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3話 『謎の店』が出現したようです

矛盾点の指摘をいただきましたので修正しました。


 


「ふぁ〜」

 俺は朝起きて、最寄りのバス停でバスを待っていた。

 俺の家から学校までは、バス→電車→徒歩で1時間と数十分かけていく。

 バス停も数時間に一本しかないため、朝は必然的に早くなる。


 テレビではダンジョンのことを放送している局が多い。

 携帯のネットやニュースでも大体ダンジョンのことだ。

 昨日、一部のダンジョンに自衛隊が突入したらしいが、結果は放送していない。

 大小様々なダンジョンができたが、俺の庭にできたダンジョンが一番小さいような気がした。


 プシュー

 バスが来たので考え事をやめて席に座り仮眠をとることにした。

 ちなみに、ライムとモモは【眷属倉庫】にいる。

 倉庫にしまう時は目の前から消えたのでびっくりした。

 逆に出す時もそこら辺にいきなり現れる。


 それと【神眼】を手に入れてからわかったことだが、どうやら【眷属化】のスキルは――


『自分以外のモノを眷属にする。ただし、意思のあるモノには合意が必要』


 ――ということがわかった。

 そして、レベルの数値だけ『眷属化』できるみたいだ。

 しかし、これも『取得数値』に入るので、俺の場合は今は10の数、眷属にできるようだ。


 実は昨日、おもしろ半分である食べ物に【眷属化】のスキルを使った。

 そう『キャラメル』である。

 名前はそのまま『ラメ』にした。



 名前:ラメ

 種族:お菓子

 レベル:ー

 体力:ー

 魔力:5/5

 攻撃力:0

 防御力:1

 器用さ:0

 敏捷性:0

 魔攻力:0

 魔防力:1

 スキル:【体力回復LV1】【魔力回復LV1】【精神回復LV1】

 ユニークスキル:【魔力増殖】【きび団子LV1】


【魔力増殖】

 魔力を1消費して数を増やす。


【きび団子】

 一定の確率で魔物を仲間にする。



 ツッコミ所満載の眷属になった。

 そして何気に能力が凄い。


「次は『○○駅、○○駅』席を立つのは、バスが完全に停止してからお願いします」

 車掌さんがアナウンスをした。

 俺以外にも何人か乗っているが、全員ここで降りる。


 電車を待っていると女子の高校生たちがダンジョンのことについて話していた。

「ねぇ、これどう思う?」

「今話題になってるダンジョンでしょ。昨日もチャットで話してなかった?」

「だって気になるじゃない! ○○○にできたダンジョンに自衛隊の人たちが入っていったんでしょ? 何があったのかなって」

「そういえば、放送されてないよね。誰も帰ってきてないとか?」

「それはないんじゃない? だって絶対にカメラとか持っていってるよね。生放送すれば良かったのに……」

 そんな感じの会話で盛り上がっていた。

 ダンジョンに突入した人たちが、どうなったのかはわからないが、生放送はできないだろう。

 あのワームは普通に緑色の血が出たし。

 子供が泣くぞ。

 しばらくすると、電車が来たので乗って学校に近い駅に向かった。


 8時15分。

 学校に到着した。

 俺は自分の席に着くと机に頭をつけた。

「はぁ〜」

 深いため息をつき、毎回登校するだけで疲れるなぁと思った。

 なんとなくお気づきだと思うが、俺に友達と呼べる人はいない。

 いつも空気の存在である。

 幸いなのは、不良グループにも目をつけられていないという所だろうか。


 そんな俺に声をかけてくる人がいた。

「一宮君。今日、日直だよ。先生が登校したら、職員室にきてくれだって」

「ありがとう。月野さん。行ってくるよ」


 我がクラスの委員長、月野明梨である。

 勉強もスポーツもでき、責任感も強い、おまけに面倒見が良いので、その容姿と相まって、学校中の人気者である。


 顔を上げてお礼を言い職員室に向かう。

「俺、昨日ダンジョンに入ろうとして警察の人に止められた。なんか詳しいことがわかるまでは、入れられないんだと」

「俺もそれ言われた」

「いつ分かるのかな? ダンジョンって小説だと、誰も入らないと魔物が溢れてくる、とかっていう設定多いよな」

「それで主人公が無双するとかな」

 職員室に行くまでに、そんな会話が聞こえきた。

 溢れるか……。


 一昨日、土曜日にダンジョンを攻略した時、ボスのオークは死体でこっちに出てきたけど、他にモンスターがいた場合はどうなったのだろうか。


「失礼します。おはようございます汐田先生」


 汐田澪。俺たちの担任で26歳。この学校では一番新米の教師。容姿は綺麗で美人だが、目つきが鋭く、近寄りづらい雰囲気を放っている。あと胸がデカイ。


「おはよう一宮。このプリント配っておいてくれ。朝のホームルームでも説明する。以上だ。もう戻っていいぞ」


 プリントを見ると、『ダンジョンについてのお知らせ』とあった。


「わかりました」


 職員室を出て教室に戻り、プリントを配る。

「手伝うよ一宮君」

「ありがとう月野さん。それにしても、毎日手伝うなんて偉いね。疲れたりしないの?」

「それ、よく聞かれるんだ。でもしないよ。私、誰かの世話を焼くのが好きみたいでね。下に弟と妹がいるからかな? 将来は幼稚園の先生になりたいの」

 ライムとモモとラメの世話をするみたいな感覚なのか?

 でも人じゃないしな。

 俺にはわからないことかもしれない。

「それは立派な夢だね」

「一宮君は将来の夢はないの?」

「俺は特に……強いて言うなら。何が起こっても、自由に暮らしていきたいってところかな? 叶うかわからないけど」

「クスッ。なにそれ、変なの」

 俺の答えに、月野さんは笑って反応してくれた。

「それにしても、すぐに有名になっちゃったね。ダンジョン」

 配っているプリントを見ながらそう言ってくる。

「そうだね。月野さんはゲームとかやるの?」

「うん。弟たちと一緒に、たまにやるよ」

「へぇ〜なんか意外だ。(とてもゲームをやるようには思えないしな)職業があるゲームだと何やるの? 支援系の後衛とか?」

 俺はイメージに基づいてそう聞いた。

「ううん。違うよ。バリバリの戦闘職。盾持ちの仲間を守って回復もできるタイプ。意外でしょ」

「ほんとうに意外だ。もしかして、ゲームの中でも世話焼き?」

 弟たちが死なないように盾になってるとか?

「そうかもしれない。前に弟が集中攻撃されて、泣いてからこのタイプの職業になったかなぁ」

 苦笑いでそう言う月野さん。難儀な性格だなぁ。

 まぁ、本人が楽しそうならそれでいいけど。

 プリントを配り終わって席に着くと、先生が来て話し始めた。

 内容はダンジョンの事。

 要約すると、近寄るな、ということを10分くらいかけて丁寧に説明していた。

 汐田先生の話が終わり1時限目の授業が始まった。



 異変が起きたのは昼休みになった頃。

「え? 何? 停電?」

 女子生徒の一人がそう言った。

「うそ! 携帯の電波が入らなくなってる! もう最悪!」

「げっ! 俺のもだ!」

 一人の生徒が、携帯の電波が入らないと言ったのを皮切りに、続々とそう言った生徒が出てきた。

 ガラッ

 数十分後、汐田先生が教室に入ってきた。

「みんな、知らせがあるのでよく聞くように」

 そう言うと、さっきまでうるさかったのが、嘘のように静かになった。

「今日はこれで終了とする。怪我をしないように気をつけて帰るように。それと明日も停電が直ってなければ休みとする。以上だ」

 そう言うと、すぐに教室を出て行ってしまった。

「よっしゃー! 帰れるぜ!」

「家に帰ったら何しようかなぁ」

「なぁ、隣町のゲーセン行かね」

「カラオケにしようぜ」

 みんなどこかに寄り道してから帰るようだ。

 俺は荷物をまとめるとすぐに教室から学校から出た。



「電車もストップか」

 駅まで行くと、出入り口や壁には『停電の為運行中止』と書かれた紙が貼られていた。

 駅員さんも拡声器を持って駅にいる人たちに運行見合わせの説明をしている。

 どうやら停電は学校だけではなかったようだ。

 携帯も電波が入らないから情報を得られない。

「はぁー。人がいない所まで歩いて帰ろう」

 それからは転移すればいいしな。

 しばらく歩いていると人通りの少ない所にきた。


 そして……


「はい?」

 俺は道端にある店を見て首を傾げた。


『謎の店』


 看板にはそう書かれていた。

 どう考えても怪しいのに、通行人は誰も気にしていないのである。

 どういう事だと思い、『謎の店』を【神眼】のスキルで見た。


『謎の店』

 魔石を現金に換えることができる。

 レベル1から利用可能。

 お得な情報や便利な物がたくさん揃っています!


 そんな情報が見えたので、怪しいが入ってみることにした。






読んでくださりありがとうございます。

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