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魔女の独り言

魔女とボブの会話です。

短いです。

開く時はとても存在感のある音を出す癖に、閉まるときは静かに閉まる不思議な扉はいつものように音もなくしまった。


扉が閉まって、しばらくはそこにとどまっていた客人たちもアドバイス通り左側の角へ向かって行った。

その気配を確認してから、魔女は扉から離れた。


振り向いた室内は、さっきまで多くの妖精が飛んでいたのに今では2、3体いるだけ。


ヤレヤレ・・・

あまりにもあからさますぎる妖精の性質に苦笑いが漏れる。


「まさか、あれが出てくるなんてねぇ・・・」


円卓の椅子に座って先程のことを思い出す。

あの魔石1つで国家の予算以上のお金が動く。

それこそ天文学的な金額になるだろうな。

国宝級の魔石を1つ金貨1枚でいいなんて・・・

まあ、元の持ち主がそれでいいというのなら雇われの身としてはどうでもいいけどね。





どれだけの人が知っているかしら?

魔女の魔道具屋の魔女は雇われ店主だって








魔道具屋の魔女と呼ばれて一体どれくらいになるだろうか。

前任者からこの店を引き継いだ時はこんなに長く続けるとは思わなかった。


「よう!どうじゃった、うちのお嬢ちゃんは。」


こっちが思考に耽ようとしているというのに、このタイミングで現れるかねぇこの爺さんは!


「あんたの子じゃないでしょうが」


そう言って顔を上げた先にいたのはしゃがれた声の持ち主、ボブ。

ニカニカ笑いながら目の前にいつの間にか座っている。


本当に、こいつは妖怪かっ!


じろっとにらむが相変わらず飄々としている。


「まあ、似たようなもんじゃろぉが。

それよりわしのゆうた通りに言ったんか?」


妖精のいとし子のお嬢様と話していた時妖精が耳元に飛んできてはボブの伝言を伝えてきた。

まどろっこしい事この上ない。

自分で伝えればいいのに、わしゃぁ登場人物じゃけえのぉとか訳わかんないことを言う。

全く、何なんだか。


「言ったわよ。

そこの角を曲がっていったわ」


「ほうか、ほうか、よかったのぉ。

・・・・・・しっかし、あんたは今日はまた気合が入った恰好じゃのう」


「あんたの方言ほどじゃないわよ」


「ハッハッハッ!そうだな、俺もそう思うよ。仕方ないだろ、そういう設定なんだから。」


しゃがれた声の変な話し方がデフォルトの爺さんは、いきなり普通のしゃべり方になったそれはそれで違和感半端ない。


「その設定って何よ、まったく。ねえ、あのお嬢ちゃんに出た魔道具がまさかのお姫様の魔石だし。何なのよ」


「設定は設定だ。王女様は自分のかわいい曾孫の助けを用意していたんだな。時代を超えた家族愛、いいじゃん。」


家族愛でおさめたいなら、レーヌ家で家宝でもしときゃいいでしょうに、全く。

まあ、仕方がないか、この店の元の雇主がその王女様だもんね。



もう何十年も前、随分と年を取っているはずの王女様は、いきなり魔女の住処を訪ねてきてお店をやってみない?と軽~いノリで言われた。とても、元王女様の侯爵夫人とは思えない気安い態度に驚いたもの。

それを懐かしく思う。まるで少女のように悪戯っ子の様でかわいらしい印象が強い。

その人も、瞳の色が次々変わって、澄ました表情でいても思っていることがありありとわかる人だった。

シルヴィアちゃんもよく似ていた。

最初は酷く警戒していたくせに、興味津々に室内を見たり、強制力防止といって伝えた時の喜んだその時はキラキラしていてかわいらしかったわぁ。


「あんなにかわいい子を悪役令嬢にするわけにはいかないからな。これは姫さんとの約束なんだよ。お前も聞いてただろ?」


「アクヤクレイジョウの断罪ってやつよね。いまいちよくわかんないけど、いい子そうなのに本当に人に危害を加える様な事をするの?」


「・・・強制力ってやつがあればな。なければいいんだけど・・・ちゃんと俺が責任もって見守らないといけないだろ?ここはゲームや物語じゃないんだから現実だ。今のお嬢ちゃんはそうはならないけどそれでもそうなるように持ってこようとするかもしれない。できたらそれは避けたい。何が起こるか俺にもわからないからな・・・」


「ふ~ん、まあ、私としてもまた会いたいから協力するわよ。」


しわくちゃな顔をしているけどその顔は真剣で出会った頃を思い出す。


「そうしてくれ。

っで、お前その恰好何とかならんか?顔も特殊メイクしすぎだろ?」


「余計なお世話よ」


ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向く。

魔女は総じて姿をかえている。私もいくつかの顔がある。

本当の顔を知るものは少ない。魔女仲間で本当の顔を知るのはもう数人となってる。なのに魔女仲間でないこいつは私の素顔を知っている。


「それに特殊メイクじゃない!魔法よ。もう、用がないなら帰ってよ。商売の邪魔よ」


「ハッハッハッハッ!そうか、そうか、ほいじゃあまた来るけえのう。」


向こうを向いてシッシッと手を振れば何時ものしわがれた声がして気配が消えた。

振り向いたときにはそこにはもう誰もいなかった。


本当に、あの爺さんとの付き合いは長いけど・・・




何者なのよ





そろそろこの顔も飽きてきたな・・・




髪を搔き上げたその顔は、頬はほっそりとして鼻筋も通った薄い唇の、先ほどまでの皺が寄った目じり垂れた頬の中年女性ではなかった。



今度はどんなのがいいかしら・・・



ほくそ笑む目じりに皺が寄ることはなかった。


2人(3人)の詳しい関係はそのうちに・・・


誤字脱字報告ありがとうございます。

我ながらすごい間違いだらけ・・・スイマセン

本当に感謝感謝です


続きは明日更新するぞ!

頑張ります!


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