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前世を思い出した瞬間は、シリアスモードに
短いです
「え。 本当に大丈夫か?」
驚いている兄をみても、自分の表情が動かないのを感じた。
「はい。大丈夫です。 ベッドルームで休みます。
すみませんが、連れて行ってもらうことはできますか?」
「うん。ほんとうに、どうした?」
兄を見ても、シリアスモードは、変わらない。
もとの心境には、戻れない。
「お兄様、いろいろ迷惑をかけてごめんなさい。
それと、ありがとう」
部屋まで来ると兄は私のおデコに手をあてた。
「やっぱり、熱がある。 いいから、寝ておけ」
「はい」
私は、服を脱いで下着姿になり
さっき着ていたパジャマを着ると
もそもそとベッドに入った。
目を閉じるとあの光景が蘇る気がする。
違う違う。
あれは過ぎたこと。
今じゃない。
私じゃない。
もうあそこには戻らない。
大丈夫。
もう大丈夫。
二度とあんなことはしない。
失敗をしない。
そして
あの夢じゃなくて、この家族の夢を見よう。
さっきおデコに置かれた兄の手の感触を思い出しながら
目を閉じた。




