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<ランチ>

<ランチ>

ここ株式会社TYURAはランチの時間の指定が無いため各自仕事のペースで休憩に入る事ができる。ちなみに一日一食つきだ。

午前中の研修が終了し、俊弥達同期四人はお昼休憩に入ったのでランチスペースを訪れていた。入ってすぐに厨房のおばちゃんに各自注文を済ませ、窓側の席に俊弥、夏生、向かうようにして涼介、菊が座っている。

「あ~やっと飯だ飯~♪」

「涼介くん10時頃からお腹すいてそうでしたもんね。」

涼介と午前中共にしたことによりかわからないが菊には昨日や今朝の緊張していた様子はもうない。

「朝ごはんから何も食べていないんだよ!? そりゃ腹減るよ~」

(、、、みんなもなのでは?)と疑問はあるがあえて何も言わないでおこう。

「それに、出社前にSにパワー分けたから余計にだよぉ~」

今朝に会社の前で両手を突き出して送っていたのはやはり涼介のパワーだった。

「それもそうでしたね!涼介先生!」

「そのおかげで僕は午前中は元気だったよ?サンキューな」

菊まで朝のノリを掘り返すと、俊弥は苦笑いしてちゃんと乗ってあげた。

そんな三人を一人寂しそうに聞いている綺麗な女性がいた。

(三人とも朝からそんな事があったんだ、いいな~私もそこに混ざりたいな~)と言わんばかりの表情をしていたのは夏生だった。

今日夏生は同期四人の中で一番早くにオフィスに着いていた為、俊弥達が会社の入り口でやっていたミニコントは見ていないが三人の話す様子を見るとなんだか楽しそうで自分も混ざりたいと思っているのだ。

「三人とも朝からそんな事があったんだね、、、」

ボソッと俊弥にしか聞こえないであろう美しい声はなんだか心に響いた。

俊弥は察した、、、夏生さんは今、、、自分の知らない話をされて楽しくないのだ!と ※勘違い

どうにかして夏生さんの機嫌を直さないと午後の仕事に影響が出てしまう。お昼休憩の時間で少しでも距離をちじめたかった俊弥だがこのままだとちじめる所か夏生さんが今回の件で嫌悪感を覚え、明日以降一緒にご飯を食べるどころか、研修の間喋ってすらもらえないと考える。いかにも悩んでいる顔に無意識になってしまう。

「俊弥くん?大丈夫?やっぱり体調悪いんじゃ、、、」

喜怒哀楽、すべてのジャンルの考え事をしていると顔に出てしまう。俊弥の悪い癖だ。

「いや、ごめん!全然そんなのじゃないから!気にしないで!」

焦ったように俊弥が言葉を返すと同時に脳内に本日二度目の聖母夏生が降臨した。

「私今日早めに会社に着いたから、その、良いなと思って、、、。」

「そ、そうなんだ! 朝はたまたま三人一緒になったから、、、。」

(かわいすぎる。なんだ、僕の勘違いか。)

なんだか自分で勘違いだったと気づいたので俊弥は安堵に溺れた。

「今日はみんなどれくらいに入り口に着いたんですか?」

「ん~大体8時30分くらいだったかな?」

「そうなんだ!私も明日からそのくらいの時間帯に出社すれば俊弥くん達に会えるんですね。」

「え?」

その嘘偽りのない綺麗な夏生の言葉に俊弥はまた勘違いを炸裂した。

(まって、これって朝から僕に会いたいってこと!? いや、まてまて、落ち着くんだ、また勘違いの可能性もある、そう「俊弥くん達」って言ってたから皆の事を言ってるんだ、別に僕だけに会いたいわけではなよな!!うんきっとそうだ!!)

俊弥は心情とは裏腹に流暢に会話を続ける。

「そーだね、あの二人はたまたまかも知れないけど、僕は基本的にはその時間帯に出社しても問題なさそうだから、これからも出社時間は同じかな?」

高ぶる気持ちを抑えながら俊弥は何かを探るように細く呟くが、、、

(この返しならば他二人の出社時間はバラバラかもしれないと言う事も伝えられたし、僕    

 はこの時間帯にいつも来ると言う事も伝えられた。答えによってはちょっと寂しいけど

 自分の勘違いを解くためだ!さぁどう返すんだ夏生さん!?」

俊弥の気持ちは高ぶったままだ。

「それなら私も8時30分くらいに到着するようにしますね。」

夏生は決して俊弥に好意があってではなくただ単純に、純粋に皆と親睦を深めたくてそう発したが、、、俊弥の勘違いがさらに盛大になり継続する。

「そっ、そっか、僕も遅れないようにするね。」

嬉しい気持ちと共に絶対に朝遅れることのできないミッションを課せられたが、俊弥の出社前の楽しみが一つ増えた。


そうしている間に「新人さん達~ごはんできましたよ~」と厨房からおばちゃんの声が聞こえたので各自食事をとりに行く。

トレイに乗っていたのは旬のお野菜のサラダと艶があり出汁の香りがいかにも美味な出汁巻たまごと味噌の炙られた香りが堪らないサバの味噌焼きにアツアツの味噌汁と白米が乗っている。この見た目のクオリティーの定食が日替わりで食べれるのはこの会社の社訓に「「美味しいものを食べよう」」と掲げられているからだ。あの変人な社長に今はリスペクトを覚えた。

「これが無料で毎日食べれるの!?この和食だけでも某和食チェーン店よりおいしそうジャーン」

店名を言わない謎の気遣いの涼介の発言に一同は納得せざる終えなかった。

午前中の研修の内容や雑談を交わしながらみんなで食事を楽しんでいると、涼介にしては中々良い提案を出してきた。

「なぁー今週末の仕事終わりに親睦も兼ねて、四人で飲みにいこうぜ!今週お疲れ~的な感じでさ!それに鈴木部長が昨日言ってたじゃん!?やっぱこの会社最高だな!まだ二日目だけど?」

涼介が言うように、研修初日に部長さんが言っていたのはかなり衝撃的で四人の脳裏をよぎったのは同じ内容だった。

「週一程度の飲み会なら経費出るからちゃんと領収書もってきてね。シャンパンは一人1本までだよ?」

微笑みながら言っていたあの言葉は四人の記憶にもまだ新しい。

そうこの会社の経費の紐はかなり緩いそれ以前に紐なんて存在しないのかも知れない。だがこれは紛れもない事実である。もちろん最初は冗談だと思ったがその後経理の方に聞いてみると「比嘉社長のポケットマネーだから、思う存分楽しんで頂戴!」との事。

社長が太っ腹すぎて逆に怖いくらいまである。

「菊はあまりお酒得意じゃないですけど皆さんとなら行きたいです!」

菊曰く別に嫌いではないが、酔っぱらってくると、少しおしゃべりになるタイプだから飲みすぎないようにするとの事。

「僕は全然予定とか無いし、行きたいな。夏生さんは予定空いてたりする?」

俊弥にとって夏生が来てくれるのは絶好の親睦チャンスなので絶対にきてほしい。

「私も特に予定ないので皆と行きたいです。」

(よっしゃ!!)

「そ、そっか、なら週末楽しみだね。」

嬉しさの動揺をかくしきれず、こんなにも短い言葉を噛む俊弥だった。

「よーし!そうと決まれば午後も飲み会の為に頑張ろう!」

こうして週末の初の四人の飲み会が決まった。


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