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そしてトイレは、友情のハッテン場と化す3

更新遅れました、すみません(-_-;)

水曜日。


今日、夕浜は学校に来ていない。しかし放課後に、前行った公園に来てくれとメールがきていた。


内心穏やかではない。


前回みたいに小学生の相手をさせられたらと思うと不安で仕方なかった。恐らくは銀行強盗計画についての事なのだろうがやはり不安である。


しかし授業はやってくるので仕方なしと受けていると、不安慣れがきたのか時間が早く経つように感じられた。

授業が早く終わるのはよいのだが放課後のことを思うと万歳をする気分にはなれない。小学生のころせっかく二限目で終わったのに午後にあるサッカークラブのせいで無気力になっていたころの感覚と似ている。


鬱々と歩きながら学校のトイレに入ると見知った顔があった。そいつはズボンを下ろして奥の便器に立っていた。オレは無言でそいつの後ろに立った。


「なんだよ道後! ほかの便器空いているだろ!」


中ノ瀬は顔だけこちらに振り返り居心地悪そうに身をよじらせた。


いやこの便器を使いたいんだよ。


「なんでだよ!」


「お前いっつもこの便器使ってるじゃんか。なんか秘密があるんだろ? シークレットな部屋の入り口だったりするんじゃないか?」


「ねーよ! まったくねーよ!」


「ほんとかよ。じゃあお宝でも埋まってんのか」


「仮にそうだとしても小便がかかりまくったお宝とやらはいらんな!」


「ギャイギャイうるさいぞったく」


オレは心底うっとおしそうな表情を作り中ノ瀬から一個離れた便器の前でチャックを開いた。


「なんでお前はいつもオレがトイレにいるときにいるんだ。ホモなのか?」


「逆だろ。俺がトイレしているときに道後が来るんじゃないか。あとホモじゃない」


「うるさあいなあ、細かいところ気にすんなよ」


「なあ道後。ヒントをやろう。オレが中学時代、仏の中ノ瀬、と言われていたのは知っていたよな? お前はすでに三度オレを怒らせた」


「うん」


「ヒント二だ。実はまだオレは用を足してない」


「うん」


「最後のヒントだ。オレは今無性に回転したい。ありのままをさらけ出してすべてをぶちまけながらスケート選手のように回転したい気分なんだ」


「正解がわかった。ごめん」


「ああ」


しばしの間無言の空間が広がった。中ノ瀬は体を震わせると流すボタンを押した。水が流れて洗面所の方へと歩いて行く。手を洗う音に混じって話しかけてきた。


「そういやさ、女子って怖いよな」


「なんだ突然。告白でもして振られたのか?」


「いいや……つか振られるのは前提かよ。そうじゃなくてそう感じることが

最近あったんだよ」


「どんな?」


「まあ……。女子ってグループみたいのがあるだろ? かわい子ちゃんグループだったり、部活グループだったり、ちょっと大人し子ちゃんグループだったりさ」


若干語彙が古いと感じたが三度怒らせているので触れないでおいた。


「まあようは派閥があるわけだな。たぶんオレらには見えない派閥がよ。そいつはすぐに色を変える派閥だがな」


「わからん、そういうものなのか」


「そうだ。だからどこかに属してないと女子は学校で生活するのはきついんだ」


「なぜだ?」


「分からないのか? グループに属するという事は彼女らにとってある種アイデンティティーに近いものがあるんだよ。ということは逆説的に属していないと異端扱いされてしまうという事」


「ふーん」


なるほど、ならばオレが女子なら完全異端者だったろうな。


……ん? 


でなにが怖いと思ったのだ。それを聞こうとしたが先に中ノ瀬の声がかかる。


「お前気をつけてあげろよ」


扉に手を掛けながらこちらを見てくる。


「え?」


しかしオレの疑問に答えることなく奴はトイレを出て行ってしまった。気をつけてあげるってなにをだよ……。


しかしその疑問に答えてくれる禿げはいない。


何となく上を見た。換気扇がからからと回っている。軽く鼻息を付いた。

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