ディナーは、召喚されてこない
ディナーが、目の前にある。沢山ある。だけど
「ま、まずいよ。」
って思ったけど、それを言わない程度の常識というか、人に気を使えるメイである。
やっぱ、ご飯不味いのって異世界転生のテンプレだよねー。
お肉は、モソモソでかたいし、野菜もバリバリ
茹でてあるのは食べれるけど、塩味しかしないし
「西洋っぽいんだから、せめて、グレイビーソースとか、ないかなー」
「なんだ?グレイビーソース?」
「うん。お肉を焼いた時に出てくる汁に、塩コショウ、ワインとか他になに入れるのか知らないけど、とにかく、入れてソースにするんだよ。」
グレイビーじゃなくても、いいよ。ケチャップとか、マヨネーズとか、コンソメとか、できないのかなー。
こーゆーの素材からつくるのも、転生者のテンプレだよねー。
でもわたし、自分で作ったことないしー、めんどくさい。
よーしっ!
「インスタントラーメン召喚! えいっ!」
スープボウルに向かって、手を広げて、気合をかけてみる。
「なにやってるんだ?おまえ」
「インスタントラーメンが召喚されてこないかなーって、思って。 レトルトカレーでもいいし、なんでもいい」
母が笑う。
あ、お母様、笑うとえくぼできるんだね。可愛い。
兄は、なんか、こめかみに指当てて、呆れた顔してる。
「お前、今日、特にひどいぞ。」
「インスタントラーメンって見たことある?」
「いや。 ないけどな。 なんだよそれ。」
「召喚されてこないね。」
「召喚? 黒魔術か?」
「うーん。 あっ! ねえねえ、魔法ってあるの?」
「魔法って、呪文を唱えると何かが出てくるとか?」
「うんうん。」
「魔術師とか、胡散臭い占い師とかならいるが、僕は、彼らには何の力もないと思ってるよ。」
「風魔法とか、炎魔法とか、土魔法とか、竜に乗ったりしたりとか、ないの?」
「その、どれもない」
「ないのかー」
「お前、もう黙れ。 黙って食べろ」
「はーぁい」
異世界っぽいのに残念だ。
魔法がないなら、もしかして転生じゃなくて、
タイムトラベルとか。
でも姿が変わってるし、やっぱり転生。
うーん。




