宮古島市の食糧事情
宮古島市が異世界に転移してしまってから半年以上。
今日のミカ校の講義は、外地についての調査結果の報告。
結月調査官が、数十の木造家屋の集まりの映像が映し出された。次いで、その周りにある、複雑な形をしているが水田の姿が映し出されていく。
「私たちの現在地より、ゴーマルkm南方の地に、この集落の存在が確認されています。彼らは、私たちが現在最も必要としているもののひとつを持っています」
教室のみんなは少しざわめいた。
そう、米だ。
わたしたちを含め、今の宮古島市の人口は7万人ほど。
元々外からの船便に食料の多くを頼っていた島では、既に食料は不足している。
米の備蓄は残り1月分ほど。先々月より、寮の食堂の給食で米飯は週に一度となっている。
以来、三食は、パン、パスタ、サツマイモのローテーションとなっている。パン小麦もしばらく在庫が厳しいらしく、まもなくパンは給食メニューから消えるらしい。
島内での米と麦の栽培の取り組みに加え、駐屯地施設科の隊員さんたちが外地でも栽培に取り組んでいるけれども……お米もパンも今しばらくは贅沢品だ。元々島の特産品であるサトウキビに、サツマイモは十分余裕があるとのことだけれども、わたし達は大学芋はもう飽きはじめている。
もちろん非常時であること分かりきっているから、食事内容に誰も文句は言わないけれども。
先月のジミカには、島で虫歯が急増しているなんて記事を出したのだけれど、一因は、大学芋ばかり食べがちな食事メニューのせいかもしれない。
やはり島外との貿易の促進が必要。和希先輩、異能の土木爆裂とかをドカドカ放って、早くに日本海までの運河を切り開いてくださね。
わたしも夜の金魚姫プレイを今しばらく頑張るから……
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かくして、島民とわたし達の食料確保のため、自衛隊施設科と共に、異能をマスター運河作りに取り組む先輩と、その先輩の異能に生じた副作用を打ち消すためにナノマシンを充填し金魚プレイすることになったわたしとのストーリーが展開していきます。
今回は世界設定を固めて参りました。
皆さま、改めまして、応援よろしくお願いいたします。