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19話作戦準備

申し訳ないです。

前話のあとがきに次回の更新日を記載し忘れていたので今日投稿しました。

次回の更新は12月4日の火曜日です。


誤字報告ありがとうございます。

最初使い方がよく分からなくて戸惑いました(汗)

分かると便利です。


 

「それじゃあ、この紙に名前を書いてください」

 こっそりとホープの所に【転移】をした後、俺と先生は正面入り口から入った。

 地下や屋上、従業員出入り口などショッピングモールは外に繋がる出入り口が多いので正面入り口以外は封鎖している。

 そこで門番係の人に生存者及び住人登録の紙に名前を書いてほしいと言われたので、俺も先生も名前を書く。

 そしてこの紙は誰でも見られるように公開することになっている。

 外出する人はホワイトボードに名前を書かなければいけないというルールも作った。

「それじゃあ、先生。これから何があっても、俺のことについては何も言わないでください。それと、俺に助けられたことも秘密でお願いします」

 正面入り口を無事に抜けたなるべく小さな声量で先生にそう言う。

 どう考えても、今までの言動で先生には俺が『しにがみ』だということが分かってしまうからな。

「わかった」


 先生の返事を聞いた俺は、準備をするため今ここにいる人たちのステータスを確認することにした。

 大体の人たちがレベル1だが、やると言った以上やるしかない。

 それに、経験値を大量に得られるチャンスでもある。

 使役者のスキル【眷属化】を上手く使えば、複数人のレベルと職業レベルを一気に上げることも可能なはずだ。


 そんなことを考えながら【神眼】でみんなのステータスをみていると、通路で喋っている3人組を見つけた。

 先生を助けた後『謎の店』に入った際、俺から金を取ろうとして【絶対麻痺】の状態になった『田口鉄』とその下っ端1、金髪ギャルの『春野弥生』だ。

 話している内容は、『しにがみ』のこと、つまりは俺のことだった。


 そして、春野弥生のステータスを見たとき、不思議な記載があった。


 名前:春野弥生 状態:【キーパーソン】

 年齢:17

 レベル:6

 体力:37/37

 魔力:53/53

 攻撃力:26

 防御力:27

 器用さ:32

 敏捷性:36

 魔攻力:39

 魔防力:32

 職業:魔法使いLV4

 職業スキル:【魔法使いスキルLV4】

 スキル:【肉体強化LV1】【火魔法LV3】【魔力量上昇LV1】【回復魔法LV1】


【キーパーソン】

 鍵となる人間。

 ??????

 発動まで、あと693時間17分29秒……28秒……27秒……


 何だよこれは、【神眼】でも効果がわからないとか、不吉すぎるだろ……。

 この時間って、次の魔物行進(モンスターパレード)の1時間前だよな?

 一度声をかけておくか……。


「よぉ。あ〜元気か?」

 なんて声をかければいいかわからなくて、変な感じになってしまった。

「ふふふっ。何、その挨拶。もう少しマシな言い方なかったの?」

 笑われた。俺の中では結構頑張ったんだがな。

「あんたたちもここにいたんだな。体調に異常はないか? 俺はさっきステータス画面に異常があったから、相談しに行ったんだが……ない?」

 全くの嘘だが春野弥生にある【キーパーソン】が気になる。

 ステータス画面に出ていればいいが、そうじゃなかった場合はどうすればいい? どうする?

「え? ステータス画面に異常? たぶんないけど、ステータスオープン」

 よし! 開いた。

 男2人も開いているな。

 ちなみに、ステータス画面は使用者しか見ることはできない。

 隣から覗き見ても意味はないのだ。

「特にないわね。1回だけ『スロウ』状態になったことはあるけどだいぶ前だし。それよりも、はいこれ」

 そう言われ、300円を渡された。菓子パンの代金だ。

「それと、こいつらが言いたいことがあるそうよ」

「言いたいこと? 謝罪か?」

 こいつらから言われることはそれしか心当たりがない。

「…………悪かったな。いきなり殴りかかって」

「…………すまん」

 いや、そんな苦虫を噛み潰したような顔で言われても反応に困るんだが……春野弥生も苦笑いしてるし。

「わかった。それじゃあ」

 やることがあるからもう行こう。

 それにしても、ステータス画面にも表示されないというのはどういうことだ?

 待つしかないか……。



 ホープにいる人たち全員のステータスを見終わり、式神クロにフォン2号を持たせ、隣の地域に飛ばす。

 そして2号のウイルスが入ったテレビをつけると、撮影された動画がリアルタイムで見ることができた。

 中村樹也さんも『謎の店』に残っていた人たちと、ここを拠点にしていない人たちを連れて戻ってきた。

 この人達のステータスも確認しておく。

 あとはこの人たちが協力してくれるかだけど、そこはあまり心配していない。

 名倉さんや中村さんが俺のことを話しているだろうし、何より魔石と経験値は誰でも欲しいはずだ。

 この世界で生き残るために必要不可欠なものだから。

 逆に俺1人で行ったら、それこそ批判意見が殺到するに違いない。


「ホープ。放送を使ってくれ。話すのは俺がやるから」

「りょうか〜い」

 フォンに声を変えてもらい。

 通話の内容をホープに放送してもらう。


『あー、あー。今から名前を呼ばれた者は3階西側の空き部屋までくるように、………………以上だ』


 俺はここの暫定幹部を、放送で一つの部屋に集める。

 俺の放送を聞いて集まったのは『名倉武』『中村樹也』『半田良弥(りょうや)』『朝倉玲奈』『原田知恵』『幸田茂典(こうだしげのり)』の6人だ。


「もう知っている人もいると思うが、隣の地域にある内藤病院に80人が籠城しているという知らせを受けた。これから救出に向かう。作戦は………………これで行く。何か質問はありますか?」

 今回の作戦は10歳〜30歳までの人たちで3部隊に分かれていく。

 そして補給部隊として10分後にもう3部隊を投入する。

 10歳〜15歳の子供達も作戦に入れた。

 原田さんは反対したが、ずっとレベルが1というのも、今後を考えるとマズイと判断してもらい承諾してくれた。

 9歳以下の子供たちに関しては、この作戦が終わったら、使役者を選んだ人たちが【眷属化】して経験値を与えるということで解決した。


「なぁ、坊主。俺のやつは何でもいいのか?」


 幸田茂典さん。33歳で顔や雰囲気はチョイワルな感じだが、内には熱い熱意を秘めている人。

 筋肉質の体で肌は焼けている。頭にタオルを巻いているのが特徴の人。


 この人には今回、重要なことをやってもらおうと思っている。

 成功すれば、俺たち全体の行動範囲を広げることができる重要なことだ。

 レベルは4で使役者の職業を選んでいた。


「わかった。なるべくちゃんとしたやつを見つけるからな。期待しておけ」

 そう言って右手の親指を立て、ニヤリと笑った。


「それでは、ここにいる人たちに作戦内容を話します。20分後に正面の駐車場に集合してください」

 俺の言葉に頷いてそれぞれの持ち場に戻っていく。

 先生は月野さんや高校の生徒たちと会うことができたようだ。

 さてと、作戦内容の放送をしよう。


『みんな聞いてくれ。今から重要な話をする』




読んでくださりありがとうございます。

次回の更新日は12月4日です。


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