表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボケッとしてる  作者: ミーリア
19/25

ジェイの夢

暖かなベッド。 柔らかな枕。 母さんみたいに優しい人がそばにずっといる。 母さん、ここにいたんだね。ねえ母さん、僕、お腹がすいたよ。




物音がしたのでゆっくり瞼を上げてみたら、茶色の長い髪が目に入った。


お母さんじゃない。


茶色い髪の天使かな・


きっとそうだ。


天使は、金髪が多いと思ったけれど、


あれは、大聖堂の絵がそれだっていうだけで、


誰も天使を見たことはないはずだ。


だって、聖教会の司祭は、天使の訪れは、3百年も前に止んだって、言ってたもの。


大聖堂が作られたのは、100年前だから、きっとあの絵を描いた人は、天使を見たわけじゃない。


でもこの人は、天使じゃないかな。 だって、この人は、寝ているみたいだけど、知らない人なのに、暖かい感じが伝わってくる。




そんなことをうつらうつらと考えていると、天使が、頭をむっくり上げて、僕の方を向いて、目を丸くした。




「ジェイくん! 目が覚めたの? 痛いところは? ああ、お腹がすいているわよね。

いえ、お水? ああ、スーザン、スーザン!!!」




天使の声が大きいのって、ちょっと意外かな。




天使は、その手で僕の前髪を優しくよけた。




「ごめんなさい。びっくりさせたわね。 ジェイくん。 わたしは、メイよっ! 


あなたのお友達のえーっと名前を忘れたけど、あーとにかくお友達からあなたを引き受けたのよ。だから安心してね。 あなたの怪我や病気が良くなるまで、良い子で、看病されていなさい!」




「メイ様、ここはどこですか? 」




「 ここはサザーランド家の屋敷の中よ。あなたの友達のメイのお家よ。」




「サザーランド家って、丘の上の方にあった大きな大きな白いレンガのお屋敷?」




「そうね。白いレンガの家の中よ。」




「僕は、どうしてここにいるのですか。 僕、咳が出て、たくさん働くことができなくて」




「お金はいらないわ。 あなたは、わたしの友達の友達で、わたしの友達なの」




「よくわからないのですが、僕は、ここに居ていいのですか?」




「もちろんよ。怪我と病気が治るまで居ていいのよ。お金はいらないわ。もう一度言うわ。お金はいらないわ」




「わかりました。お金がいらないなら、病気が治ったら、この家に仕えればいいのですか?」




「それも必要ないわ。わたしは、あなたの友達の友達だからあなたを助けたのよ。それに、このことは、聖者様も許可してるの」




「聖者様?」




「そう。聖者様が、言ったの。あなたが、わたしと家族と国に祝福をもたらすって」




「祝福? 僕が?」




「そう」




「僕は、ただの孤児だ。 そんなことありえないよ。病気で、怪我もしていて、何もできない。僕がいたために、母さんは、無理して死んだんだ。 僕は、ただ、迷惑なだけだ。 工場長が何百回も言ってたように、僕はクズ以下だ」




「クズ以下じゃないわ。 あなたは、素晴らしい男の子よ。 お母様が自分の命よりも大切にしてきた宝物よ! あなたがクズ以下なら、わたしはクズについているほこり以下だわ。 でもわたしは、ホコリじゃない。 あなたもクズじゃない。だって、わたしは、いつか、宝物になるのよ。 誰かにとっての宝物。


んん。なんか、やる気も出てきた! あなたが頑張るなら、わたしも頑張ってみる 」




「何を頑張るの?」




「えーと、生きるのを頑張るのよ! 迷惑をかけても、生き続けるの。創造主が許したのよ。あなたが生きることを。 わたしが生きることも。


いつか、誰かの宝物になる日がきて、わたしもあなたも生きててよかった!ありがとう!って思うこともできるのよ」




「メイ様?」




「なあに?」




「メイ様って、もしかして、公爵家のお嬢様なの?」




「そうよ」




「僕は、本当にここに、しばらく居ていいのですか?」




「もちろんよ。」




茶色い髪の天使は、聞きもしないのに、お金はいらないと何度も繰り返し、友達の友達だから友達と言いつつ、その友達の名前(多分ロイのことだろう)も覚えていなくて、ちょっと話があっちこっち飛んでて、よくわからないけど、とにかく僕を励ましてくれて、心をあたためてくれて、本人も僕がいることを喜んでくれているようだった。


母さん、まだ僕は、母さんのところに行かないで、ここに居ていいのかな。


父さんも母さんもいた小さい頃のように、安心して過ごしていいのかな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ