手紙よ届け。
To そこのあなた
From ここのわたし
そちらは大変だと聞いています。
無事を祈るこの手紙も、果たして無事に届くかどうか。
それでも、あなたがたにどうしても伝えたくて、こうして筆を執りました。
あなたがたの住む場所から、ここは遠く離れているせいか、大きな被害はありませんでした。
それでも、わたし達の心は酷く痛いです。
どうか、どうか。
この思いが曲がることなく伝わりますように。
笑顔が、消えました。
あれから、わたしの周りでは誰ひとりとして心から笑っていません。
あなたがたの方が何倍も苦しいのは、わかっています。
わたしたちはこうして電気もあるし、ご飯だって満足に食べられる。
夜は安心して温かな布団で眠っています。
そう。
日本の中に、こうした場所はまだしっかりと残っています。
だから笑って、今はまだ難しくても少し視野を広げて下さい。
皆が笑っている未来が、きっと見えるはず。
笑いましょう。
わたしも笑います。
心は痛いけど、笑います。
笑う門には福来るというぐらいです。
昔から言われていること。
きっと根拠だってある。
だから笑います。
笑顔の和を、この地から広げていきます。
そうしたら、陸続きのあなたがたのもとへも届きますよね?
みんなが笑える未来、一緒につかみ取りましょう。