行っても大丈夫だと思うから食べれそうなものがないか探しながら行こうと思う。
そして、太陽が真上に来た時、取り敢えずの目的地に着いた。
そこには、元々街でもあったかのような風景が広がっていた。
周りは壁になっていて簡単には入ってくることは出来ないだろう。
入り口には、
アールベロと書かれている。
それがこの街の名前だったのか。
もう、これだけ荒廃した所だと、地図から消えてるんだろうな。
今日からここに住むのもいいと思うけど、色々見てこないとわからないや。
だから、今日は暗くなるまで、ここを回ってみることにする。
投稿は不定期になりますが、月2回以上を目標にして連載していきたいと思ってます。
今回は前回より長くなってるはず……です。
感想、誤字報告など待ってます。