9話 ワガママな覚悟
くさいセリフ満載ですが楽しんでもらえると嬉しいです。
PV数が日々増えております。
読んでくださっている読者様ありがとうございます。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
「マスター。災難デシタネ」
「そうだな。そういえば、フォンは何も無かったのか?」
『謎の店』を出た俺たちは道の真ん中で喋っていた。
【気配隠蔽】のスキルLVは4。
現時点で俺を見つけるには【気配察知LV9】以上が必要だ。
誰も持っていないだろう。
「特ニ何モ無カッタデス。スキルモ使えマシタ。アノ会話モ録画シテアリマス」
「そうか、ありがとう」
線引きが難しいな。
違反行為をすると【絶対麻痺】という状態になるようだ。
「今日ハ家二戻ッテモウ休ミマショウ。マスターノ先生ニモ、説明シナケレバナラナイコトガアリマスシ」
フォンの言う通り早く戻ろう。
「そうだな。もどろう……」
俺は元気なく答えた。
「マスター?」
きゃー! こ……で……
たすけ……
一宮?
金を寄越せ!
6人だったのが半分の3人になって……
グッ
(くそっ)
拳を力強く握り、心の中でそう思ってしまった。
「ごめんフォン。キーパーに遅くなるって連絡しておいてくれ。先生にも先に寝てるように言っておいて」
「……カシコマリマシタ」
このまま帰らないことが不思議なのかもしれない。
でも……
「ステータスオープン」
名前:一宮蓮
年齢:17
レベル:7
体力:82/82
魔力:66/66
攻撃力:57
防御力:52
器用さ:63
敏捷性:63
魔攻力:57
魔防力:57
職業:使役者LV8
第2職業:
スキル:【眷属化LV8】【眷属伝心】【眷属召喚LV8】【眷属倉庫LV8】【眷属強化LV8】【短剣術LV1】【盾術LV1】【肉体強化LV1】【魔力増量LV1】【魔力回復量増加LV1】【体力増量LV1】【全状態異常耐性LV5】【精神強化LV4】【異空間倉庫LV1】【気配隠蔽LV4】【気配察知LV1】【スタミナ回復速度上昇LV1】【魔力回復速度上昇LV1】
ユニークスキル:【全取得数値倍化】【転移】【神眼】
CP5
SP2
第2職業の部分をタッチする。
《冒険者・魔法使い・内職者・働き者》
俺は素早く、職業を【神眼】で見て何のスキルが取れるか確認する。
やはり、取るのは【冒険者】か。
ん? ふっ。
俺はニヤリと微笑んだ。
取るのはこっちだ。
《第2職業に【働き者】を選択しました。職業スキル【動作経験値化】【超回復】【長距離移動】【血行促進】【効率化】を獲得しました》
【動作経験値化】
動くことで経験値を獲得する。
LV上昇で獲得経験値アップ。
【超回復】
動かないでいると体力、魔力、スタミナの回復速度が上がる。
また少しの睡眠でも全回復する。
LV上昇で効果アップ、時間短縮。
【長距離移動】
大幅にスタミナがアップする。
長距離長時間動いても疲れにくくする。
LV上昇でスタミナと効果アップ。
【血行促進】
肩凝り、腰痛、筋肉痛、膝の痛みなど働くことに支障を来たす体の不調をなくす。
【効率化】
同じことを繰り返してやっていると動作が速くなり、職業経験値やスキル熟練数が多くもらえる。
LV上昇で数値アップ。
CPを使い【働き者】のレベルを2にする。
さらに、SPを使い【スタミナ強化】と【体術】を獲得する。
これで準備は整った。
「なぁ、フォン」
「何デスカマスター?」
「俺は自分が楽しければいいと思ってた。1人でいることが長かったから、数日だけどみんなで騒いでいる日常が楽しかった。これからはずっとこうだって……」
「…………」
フォンは何も言わずに聞いてくれる。
「でも……今は何も楽しくない。見たくない物をたくさん見た。【神眼】が、全部はっきりと見させてくるんだ。まるで『現状を見ろ』とでも言っているように……先生もさっきの奴らも、みんな生きることで精一杯になってた。……俺の望みは『これ』じゃない。『こんなこと』じゃない……」
だから、決めることにした。
《スキル【精神強化】のレベルが上がりました》
「俺のワガママに、付き合ってくれ」
「ワタシハ、マスターノ『眷属』デス。マスタート共ニアリマス。他ノ者モ同ジデス。アナタノヤルコトニ、全力デオ付キ合イシマス」
「ありがとう」
夕焼けで赤く染まった空の下、俺は町を全速力で駆け抜けた。
◇
「マスター。ドコニ向カッテイルノデスカ?」
凄い勢いで建物の上を走っている俺が、どこに向かっているのかわからないのだろう。
「ショッピングモールだ。あそこを【眷属化】して、この周辺の拠点にする。それに、あそこならATMも含めてたくさんの店がある。人もそれなりに入るし、拠点としてはかなり優良物件だ」
「ナルホド。トイウカ、マダ300万アキラメテナカッタノデスネ」
「俺は欲しがりなんだ。言っただろう? ワガママに付き合ってくれって」
「確カニソウデスガ、ソンナ話デシタカ?」
「良いんだよ。俺がそう決めたんだから……ん?」
【気配察知】に複数の反応がある。
50くらいだ。
《スキル【気配察知】【気配隠蔽】のレベルが上がりました》
「ドウカシマシタカ?」
「あのスーパー、多くの気配がある。少し覗くか」
【神眼】を発動して、望遠視と透視をする。
「やっぱり全部魔物だ。討伐しに行くぞ」
「カシコマリマシタ」
数秒でスーパーの出入り口に着いた。
「来い! 眷属たち」
「フルフルフル」
「きゅっ!」
「きー!」
「ウォン!」
全員ヤル気は満タンのようだ。
「モモ、【強化魔法】を」
「きゅっ!(それ!)」
「【眷属強化】! オール!」
【眷属強化】
眷属に自分のステータスを上乗せできる。
レベルの数が強化できる眷属の数である。
種族が特殊な物には使えない。
「加減はいらない。蹂躙開始だ」
「フルフルフル」
「きゅっ!」
「きー!」
「ウォォォン!」
俺たちはスーパーにいた50匹の魔物を、それほど時間をかけずに全滅させた。
《レベルが上がりました×4。職業【使役者】のレベルが上がりました×2。職業【使役者】に関するスキルのレベルが上がりました。職業【使役者】のレベルが上限になりました。上位職業に進化できます。職業【働き者】のレベルが上がりました×3》
【使役者】の上位職業ってなんだ?
《纏い者・眷属支援者・融合者》
【纏い者】
自身の眷属を必要な武器や防具に変え、自身のステータスをあげて自分で戦う者。
眷属のスキルはアイテムに付く。
純粋な戦闘タイプ。
【眷属支援者】
自身の眷属をさらに強化でき、自身のスキルを眷属に与えることができる。
純粋な支援タイプ。
【融合者】
自身の眷属と融合しその眷属のスキルを使える。
融合すると眷属の意識はなくなり、すべて融合者の判断になる。
感覚共有のスキルがあり、使い方によっては偵察などの情報収集や、その時の戦闘に応じて臨機応変に対応できる。
万能タイプ。
「どれも捨て難いな。全部選ぶことができれば、どれだけ良いことか……。ん〜、【纏い者】にしよう」
どれにしようか悩んで、戦闘タイプの【纏い者】にした。
《職業【使役者】を【纏い者】に進化します。なお、【使役者】のスキルは【使役者スキル】として統一されます。【纏い者】の職業スキル【眷属装備】【纏い強化】【緊急解除】【倉庫内スキル使用可】を獲得しました》
【眷属装備】
【纏い者】の職業スキル。
自身の眷属を好きなアイテムにし装備できる。
ただし、一度決めた装備からの変更はできない。
種族によっては装備できない。
眷属に意識はある。
装備した眷属アイテムのスキルは装着者、眷属の両方が使える。
LV上昇で装備数アップ。
【纏い強化】
【纏い者】の職業スキル。
自身の眷属装備時に眷属のステータスの10%を得る。
LV上昇で数値アップ。
【緊急解除】
アイテム化した眷属が壊れた時、もしくは壊れそうな時【眷属倉庫】にしまう。
アイテム化された眷属が壊れても死なないようになる。
【倉庫内スキル使用可】
【使役者】の上位職業が習得するスキル。
眷属が【眷属倉庫】にいてもスキルが使える。
「これ人類全員が獲得するんだよな……負けるの?」
「マスター。ユニークスキルノコト、忘レテマセンカ? 皆サンマスターノステータスノ半分以下デス」
「あぁ、そうか。レベルもこんなに早く上がらないだろうしな。それにしても、スーパーも酷くやられたな。ATMは……」
俺はATMが置いてある所に行った。
「コレモダメデスネ」
ATMはボロボロにされていた。
「はぁ〜。レジも棚の商品も在庫の商品も、全部ダメとかハードモードかよ。まぁ『謎の店』があるから……よかっ……た」
あれ?
自分で言っていて何か違和感を覚えた。
『謎の店』ができた理由はなんだ?
魔石換金?……
他の建物も壊れていたが、銀行やスーパーのように酷くはなかった。
屋根の上を走れるくらいは丈夫だった。
「フォン。今すぐキーパーに繋いでくれ。先生に確認したいことがある」
俺の抱いた疑問が正しければ、これから行くショッピングモールは……『魔物の巣窟』だ……。
◇
名前:一宮蓮
年齢:17
レベル:7→11
体力:82/82→112
魔力:66/66→94
攻撃力:57→125
防御力:52→120
器用さ:63→131
敏捷性:63→129
魔攻力:57→129
魔防力:57→125
職業:纏い者LV1→4
第2職業:働き者LV5→8
職業スキル:【使役者スキルLV10】【動作経験値化LV5】【超回復LV5】【長距離移動LV5】【血行促進】【効率化LV5】【眷属装備LV4】【纏い強化LV4】【緊急解除】【倉庫内スキル使用可】
スキル:【短剣術LV1】【盾術LV1】【肉体強化LV3】【魔力増量LV1】【魔力回復量増加LV1】【体力増量LV1】【全状態異常耐性LV6】【精神強化LV6】【異空間倉庫LV1】【気配隠蔽LV6】【気配察知LV4】【スタミナ回復速度上昇LV3】【魔力回復速度上昇LV2】【体術LV3】【スタミナ強化LV3】【鎌術LV1new】【回避術LV1new】【体力回復速度上昇LV1new】【火魔法LV1new】【臭香制御LV1new】【聴力強化LV1new】【高速思考LV1new】【並列思考LV1new】
ユニークスキル:【全取得数値倍化】【転移】【神眼】
CP:2→10→1
SP:0→8→0
スキルのレベルが上がった時のアナウンスは書いてません。
【肉体強化】
攻撃力〜魔防力をアップする。
LV上昇すると10アップ。
【臭香制御】
自身の臭いが漂うのを抑える。
読んでくださりありがとうございます。
最近の作者の悩みは、主人公のレベルとスキルが増える毎にステータス数値がわからなくなるという事です。
後半で主人公が疑問を抱く場面がありますが、作者は頭良くないのでそんなに複雑な伏線ではありません。
わかった時は、「何だこんな事か……」くらいの伏線です。
予想付く人は多いんじゃないかな……。
明日も投稿しますよー。
そして、明日は新しい職業と新しいスキルがでます。




