6話 【全取得数値倍化】
魔物のステータスの数値高くない?
と感じる方もいるかもしれませんが、14日にその謎が解決しますので大丈夫です。
数値はあまり気にせずにお読みください。
「とりあえず、やっておくか……『キャラメル投げ』」
カマイタチは飛んできたキャラメルを見た。
ぱくっ
(よし! 口に入れた。どうだ……)
《失敗しました。カマイタチが元気になりました》
「くそー!」
「マスター。【きび団子】ノ成功率ハ、マダ10パーセントデス。仲間ニスルナラ、弱ラセテカラ与エタ方ガイイデス」
「でも、失敗したら回復するんだろう?」
「ハイ。言ッテミレバギャンブルナノデ」
「モモ!」
「きゅっ!」
モモに【強化魔法】をかけてもらう。
レベルは3になっていたから時間は60秒ある。
そしてステータスは2.6倍だ。
防御力は109。魔防力は107。
最初にレベルアップした時に聞こえたアナウンス。
『適合を開始します』
適合がなんなのかはわからないが、数値通りなら!
シュッ!
カマイタチが【飛斬】を使ってきた。
でも魔攻力は60、威力上昇が1.1倍なら66だ。
全然足りない。
俺は鍋のフタ前に構え、真正面から【飛斬】を受けてみた。
スパッ!
鍋のフタは真っ二つに切れてしまったが、俺の手に当たった瞬間消滅した。
《攻撃を防ぎました》
不思議な感覚だ。
手のひらには、たしかに飛ぶ斬撃が当たった感覚があったのに全然痛くなかった。
そしてカマイタチは【飛斬】が通用しないと分かると、尻尾の鎌で左腕を攻撃してきた。
俺はあえて攻撃を受ける。
切り落とされるのは嫌なので、切られる程度にしておく。
スパッ!
《ダメージを受けました。【全取得倍化】によりダメージを倍化します》
体力:68→66
ダメージは1。
今度は服は切られたが、腕から血は出なかった。
軽く叩かれたくらいの感覚だ。
「キッ!」
攻撃も通用しないと分かり、俺から距離を取ろうとするが……
ガシッ――ドン!――ガリ
俺は首根っこを掴み地面に叩きつけ、尻尾の鎌を足で踏んだ。
残り時間は40秒。
カマイタチの体力は40→20。
これは、かなり手加減したからだ。
「はぁ……はぁ……やっぱり、戦闘は慣れないな。数をこなすしかないか」
【疲労耐性】と【精神強化】効いてるよな?
「ソレト、マスターノ場合ハ『スタミナ』ヲツケルコトヲオススメシマス」
フォンがそんなことを言ってくる。
『スタミナ』はステータス外数値だ。
俺は日頃から運動をしていないのでスタミナは少ない。
「それはそのうちな。それよりも、ライム」
「フルフルフル(任せろ)」
俺がライムに指示を出すと、ライムはカマイタチの胴体を覆った。
「……キーキー!」
暴れて逃げようとするが、俺が抑えているので逃げられない。
「よく聞けよカマイタチ。服従か死か、どちらか選べ。俺もあまり、こういったことは好きじゃない」
なんか俺、すごく悪党だ……。
「……キィ」
しばらく黙っていたカマイタチだったが、観念したのか力を抜いた。
《カマイタチが仲間になりたそうにしています。仲間にしますか? YES/NO》
YESの方を押す。
《レベルが上がりました》
どうやら、レベルが上がったようだ。
あとで確認しよう。
「ライム、もういいよ。モモ、傷の手当てをしてやってくれ」
「フルフルフル(は〜い)」
「きゅっ(わかった)」
「これも食べろ。楽になる」
俺はカマイタチにキャラメルを渡してやる。
カマイタチがキャラメルを食べている間に、スキル【眷属化】を使う。
「う〜ん……よし! お前は『ミカン』だ。よろしくな。ミカン」
「キー!」
体力ももう戻ったようだ。
名前:ミカン
種族:魔物
レベル:7
体力:40/40
魔力:25/35
攻撃力:60
防御力:20
器用さ:40
敏捷性:55
魔攻力:60
魔防力:20
スキル:【気配察知LV2】【風魔法LV1】【飛斬LV1】【直感】
「マスター。一度家ニ戻リマショウ」
「そうだな。確認したいこともできたし。戻るか」
「キィ!」
その時、ミカンが警戒をした。
【気配察知】のスキルに反応があったようだ。
俺が蹴飛ばしたドアの方を見ている。
出てきたのは槍を持ったオークだった。
魔物:オーク
レベル:6
体力:50/50
魔力:20/20
攻撃力:40
防御力:36
器用さ:34
敏捷性:27
魔攻力:20
魔防力:28
スキル:【嗅覚強化LV2】【槍術LV1】【仲間呼びLV1】【自己奮身LV1】
【嗅覚強化】
自身の嗅覚を強化する。
【仲間呼び】
群れる魔物が持つスキル。
レベルアップで範囲が広がる。
【自己奮身】
魔力で自身の攻撃力を高める。
LV1で30秒間1.1倍。LV上昇で倍率アップ。秒数固定。
「ちっ! 悪いが速攻で決めさせてもらう。モモ」
「きゅっ!(それ!)」
「【眷属強化】ミカン!」
「キー!(【飛斬】!)」
スパッ!
ミカンの強化された【飛斬】はオークを真っ二つにし、後ろのフェンスまで切り裂いた。
俺は急いでオークの死体を【異空間倉庫】に入れ、【転移】でキーパーの守る家に帰った。
◇
「ん? 何だもう帰ったのか? 孫」
「うん。ちょっと予想外のことがあってね。あぁ、それと、これ、今日から新しく家族になったカマイタチの『ミカン』仲良くするように」
俺は足元にいたミカンをテレビに向かって紹介する。
「ホッホッホ。よろしくじゃミカン」
「キー(こちらこそ)」
「ソレヨリモマスター。確認シタイコトトハ何デスカ?」
ミカンの紹介が終わるとフォンから質問がきた。
「あぁ、それは、俺のユニークスキル【全取得数値倍化】についてだ。実はミカンから攻撃を食らった時、ダメージが倍になったんだ。それで、もしかしたら『デバフ』と呼ばれる悪い状態も、倍でもらうかもしれないんだが、どう思う?」
「マスターノスキルハ反則ナノデス。ソレハ、ハンデトシテ受ケ入レルシカナイデショウ。【耐性系】ノスキルガアレバ、レベルガ上ガル毎ニ『デバフ』ニハカカリ難クナリマス」
なるほど、【耐性系】のスキルのレベルが上がればプラマイゼロどころか、プラスになるな。
「孫は他の人よりも、スキルを多く選べるのじゃ。焦らずに基盤を作っていけばいい。そのために、わしら眷属がいるんじゃから」
「ありがとうキーパー」
俺はフォンとキーパーに励まされ、ステータス画面を開いた。
名前:一宮蓮
年齢:17
レベル:5→6
体力:76/76
魔力:60/60
攻撃力:53
防御力:50
器用さ:53
敏捷性:61
魔攻力:47
魔防力:49
職業:使役者LV8
スキル:【眷属化LV8】【眷属伝心】【眷属召喚LV8】【眷属倉庫LV8】【眷属強化LV8】【短剣術LV1】【盾術LV1】【肉体強化LV1】【魔力増量LV1】【魔力回復量増加LV1】【体力増量LV1】【疲労耐性LV1】【精神強化LV2】【異空間倉庫LV1】【気配隠蔽LV2】
ユニークスキル:【全取得数値倍化】【転移】【神眼】
CP:3
SP:18
スキル一覧を開いて状態異常耐性系スキルを習得する。
【毒耐性】【麻痺耐性】【混乱耐性】【スキル封印耐性】【気絶耐性】【溶腐耐性】【呪術耐性】【即死耐性】【魅了耐性】【恐怖耐性】【騒音耐性】【落下耐性】【病気耐性】【ステータス低下耐性】【石化耐性】
この15個を習得した。
《特定の条件を達成しました。【全状態異常耐性】に統一します》
残りSPは3。
そして俺はこのスキルを取った。
【気配察知】【スタミナ回復速度上昇】【魔力回復速度上昇】
【直感】を取りたかったがスキル一覧になかった。
もしかしたら、【直感】は職業スキルにあるのかもしれない。
職業スキルはSPで習得ができない。
そして、SPでレベルを上げることも、自動で上がることもない。
職業LVでのみ上昇する。
スキル:【眷属化LV8】【眷属伝心】【眷属召喚LV8】【眷属倉庫LV8】【眷属強化LV8】【短剣術LV1】【盾術LV1】【肉体強化LV1】【魔力増量LV1】【魔力回復量増加LV1】【体力増量LV1】【全状態異常耐性LV5】【精神強化LV2】【異空間倉庫LV1】【気配隠蔽LV2】【気配察知LV1】【スタミナ回復速度上昇LV1】【魔力回復速度上昇LV1】
【全取得数値倍化】
ステータス外数値、低下数値も含め、自身が取得する数値は全て倍になる。
切りがいいので今回はここで終わりにします。
読んでくださりありがとうございます。
次回の話で【全取得数値倍化】のわかりやすい例を乗せてあります。
そこの部分は読まなくても問題ありません。
興味の持った方はお読みください。
明日も投稿します。




