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シャロウ・ミヌレの怖い話

 それで、その後、どうしてもトイレに行きたくなって、オリヒコくんを連れてくとイタズラされそうだったから勇気を出して一人で行ったんだ。


 それで、トイレに無事に着いて、小の方を出した後、おなかが痛くなって、個室に入ったんだ。


 お菓子をたくさん食べたから、お腹を壊したんだろうね。


 その時、遠くで甲高い悲鳴のようなものが聞こえたんだ。


 ドアがキィって鳴る音にも似ていた。


 でも、とても大きな音なんだ。


 その音が、遠くから、一定の速度で近づいて来るように聞こえた。


 そう、その悲鳴みたいな音が何度も鳴っていたんだ。


 音が階段を上がってきて、廊下を進んで、こっちに近付いてくるのが聞こえた。


 僕はお腹が痛くて、トイレから動けなかった。


 そうしている間にも、音はトイレに近付いてきて、ついにトイレに入ってきた。


 そして、どんどん近付いてきて、僕のいる個室の前まで来て、やっぱり鳴るんだ。


 キィーッ!って。


 それから、静かになった。


 しばらくしてお腹の痛みもなくなって、おそるおそる個室から出ると、何もいなかった。


 でもトイレから出た時、くすくす笑う声がしたんだ。

 その時はオリヒコくんの声だった気がして、誰かいるのか廊下に向かってたずねた。


 すると、笑い声が消えて、返事があった。


「いますよ」って。


 その時もオリヒコくんだと思った。


 試しに声の方へ向かっていくと、誰もいないのにくすくす笑う声だけがして、耳鳴りがし始めた。


 何か嫌な予感がして、走って502号室へ戻った。


 すると、オリヒコくんは変わらず寝ていた。


 その時の僕はイタズラされたと思って彼を起こしてみたけど、オリヒコくんはそんな事していないって言うんだ。


 今では思うんだ。


 あの声、オリヒコくんの声じゃなかった気がするってね。


 それに、オリヒコくんだったら言うかな?


「いますよ」なんて……。


 以上です。

 ご清聴、ありがとうございました。

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