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8話 出会いと違い

今回は戦闘シーンはありません。

職業【冒険者】と【魔法使い】の職業スキルがわかります!




「次からはやるなよ」

 先生は凄く迫力のある、怖そうな声でそう言ってきた。

「はい……でも、先生の『きゃぁっ』って言う声、可愛かったですよ。ははは……」


 キッ

 最初に助けた人は……怖い人でした。


 それにしても、先生は今パジャマ姿である。

 胸のボタンが取れてしまったのか、胸元は開いている。

 この騒ぎの最中に取れてしまったのか、暴力的な2つの果実に耐えきれなくて元々取れていたのか。

 非常に!……ひじょーに! 気になるところではある。

 そしてさらに! 何と下着を着けていないのである。

 まぁ、【神眼】に透視っていう能力があるから、見ようと思えばいつでも観れるけど、自重する。

 そして、ここまで必死になって逃げてきたのであろう、着ているパジャマも一部が破れて穴があいている。

 凄く煽情じゃなくて! 眼福……でもなく、目のやり場に困る格好である。


「マスター。イツマデモ眺メテナイデ【異空間倉庫】カラ毛布ヲ出シタラドウデスカ?」

 別に眺めていたわけではない。

 現状の解説をしていただけだ。

 失礼な奴である。

「汐田先生。とりあえず、この毛布どうぞ。それと懐中電灯も」

 そう言って毛布と懐中電灯を渡す。

「今毛布をどこから出した? それにさっきの機械音はどこから?」

 だんだん目が慣れてきたのかな?

 やっぱり気になるよなぁ。

「初メマシテ。マスターノ先生。ワタシハ『フォン』マスターノ『ケンゾク』ノ一体デス」

「俺の胸ポケットにあるスマートフォンです。詳しい説明は後にしましょう。とりあえず、先生はまだレベル0なので、俺の【眷属化】を受け入れてください」

「……色々と話してもらいたいことはあるが、お前はこの状況を説明できるのだな?」

「はい。全部ではありませんが」

「わかった。受け入れよう。それでお前は何しにここへ?」


「お金を下ろしに来たんです。300万円ほど」


「…………」

 ……そう言うと、先生は黙ってしまった。

 顔を見れば分かるが、何故か可哀そうな人を見る目をされた。

「先生。その目はやめてくださいよ」

「あぁ、いや、すまない。一宮、お前は現状を理解して発言しているんだよな?」

「もちろんですよ」


 再び黙り、先生の目はさらに慈愛のこもった目になる。


「その……なんだ……私がここに逃げてきたときには、火は出てなかったが、燃え尽きた後のようでな」


 やめろ!

 聞きたくない!

 先生もうやめてー!


「たぶんだが……もう金はないぞ」


 グサッ!


「ぁ〜〜〜」

「きゅっ⁉︎(ごしゅじん⁉︎)」

 漫画やアニメなら俺の口からは魂が出ていただろう。

 モモは俺が元に戻るまで【回復魔法】をかけ続けてくれていた。


 《スキル【精神強化】のレベルが上がりました》



 ◇



「すまなかった。つい反射的に……」

 あの後、とりあえず先生を連れて俺の家に【転移】した。

 助けるつもりはなかったのだが、あのまま置いていくのもおかしな話なので、俺の家に連れてきた。


 そして、現在時刻は午後3時。


 ここは建物の中ではないので目がはっきりと見える。

 それだけでなく、あの地獄のような場所から抜け出せたという安心感。

 先生は自分の姿を確認した後、それを見ていた俺に平手打ちをしたのだ。

 避けようと思えば避けられたが、銀行の時の罪悪感もあったため、素直に受け止めた。


「いえ、大丈夫です。それとここは安全ですので、しっかりと休んでください。お風呂も使えます」

「それは助かる。では、遠慮なく風呂を使わせてもらうぞ」

「はい。どうぞ」

 先生に風呂の場所を案内し、俺はリビングに戻った。


「キーパー」

 俺はテレビに向かって話しかける。

「おぉ孫。お前、女を連れ込むとはやるではないか」

 何を勘違いしているんだこのじぃさんは……。

「違う。学校の先生だよ。偶然見つけちゃったんだ。そのまま放置するのも後味が悪いから連れてきたんだよ。それよりも、ちょっと出かけてくるから先生が風呂から上がったら、この置き手紙を読むように言っておいて」

 先生が聞きたいであろうことを手紙に書いて机の上に置いておく。

「わかったぞ」

「それじゃあ、行ってくる」



 ◇



「マスター。ドコニ行クノデスカ?」

「謎の店。魔石をお金に替えたいし、先生の着替えとかも買っていきたいから。下着は買わないけど」

 俺は【転移】を使って『謎の店』の近くの裏路地にきた。

「この店の中ではスキルは使えないんだ。フォンも異変を感じたらすぐに言ってくれ」

「ワカリマシタ」

『謎の店』に入り魔石を現金に換金する。

 今回は3000円だった。

 換金率がよく分からない。

「フォン。今のところは異常はないか? 俺の方はもうスキルは使えないんだが……」

「トクニ異常ハアリマセン」

「そうか、じゃあ商品売り場に入るぞ」


「金を寄越せ! ……がっ……あっ」


 商品売り場に入った途端、パジャマ姿……ではなく、学校の制服を着た赤茶髮のチンピラが()()()()を上げて殴りかかってこようとした。


 歳は俺と同じくらいか? 学校は同じだな。

 でもこんな人は知らん。

 そしてそのチンピラは俺を殴る前に床に倒れた。

「てめぇ……何しやがった」

 自分でわかってるだろうに……盛り上げるためか?

「俺は何もしてないだろう? というか、わかって言ってるだろう?」

「うるせぇ。さっさと金を出せ!」

 俺はスルーしようと決め、横を通ろうとしたが

「リーダー! てめぇ、リーダーに何しやがった!」

 お仲間がいたのか、そいつも激昂し俺に殴りかかってきた……が……

「がっ……なにが……」

 リーダーと同じように床に倒れた。


 そして……


 《店内での違法行為を確認しました。安全措置を作動します》


 店の中にそんなアナウンスが流れた。

「ちょっと、今の放送はなに……よ……。何やってるの?」

 今度出てきたのはポニーテールの金髪ギャルだった。

 顔は結構整っている。

 普通にしてればモテそうなのに、何でこんな子がギャルをやっているのか……。

「ヤヨイさん! こいつが変なことしたんですよ!」

 そう言ったのはリーダーじゃない方のチンピラ。

 こいつ、さっきの放送聞いてなかったのか?

 というか付き合いきれん。

 早く買い物して帰ろう。

 俺はその場から離れて買い物カゴとカートを取りに行く。

「待って! さっきの放送は聞こえた。こいつらが手を出したんでしょう? 謝るから……お金を持っているなら、食べ物を買ってください」

 ヤヨイと呼ばれた女の子は深く頭を下げてそう言ってきた。

 床に這いつくばっている男子二人は俺を睨んでいる。

「誰も財布を持ってないのか?」

「私は携帯もお金も使えないから家に置いてきたんだ。後はここに来る途中に落としたり」

 停電してたら携帯もお金も使えないからな。

 この状況じゃあ落とすのも仕方ないか。

「はぁ〜。菓子パンでいい?」

 俺は分かりやすくため息をついてそう言う。

「ありがとう」

 礼を言ったのはヤヨイ1人だけだった。



「あ! こいつよく見たら、ウチの学校の生徒ですよテツさん! 確か、俺のクラスの〜あ〜影が薄いやつです」

 一宮蓮だ。一宮蓮。ちゃんと覚えろよ。

 菓子パンで少し腹が膨れたのか元気な下っ端1。

 俺たちは店の休憩所で多くのテーブルの中の一つを囲んで、何故か話をしている。

『昨日、学校が休みなら今日の午前中に駅に集合』という約束を仲間でしたそうだ。

「この代金はこのお店がなくなるまでに必ず返す。それと、もし1人ならウチらと行動してほしいんだけど……6人だったのが半分の3人になったんだ。お願い……」


 やめてくれ……。

 ()()()()で……お願いなんてしないでくれ。

 

「……悪いが今のところ、誰かと一緒に行動する気はない。他を当たってくれ。このお店にはたまに来るから、その時の情報交換くらいはしてもいい。……それじゃあ」

 俺はすぐに席を立ち、早歩きで店の出入り口に向かった。


 《このお店はあと71時間で消滅します》



 ◇


 名前:田口鉄(たぐちてつ)

 年齢:17

 レベル:3

 体力:28/28

 魔力:19/19

 攻撃力:26

 防御力:24

 器用さ:25

 敏捷性:23

 魔攻力:19

 魔防力:22

 職業:冒険者LV3

 スキル:【武防具長耐LV3】【覚醒LV3】【直感】【弱点特攻LV3】【根性】【肉体強化LV1】【体術LV2】

 CP:2

 SP:0


【武防具長耐(ちょうたい)

 冒険者の職業スキル。

 装備している武器、防具が壊れにくくなる。

 LV上昇で効果アップ。


【覚醒】

 冒険者の職業スキル。

 LV1でステータスを10秒間2.1倍する。

 使い終わるとしばらく動けなくなる。

 LV上昇で時間と倍率アップ、硬直時間短縮。


【弱点特攻】

 冒険者の職業スキル。

 魔物の弱点部位に攻撃するとLV1でダメージ1.1倍。

 LV上昇で倍率アップ。


【根性】

 体力満タンの時一撃で体力がなくなる攻撃を受けると怪我をせずに体力1だけを残す。


 下っ端1は名前を出していないため詳細の記載なし。

 職業は冒険者でステータスも同じかんじ。



 名前:春野弥生(はるのやよい)

 年齢:17

 レベル:3

 体力:25/25

 魔力:30/30

 攻撃力:19

 防御力:18

 器用さ:22

 敏捷性:24

 魔攻力:26

 魔防力:21

 職業:魔法使いLV3

 スキル:【魔法操作LV3】【魔攻覚醒LV3】【空飛ぶ箒】【属性特攻LV3】【魔法の証LV3】【肉体強化LV1】【火魔法LV2】

 CP:2

 SP:0


【魔法操作】

 魔法使いの職業スキル。

 魔法が敵に触れるまで好きなタイミングで動かせる。

 LV1で2秒間。LV上昇で時間アップ。


【魔攻覚醒】

 魔法使いの職業スキル。

 LV1で魔攻力を10秒間2.1倍する。

 使い終わるとしばらく魔法が使えなくなる。

 LV上昇で時間と倍率アップ、硬直時間短縮。


【空飛ぶ箒】

 魔法使いの職業スキル。

 箒で無くても良い。

 物体を宙に浮かせるて動かせる。

 ただし、重さと飛行時間で魔力を消費するので注意が必要。


【属性特攻】

 魔法使いの職業スキル。

 魔物の弱点属性で攻撃した時LV1でダメージ1.1倍。

 LV上昇で倍率アップ。


【魔法の証】

 魔法使いの職業スキル。

 魔法を使用する時の消費魔力を軽減する。

 魔法スキルの成長を速くする。

 LV1で割る1.1。

 LV上昇で倍率アップ。


【火魔法】

 SP消費で習得可能。

 LV1でファイアボール

 LV2でファイアウォール





読んでくださりありがとうございます。

明日も更新です。

明日はいよいよ……

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