世紀末オカルト学院 レビュー(ネタバレあり)
過去作品を見返すことが多い。コロナの影響もあってか。そして、久方ぶりに途中で見るのをやめてしまった世紀末オカルト学院を見ようと思った。なんで、世紀末オカルト学院を見るに至ったのかは覚えていないが。
そんなこんなで、見返してみると、まさかここまで面白いアニメだったとは思わなかった。「ここまで」というのも、作品の作り方が非常にうまく、メッセージ性もあって面白かったからだ。最後は綺麗に物語を完結させたなと思わされた。
このアニメは、どういう話なのかというと、オカルト嫌いのヒロインがオカルトに遭遇していく中で、だんだんかつてオカルト好きだった子供の頃の心を取り戻していく物語である。
ある日、天上から文明が裸で降ってくる。そして、マヤに「この世界は宇宙人によって滅ぼされる」と突然告げられるのだ。そして、文明はマヤの学校で歴史の教師をすることになる。
最初は疑心暗鬼だったマヤだったが、文明と打ち解けていく中で徐々に信頼していく。そして、文明を含めた、こずえや幼馴染の亜美との関わりの中で、亡き父親がオカルトに夢中で自分のことをほったらかしにされてきたことから、オカルトが大嫌いになってしまったマヤが、徐々に父親の本当の思いを知っていく中で、本来のオカルト好きな心を取り戻していく。
未来人が出てきたり、魔術師が出てきたり、宇宙人が出てきたりと、いかにもtheオカルトなアニメっぽく感じるのだが、実は私個人の印象としては、全然オカルトっぽくもなかったし、世紀末という感じのしないアニメだった。というのも、最終的には、宇宙人が到来して地球を滅ぼしにくるわけだが、文明の超能力パワーで全部解決しちゃうし、未風という文明といい感じになりそうだった女の子が実は敵側だったり、マヤの父親が実は生きていたりと、予想を裏切る展開が多い気がするからだ。逆に、こいつ敵側じゃね?と思っていたちょっと変でクールなお姉さんが、実はとても人情に溢れたお姉さんだったりもする。要するに、どこまでも視聴者の予想や期待を裏切ってくる作品だなという印象だった。おそらく、このアニメは、視聴者に対して「目に見えているものだけが真実か」と問い質したいのだろう。むしろ、この作品世界においては、胡散臭くて馬鹿馬鹿しいオカルトこそが真実なのだ。