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《2-23》

〈親たちの因果編⑤〉


一応親たちの学生時代の話は終わりです。

最後はあやふやにわざとしています。



チェスターはざまぁされます。



「・・・フリージアさん・・・どういうことなの?」


「私、この男に脅されていたんです」


唖然として思わず呟いたわたくしの声を正確に拾い上げたフリージアさんは、はっきりと強い眼差しをこちらに向けて告げた。


「なっ、そんなことは!」


「私が入学してから、この男が、こいつこそが私に一番嫌がらせをしてきたのよ!」


零れはしないが涙に濡れた紫の瞳に悲壮な表情は、サロンにいる多くの人の心を打った。細く小さな体を怒りの為震え、涙にぬれた瞳、緊張で白くなっていたがそれでも力強さを出そうと必死になっている硬い表情。

場違いながらも、彼女の庇護欲そそるその姿に見ほれた時だった。


「それはどういうことかな?詳しく聞こう」


静かな声と共にサロンの入り口から入ってきたのはわたくしの愛しの婚約者ブラッドリーと、何れはこの国の頂点に立ち指導者となるアイザック王太子殿下。


そこにいたものすべて、チェスター以外が立ち上がり、各々礼を取ったがそれを片手で制してレイチェルたち、騒ぎの中心の傍にやってきた。


「フリージア、いまだに嫌がらせが続いているとは聞いていないぞ?」


「ザックのおかげで随分とよくなってるわ。でも、新たな嫌がらせがあって・・・。」


「私では助けにならないのか?」


「もう十分助けてもらっているわ。」


レイチェル様の傍、というよりも幾分かフリージアの傍に寄って二人だけがわかるようなやり取りがされる。その親密さに周りがざわついている。

最近取り巻く噂話を信じているわけではないというのがレイチェルを知っている多くの人たちの意見だが、それでも実際に二人のやり取りを見てしまうと少しは本当なのでは?と思うものが出てきそうだ。

いつも見ているわたくしでさえもそう勘違いをしてしまいそうになる。

それに殿下は、サロンに入ってからレイチェル様に視線すら送らずまっすぐフリージアのもとへ行った。本当にあれから話をされていないのかしら?


「チェスター、私のところにも公爵から継承の変更の連絡が来ている。」


フリージアとのやり取りの後、フリージアからの発言から立ち直れていないチェスターに感情がこもらない声で話し出す殿下。

その殿下にパッと顔を上げて、ありもしないのに一縷の望みに縋るように汚らしい笑みを浮かべる。


「殿下、俺・・・私は、次期公爵として見分を広めるために、今までのやり方とは違う学び方で・・・」


「それで娼館に通い、娼婦たちに暴力をふるっていたという訳か?」


殿下の静かな声に、ヒッと喉を鳴らし、その場に項垂れるチェスター。そ

れで真実だと言っているようなものだが、見聞を広めるためにって娼館に通うって・・・そんな貴族の教育聞いたことがない。

呆れて言葉が出ないとはこのことみたいだわ。ましてや暴力行為とは・・・


「物は言いようとはいえ、とても公爵の後継は務まらないだろうな。他にもたくさんの報告が上がっている。ここで話す内容でないから、場所を移して調書をとりたい。明日を待たずにお前の籍はもう公爵家にない。すでに一介の男爵家の三男だ。これからの身の振り方を考えるんだな。」


今度は、わたくしの横からブラッドリーが付きつける。いつの間にか、わたくしの肩にそっと手を置いて横に来ていたブラッドリー。

わたくしが見上げると、こちらに顔を向けて微笑んでくださる。微笑んだのですよ、他のみなさまには口の端が上がっただけの何かを企んだような笑みかもしれませんがわたくしには優しくほ微笑んだように見えましてよ。


ブラッドリーの突き付けたことは、微笑み以上にサロンの多くの人たちの動揺を誘った。


もうすでに公爵家を除籍された?

さっきロニー様は明日の話し合いをもってそうなる予定だったはずでは?


「フリージア、話してくれないか?まだ続いていた嫌がらせとは?」


「そうだっ!俺じゃない!俺はフリージアを愛していただけなんだ。

俺はフリージアを守っていただけだ。

嫌がらせをしていたのは、そこのレイチェルだっ!」


殿下の言葉にまだ諦めていないか、往生際の悪いチェスターは顔を上げて静かに静観していたレイチェル様を指さして唾を吐きながら叫んだ。

もうすでにレイチェル様の表情は消え、どこまでも冷ややかに叫ばれた声にもこたえることをしなかった。


「・・・私の嫌がらせなんてずっと、そう、入学したとき、入学してすぐのテストでザックを抜いて一位を取ってからよ。レイチェル様が入学してくる前なのにどうやって嫌がらせをするっていうのよ!」


「えっ、いや、それは誰かを使って・・・」


「なんのために?殿下よりもいい成績を取って生意気だから?

そんなことを言ってきたのは、あの当時の生徒会長でしょ!」


フリージアの話では、入学当初すぐのテストで殿下やブラッドリーたちを抜いてダントツで一位になったフリージアは、生意気だと、下位貴族のくせにと酷い嫌がらせをされたという。

物を隠されたり壊されたりするのは、いつもの事。廊下では見知らぬ人から突き飛ばされたり足を引っかけられたりするなどの身体的嫌がらせもされてきたらしい。最初は先生に被害を訴えたのだが、不特定多数だったことで対処ができないと言われたという。時間がたてば、収まると取り合ってもらえず先生たちに幻滅した。それでもその言葉を信じて、目標のために成績を落とすこともなく、次の試験で全教科満点という快挙を上げた。だが、それが嫌がらせに拍車をかけた。嫌がらせはエスカレートしていき、外を歩けば上部からものを落とされて怪我では済まされないこともあった。

そんな時、新しい生徒会の面々が、身分の隔たりを無くして過ごしやすい学校生活を!とスローガンを掲げた。そこでその時の生徒会の面々に相談をしたのだ。

そして、そこでその時の生徒会長、伯爵令息だったがその発言に失望した。


「君が嫌がらせをされている?そりゃそうだろう。君さぁ、下位の貧乏田舎貴族ならそれらしく、媚売ってりゃあいいのに、なに殿下よりも目立とうとしてるわけ?

できる人なら、どうすればいいかわかるだろうにさぁ。余計な事やらないきゃいいんだよ。女ならニコニコ笑ってしな垂れて男を喜ばせてりゃいいんだよ。君、見た目もいいんだから、勉強は手を抜いて僕の様な将来有望な子息に媚売ってればいい目をみれるよ。可愛くするなら僕と付き合うか?」


その会長は、幼いころからの婚約者もいる人だったというのに相談に来たフリージアにそんなことを言ったらしい。

それから、フリージアは成績だけは落とさないように大人しく、昔からの幼馴染に助けてもらいながらなんとか過ごしていった。その間、何度も生徒会への手伝いや役員の勧誘があったが生徒会というものに失望しきっていたためすべてはねつけていった。

そのうち、フリージアの見目の良さに目を付けたチェスターが絡んできたのだが。その頃からもうすでに素行が悪いと評判だったチェスターをフリージアは避け続けた。

しかし、それも長く続かず。3年生になり生徒会になったチェスターは、生徒会の権力を使って何度もフリージアを呼び出して関係を迫った。

そしていつもかばってくれていた、幼馴染が寸前のところで助けてくれていたのだが、ある日、その幼馴染が暴漢に襲われ大怪我を負った。その後呼び出されたときのチェスターが呟いた言葉で暴漢を差し向けたのはチェスターだと確信した。


「いつまでも鬼ごっこをする趣味はないよ。いい加減捕まってくれないと、今度は君の家が大変なことになるかもね。あぁ、幼馴染の家でもいいかも・・・。

クッ、クッ、君が自分から俺に捕まりに来るのが楽しみだなぁ」


気持ち悪い笑みを浮かべて舌を舐めずるその姿にゾッとした。

でも証拠もなく、守ってくれていた幼馴染は、怪我の後遺症で学校を去ってしまった。誰に訴えても取り合ってくれないことは入学から3年で十分に学んだ。

これまでどんな嫌がらせにも屈せず頑張ってきたというのに、チェスターに従わないといけないのかと悔しくて泣いていた時に殿下に会った。

そこから殿下が傍に置くことでチェスターも、露骨に言い寄れなくなってフリージアは生徒会の手伝いをして殿下に恩返しをしていったという。


「前の生徒会長もザックが、身分の垣根をなくして才能のあるものを採用したいって未来の展望を聞いて、媚を売るために言っていただけで何もしない最低な男だったわ。嫌がらせに加わっていたことも知っているもの。この男も下半身だけの節操なしよ!私だけじゃない、平民の生徒なんて、空き教室に何度連れ込まれそうになったか・・・。あの子たちは魔力が強いから逃げていったらしいけど、私も何度も危ない目にあったわ。

ザックと仲良くしだしてから、収まったはずの虐めが再発したのは仕方がないわ。今更そのくらいの嫌がらせどうってことないもの。それに頑張っているのをきちんと見てくれている人もいるもの。図書館で男女一緒に勉強会もしていたのよ。でも、その子たちも幼馴染のように怪我をするのが怖くてこっそりしていたら勘違いされて・・・。

これでわかったでしょ!

私への嫌がらせなんて、ずーーーーっとなのよ。レイチェル様はあんたみたいな狡い事なんてしないわ」


フリージアの入学してからの嫌がらせなんて知らなかった。

思わず傍のブラッドリーを見上げた。


「令嬢たちのことには、男は介入しにくいんだ。リーリエが入学してきた時は少しは沈静化していたから、まさかチェスターがそんなことをしていたなんて思わなかったんだ」


小さな声で苦り切ったようにつぶやいたブラッドリー。

才女と言われるフリージアにしては頭が悪い行動ばかりだと思っていたけど。そうか、チェスターに合わせていたから?それなら納得はできないけど、渋々だが何となく理解できた。


「俺の様な男と付き合えるなんて喜ぶことだろう!」


「馬ぁ~~~~~鹿ぁ~~~~~。誰がっ!あんたみたいな碌に勉強も教養もない男好きになれるっていうのよ。

あんたなんて、身分と金がなければ農家で働く平民のほうが価値があるってものよ。

言いたいことはたくさんあるけど、あんたなんて大っっっ嫌い!!!!!」


フリージアはかわいい顔を醜悪に歪ませて汚物を見る様な目で一蹴した。

その顔も言葉も令嬢としてどうなのかと思ったけど、それがフリージアの本音だったのだろう。


今まで殿下の守りがあっても、これ以上酷いことをされたくない、表面上はチェスターに従うように見せて、心では唾棄するような暴言を吐いていたようだ。


「・・・なんで、なんでだよ!俺がっ!」


「大人しくしろ!取り調べをするために城に連行する」


フリージアからの完全なる拒絶に、項垂れるかと思いきや、反対に目をギラつかせて飛びかかろうとした。

しかし、チェスターが行動を起こす前に城の騎士服を着た数名がサロンになだれ込み、チェスターを拘束した。


「チェスターは法に触れることをしてるんだ。それで公爵との縁を急いで切った。王弟殿下である公爵様の後継候補にそんなことがあれば王家にまで影響が出るからな。」


突然の騎士たちの出現に驚いているわたくしの腰に手をまわして引き寄せて耳元で囁いて教えてくれた。

ちょっと、人前でいきなりそんな抱き寄せられたら驚くじゃない。

思わず顔が熱くなるけど、ブラッドリーが教えてくれた中に不穏な一言があった。

騎士が動くほどの法に触れることをしている?


いきなり現れた騎士たちにサロンは騒然としているが、その中で暴れるチェスターを粛々と拘束して、騎士の中の一人が殿下に何かを告げた後、入ってきた時と同じように速やかにサロンから引き揚げていった。

何があったかわからず、固まるサロンの面々


「折角の茶会だというのにすまなかったな。」


「いいえ、我が一族のものが騒がして申し訳ございませんでした。」


騎士が去ったあと、殿下がレイチェル様にやっと声をかけてくださいますが、レイチェル様の声はいつもと同じ淡々としたものでした。


「皆様、今回はこのような状態ですのでまた、後日改めてお誘いをさせていただきます。」


そう言って綺麗なお辞儀をする。その姿の美しいこと。

新しい茶器もたくさんのお菓子も、無駄になってしまいましたがその日はこれで解散となりました。


殿下とフリージアは何か話をされているようでしたが、それを見ないようになのか、連れてきたメイドたちに指示を出して片付けの指示を出しているレイチェル様。その後ろ姿に何と声を掛けたらいいのか迷ってしまった。


理不尽に責められていたレイチェル様には何も言わないのに、溜まっていたことをすべて吐き出してスッキリしたような顔をしているフリージアには気遣う様子があるアイザック殿下。


何を考えているのかわかない。


思わず隣のブラッドリーの手をぎゅっと握りしめると、同じように返される温もり。

顔を見上げると、目尻を下げて微笑む恋人の顔があった。

この温もりがずっと離れてほしくない。


殿下とレイチェル様が、手を取り合うことは最近あったのだろうか・・・







その1か月後、事件が起きた。


それまでとは違って、大きな、本当に大きな事件が起きた。




あの後、チェスターの罪を教えてもらったのだが、出入りをしていた娼婦を嬲り殺していたのだ。それを公爵家という名を使い、娼館の女将に口止めをしていた。それも、一件でなくいくつも・・・

まだ取り調べが行われていたが、公爵家からは、除籍をしていてさらに生家の男爵家からも籍を抜かれた状態の為、平民として厳しい拷問も伴う取り調べが行われていた。


一時期、そのことで学園は騒然としていたが今は随分と落ち着いてきた。





そんななんて事のない日だった。


わたくしは、ブラッドリーと生徒会室に向かって、特別棟の階段を上がっていった。

特別棟は、学園長室や理事長室など貴賓室といった特別な用途の部屋しかない為、用のない一般の生徒は見かけることはない校舎なのです。

その人気のない階段を上がっていた時、踊場にもう数段というところでした


「キャァァァァァ」


布を切り裂くような悲鳴が響き、ドンッと何かが床にぶつかる音。


悲鳴に驚き、ブラッドリーと顔を見合わせた一瞬後、駆け出してみたのは、踊場に倒れこむレイチェル様。

そして、見上げた階段の中ほどで片手を伸ばして驚愕した顔で固まっている殿下と、階段の上で座り込むフリージアの姿があった。


「レイチェル様!!!」


何があったか、憶測の域を出ないが瞬時に思いついたのは、殿下がレイチェル様を落とした?

しかしそんなことよりも、倒れたレイチェル様に駆け寄る。


「まて、むやみに動かすな。急いで誰か読んでこよう。殿下っ!!!ぼさっとしていないで!」


わたくしがレイチェル様に触れる前にブラッドリーから待てが入った。それに合わせてギリギリで触れずにすんだが、倒れたレイチェル様の傍に座り込みレイチェル様の名前を呼び続けた。倒れたレイチェル様の頭からジワリと血が流れ滲んで出た。

ブラッドリーが余裕のない声で殿下を呼び、急いで人を呼びに行ってしまった。

殿下は、ブラッドリーに呼ばれたことではっとしたようにレイチェル様のところに急いで降りてきたが、わたくしは今いるこの場を譲るつもりはない。

殿下にこそ不審を持って、信頼してレイチェル様の傍を任せられない。


「うっ、ん・・・」


呻いたレイチェル様。


「レイっ!」


殿下が悲痛な声をかけるが、レイチェル様の意識はないようだった。


「違うっ、私じゃない・・・私、そんなの・・・」


階段の上ではフリージアの声が響く。

階段には、わたくしと殿下のレイチェル様を呼ぶ声とフリージアのすすり泣く声が響いた。








その後、ブラッドリーの連れてきた校医によって治療魔法をかけてもらい、大きな怪我を負っていないことが分かった。打撲に加えて頭を少し切って、血が見た目よりも多く出たというのだ。

意識はないまま、運ばれたレイチェル様。

真相は教えてもらえなかった。

真っ白い顔をしている殿下に誰も声を掛けられなかったのだ。その殿下の隣にはもうフリージアはいなかった。

どうか殿下とレイチェル様が良い仲に戻れるように願った。これで、最近のレイチェル様への流れが変わってほしかった。


しかしこの事件は悪いほうへ流れていった。

後日、このことが生徒たちの中に広まっていた。


誰もいない、特別棟のことであったのに・・・


しかもレイチェル様が落ちたにも関わらず、フリージアを落とそうとして反対にレイチェル様が落下したとなっていた。


これを聞いたとき、本当に誰かが故意にレイチェル様を陥れようとしていると感じた。

そして、このことは王家でも問題となり。


殿下は急遽、隣国フォルトゥーナに留学となり、フリージアは学園を退学した。

フリージアの両親は3学年になってすぐぐらいに亡くなっていたらしい。跡を継いだ叔父夫婦は、少ない財の子爵家の財産を使い尽くして、学費が払えなくなったというのが理由となっているがそうでないと多くの生徒が知っていた。フリージアは学園を去ったあと、修道院に入った。王家からの通達で3年は出れないと聞いた。

そして、レイチェル様は・・・


少し傷が残ったが10日休んだ後に復帰していた。

その時、いつものように顔を上げ堂々としていた。

レイチェル様を陥れようとする噂はいつまでもあった。

支えてくれるべき殿下は、もう学園に居なかった。

それでも毅然とした美しい姿のレイチェル様。



ブラッドリーから聞いた話では、レイチェル様の王太子妃は何かあっての決定なのだという。

それは公爵と王様の取り決めのようだが、それだけでないのはブラッドリーと結婚した後に知った。




1年後留学から戻った殿下とレイチェル様の距離は、結婚式になっても終ぞ戻ることはなかった。











「お久しぶりね。まさか貴女とまたこんな形で会うなんてね。運命の悪戯っていうのかしら?」



あの階段で見た泣き顔が最後に見た姿となった。

あれから、流れた年月に何があったのか・・・


彼女の生家の子爵家は叔父夫婦の失策と金遣いの荒さですぐに没落し、爵位返上している。


修道院は3年たてば出てもいいとなっていたというが、おそらく出たのだろう。


それから?


弱り切った彼女から聞く必要がある話が多いようだ。




我がレーヌ侯爵の天使のシルヴィアが助けた女性だ。


このまま放逐することはできない。


『お母様ありがとうございます。だ~い好き』

頬に寄せられた柔らかい愛娘の感謝の口づけに報わなければ・・・


どこまでも娘に甘い思考に思わず笑みがこぼれる。



「わたくしの天使が、貴女を助けたのよ。

貴女が何故、あのような場所にいたのか教えてくださるかしら?」



驚きに痩せて落ちくぼんだ目を見開く彼女は、助けたのがわたくしの娘だと気づいたのだろうか。

頭の良かった彼女だから、きっと気が付いたわね。



さあ、洗いざらい教えてもらいましょうか。






読んでくださいありがとうございます。

頑張って書いていきます。

感想や評価、ブクマ、ありがとうございます。

誤字脱字もいつも感謝です。

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