表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おいしいお店のコックさん

作者: 大海
掲載日:2012/02/12

二本目の童話となります。

おそらく冬の童話祭りの間で投稿する作品は、これで最後になるかと思いますが、少しでも興味を持ってくれれば幸いです。

それでは、よろしくお願いします。


ある町に、おいしい料理を作る、おいしいお店のコックさんがいました。


コックさんは、お客さん達が喜んでくれるよう、毎日おいしい料理を作りました。


その料理を食べたお客さん達は、みんな喜びました。コックさんも、とても喜びました。



ある日、同じ町に、とてもおいしいお店ができました。


とてもおいしいお店の料理は、とてもおいしくて、お客さんは、みんなそのお店に行きました。


そのお店で料理を食べたお客さんは、みんな喜んでいました。


おいしいお店のコックさんも、みんなが喜んでくれるよう、料理をもっとおいしく作りました。


そして、おいしいお店は、とってもおいしい料理を作る、とってもおいしいお店に変わりました。


とってもおいしいお店の料理を食べたお客さん達は、みんな喜んでくれました。


そして、お客さん達はみんな、とってもおいしいお店に来ました。


とてもおいしいお店は無くなりました。



ある日、同じ町に、すごくおいしいお店ができました。


すごくおいしいお店の料理は、すごくおいしくて、お客さんは、みんなそのお店に行きました。


そのお店で料理を食べたお客さんは、みんな喜んでいました。


とってもおいしいお店のコックさんも、みんなが喜んでくれるよう、料理をもっとおいしく作りました。


そして、とってもおいしいお店は、すっごくおいしい料理を作る、すっごくおいしいお店に変わりました。


すっごくおいしい料理を食べたお客さん達は、みんな喜んでくれました。


そして、お客さん達はみんな、すっごくおいしいお店に来ました。


すごくおいしいお店は無くなりました。



ある日、すっごくおいしいお店に、とてもおいしいお店のコックさんと、すごくおいしいお店のコックさんがやってきました。


「どうしてぼく達よりおいしい料理を作るの?」


そう聞かれたすっごくおいしいお店のコックさんは、


「みんなが喜んでくれたからです」


そう答えました。


すると、とてもおいしいお店のコックさんと、すごくおいしいお店のコックさんが言いました。


「じゃあ、ぼく達のことは喜ばせてくれないの?」


すっごくおいしいお店のコックさんは、とても不思議に感じました。



ある日、同じ町に、本当においしいお店ができました。


本当においしいお店の料理は、本当においしくて、お客さんは、みんなそのお店に行きました。


そのお店で料理を食べたお客さんは、みんな喜んでいました。


すっごくおいしいお店のコックさんも、みんなが喜んでくれるよう、料理をもっとおいしく作りました。


けれど、いつまでたっても、すっごくおいしいお店の料理は、本当においしいお店の料理より、おいしく作れませんでした。


そして、お客さん達はみんな、本当においしい料理のお店に行きました。


すっごくおいしい料理のお店は無くなりました。



すっごくおいしいお店のコックさんは、自分も喜びたくて、本当においしいお店の料理を食べました。


けれど、本当においしかったのに、コックさんは、喜ぶことができませんでした。


すっごくおいしいお店のコックさんは、とてもおいしいお店のコックさんと、すごくおいしいお店のコックさんが言ったことが分かりました。



ある日、こことは違う町に、おいしい料理を作る、おいしいお店のコックさんがいました。


その町には、とてもおいしいお店や、すごくおいしいお店もありましたが、全部のお店で、料理を食べたお客さん達は喜びました。


おいしいお店のコックさんの料理は、みんなを喜ばせました。コックさんも、とても喜びました。



まだ小さかった頃は、よく両親に喜んで欲しいからと、色々とやんちゃな行動を取っていました。

しかし、それで迷惑を掛けることもあり、そして両親は喜ぶよりも、怒っていたことの方が多かった気がします。

いくら自分にとっては楽しく、相手のことを思っていても、相手にとって、また周囲の人にとって迷惑なことなら、喜ばせることは出来ないのだと、今となっては痛感しております。

相手への思いやりが、全ての人間を幸せにしてくれるとは限らない。

そのことを伝えることが出来ればと思い、この童話を書かせて頂きました。

最後に、数ある作品の中で、『おいしいお店のコックさん』を手にとって頂き、誠にありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ