高架下のれん
昔々、おじいさんとおばあさんはある駅の高架下に小さなラーメン屋を開きました。
おじいさんは小さい頃からの夢を叶えることができました。
おじいさんが子供の時、ラーメンを初めて食べたら美味しさのあまり、目から大粒の涙が溢れました。
そして自分も、ラーメンで人々を感動させたいと決めたのです。
そのために、長い間贅沢もせず、大きな会社で働いて働いて、金を集めていました。
しかし、ラーメン屋さんにお客さんはまったく来ませんでした。
おばあさんはついには泣いてしまいました。
「どうして急にラーメン屋をやろうと言い出したの?私の人生を返してよ!」
おばあさんはおじいさんの夢について何も聞いておらず、
結婚したら専業主婦として、ずっとだらだら過ごせると思っていました。
喧嘩した翌日、ラーメン屋におばあさんはいませんでした。
おじいさんはおばあさんの言葉に気を落としました。
その時、一人の客が入ってきました。
「すいません、初めて来たのですが、おすすめはなんですか?」
「それなら、新しく作ったこちらのラーメンがいいですよ」
おじいさんがすすめたラーメンを、客が一口すすったその時、客の目から大粒の涙が溢れてました。
「寂しくも懐かしい味がする」
おじいさんはお客さんを感動させることができたと、店の裏に隠れて喜びました。
客は涙を流しながら食べ終わり、金を払って店を後にしました。
おじいさんは客の背中に向かって言いました。
「ありがとうございました」
翌日、店に警察が来て、おじいさんは逮捕されました。
昨日来たお客さんからの通報で、おじいさんがおばあさんをラーメンにしたことをバレてしまったのでした。
この小説の作者です。
初めて書いた小説です。