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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

1号機

作者: 味ぽん

 いつからだろうか。僕がこうなってしまったのは。ほんの少し前までの僕は少なくとも、銃を持った歩兵にも戦車やヘリ、ミサイルに追いかけ回されることなんて無かった筈だ。普通の人間だったのはいつの頃だった。

 確か人間だった頃の僕は友達がいて、家族がいて、可愛い彼女だって居た気がするのに。火を追うごとに家族の顔も友達の顔も彼女の顔も、全てにもやがかかって思い出せなくなった。そして、僕の名前は?S0029いや違うそれは僕を追う者たちが付けた名称だ。名前、名前、、、、自分の名前すらもう思い出せない。

 遂に目の前の古びた木のドアは開けられ、何人もの銃を持った軍人がこの狭い古屋になだれ込んできた。外には数機の戦闘ヘリや戦車の姿も見える。頼むからもう放っておいてくれ。

「S0029を発見!山中の小屋の中で座り込んでいます。捕獲作戦開始!」

 僕はゆっくりと立ち上がって目の前の人間達を睨みつける。先程からベラベラ喋っている隊員は僕の様子を見るなり叫んだ。

「射殺しろ!!」

"だだだだだだだだだだだだだだた"大量の弾丸が発射され、僕に向かってくる。しかし、玉は当たるどころか僕のの目の前で弾かれる。隊員達は僕を囲んで背後からも射撃をするが当たらない。

 何故こいつらはわざわざ死にに来るのか。ため息を一つ吐き。体内で収縮していた力を一気に放出した。

隊員達の叫び声。肉が潰れる音。古屋は一瞬にして吹き飛び、僕を中心にして半径10メートルの土地が抉れた。

 今度は戦車とヘリからのミサイル攻撃だ。何発ものミサイル弾が僕に向かってくる。だが、やはり無駄で僕の少し手前で動きが止まり、ミサイル達は方向転換

打ち出した各々の元へ帰っていく。ヘリも戦車も自分の打ち出したミサイルによって全滅した。

 呆然と立ち尽くす兵士達。その間をすり抜け、僕はまた深い森の中に入っていった。


 


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