18話救助依頼
先に謝っておきます。
方言の使い方間違っていたらすみません。
どうしても気になる方は、感想もしくはメッセージにて教えてくれると嬉しいです。
あの後、朝食を食べ終わり先生を『謎の服飾店』に案内した。
朝食はスープなどの軽い物にしてもらった。
『謎の服飾店』はその名の通り、服やアクセサリーなどを売っている。
今回は魔石を持っていないので、換金場所は素通りする。
そして、先生と共に商品売り場へ行くと、まず平台があり、『お買い得。2枚で1000円』という文字が書かれた看板と様々な色のシャツが置かれていた。
ゴブリンの被害者であり、今後は1部隊のリーダーとしても活躍するであろう『朝倉玲奈』さんは、1着数万円〜500円の服があると言っていた。
見る限りでは、店の中は俺たち以外誰もいないようだ。
「どうですか先生? 『謎の服飾店』は、不思議な所でしょ?」
「あぁ、素直に驚いている。他の店もこうならすごいな。謎だ……」
そう言う先生は、いつもの真顔の表情なので本当に驚いているかわからない。
「先生っておしゃれするんですか?」
汐田先生の私服ってどんな感じなのか気になる。
「……まぁ、少しだけな」
間が若干気になるが、おしゃれはするのだろう。
「それじゃあ先生。買い物楽しんでください」
「あぁ。ありがたくもらうぞ」
先生に数万円分のお金を渡した後、俺は『情報掲示板』と『依頼ボード』のあるスペースへ行く。
「掲示板が実装されたのは昨日の12時だけど、SPに余裕のある親切な人たちが書き込みしてるのか」
目の前の情報掲示板の内容を見ると、ここら辺では『中村樹也』さんなどが書き込みをしていた。
それと、おそらく2番目のレベルアップボーナスである【勇者】のユニークスキルを持つ『勇気誠』さんが結構な数の記載をしている。
『拠点にするなら建物の中でも武器を振り回せる所が良い』や『魔物にも縄張りのような物があって地域が変わると追ってこなくなる』だの、あとはレベルでの職業枠解放の情報など。
有益な情報の公開範囲は全部世界になっている。
『近いうちに日本に行きます!』
という記載もあったが、日本からかなり離れている場所じゃないか?
どうやってくるんだ? と思う記載もあった。
「しかし、この記載はどうすればいいだろう?」
『名前:結城誠
件名:ユニークスキル持ちの人へ
公開範囲:日本
本文:日本にいる僕と同じユニークスキル持ちの人たちへ。次の魔物行進までに一度どこかで会わないか? 連絡を入れてほしい。』
何人が連絡を入れているのか……公開範囲が結城誠のいる地域に設定されていれば、ここから見ることはできないしな。
いや、待てよ……なんか忘れているような?
あっ! 【情報閲覧】
各種『謎の店』の中は、攻撃できず、妨害系のスキルも使えない。
きっと俺の【気配隠蔽】が切れているのもそこが関係しているのだろう。
俺は情報屋の職業スキル【情報閲覧】を使う。
「おぉー」
ステータス画面のようなパネルが現れた。
このスキルは凄い便利だ。
公開範囲が世界〜一部の地域まで、掲示板や依頼ボードに書かれたあらゆる情報が閲覧できる。
まだ孤立して身動きが取れないという記載や、安否確認の記載、△△の病院を拠点化しようとしたがアンデッドが多かったので諦めたなど、様々な情報があった。
ちなみに、あの停電した時に飛んでいた飛行機は墜落したらしい。
そういった記載も発見した。
町に墜落したという情報もある。
その時点でかなりの死者が出たようだ。
日本も何機か墜落したらしい。
死体の損傷が激しかったのか、それとも適合が完全にされる前だったからなのかアンデッド化はしていなかったと書いてある。
それじゃあ、結城誠さんがいる所の情報を、見させてもらおう。
『名前:里川未来
件名:例の記載
公開範囲:○○
本文:初めまして勇者さん。里川未来です。私もあなたと同じくユニークスキル持ちやー。何のかは言わへんけどな。ユニークスキルのことはいつか話さんといかんと思うとぉたんや。でも踏ん切りがつかんかったから、そこは感謝しております。確かに、顔合わせはどこかでやりとぉね。強い人たちと繋ぎを作れるのは心強いから。ちなみにこちらの拠点はお城とぉよ。まだ隣接する地域が攻撃受けてて、忙しいのが終わったら、また連絡するでや。ほなー。』
ユニークスキル……確かに、いつ話そうか迷っていたのは事実だったから、そこは感謝するべきなのかな……。
だけど……
「何もスキル名を世界範囲で公開しなくても良かったんじゃ……」
元々の性格が正直なのかな?
それとも【勇者】というスキルを貰ったからなのか?
直接会ってみないとわからないな。
返事は……まぁ、今じゃなくていいだろう。
「それより、里川さんはどこの方言だろうか? 西の方だよな?」
誰か知っている人、いるだろうか?
あつかましーってどういう意味だろう?
「一宮、買い物が終わったぞ」
記載を見ていた俺に、買い物を終えた先生が声をかけてきた。
まだ20分しか経ってないが本当に終わったのか?
「早いですね。1時間はかかると思っていました」
女性の買い物って長いんじゃないの?
「この状況で私だけ良い服を買うのは気が引けるからな。下着にシャツ、それとジャージだけ買った」
そういえば、ホープの所にいる人たちもジャージが多いな。
安くて丈夫で動きやすいからな。
「これは何だ?」
「情報掲示板です。【書き込み】というスキルで書かれたことが見れます」
俺がそう言うと、先生は少し真剣な表情になり、一通り記載に目を通した。
「何か気になることでもあるんですか?」
「あぁ、隣の街にある小さな個人病院に母が入院していてな。……もう納得したつもりだったんだが……情報掲示板を見ると気になってしまうな」
そういう先生は、いつもの表情だ。
銀行の時のような、怯えた顔はしていない……学校で見る時と同じ顔……。
うがぁぁぁ!……なんかモヤモヤする……。
どうせ隣の地域には何人かで行く予定だったのだ。
その時に生き残っている人たちを救出して、その地域に拠点を作ってもらう予定だ。
次の魔物行進までに、どれだけ立て直しができたかで、有利になるか決まると考えている。
最低限、ここに隣接する地域は拠点を確保しておきたい。
そしてここにあるダンジョンはかなり大きい。
テレビには小〜大までのダンジョンが映っていた。
なるべく小さいダンジョンから攻略していきたい。
そのためには……
「確かめましょう」
俺は先生の目を見てもう一度言う。
「確かめに行きましょう。先生」
そしてその時、依頼ボードの方にタイミング良く、新しく一つの依頼が書かれたのに気づいた。
『名前:内藤薫
公開範囲:○○地域〜隣接する地域
依頼内容:△△にある個人病院。内藤病院に動ける患者と従業員約80人が籠城しています。動ける人たちで戦っています。戦闘できる人たちの平均レベルは12です。食料も尽きそうで、体調が良くない人もいるので助けてください。
依頼報酬:すみません。これは相談して決めるでお願いします。』
チャロリン♪ チャロリン♪ チャロリン♪
携帯電話の着信音が鳴った。
表示された名前は『中村樹也』だ。
「はい。もしもし」
フォンに声を変えてもらうのも忘れずに着信に出る。
『死神君。おはよう。今『謎の店』の方にグループで買い物に来ていて、依頼ボードを確認したんだ。どうする?』
どうするかって?
もう決まっている……
『直ちにホープに集合。実行グループと作戦を考え次第……救出作戦を実行する!』
『了解だ!』
電話を切る。
中村さん達は急いで戻っている頃だろう。
「というわけで、先生。【転移】でショッピングモールに行きますよ。あと何があっても俺のことは秘密でお願いしますね」
「全く話の流れが掴めないんだけど……この病院に、母のいる病院に助けに行ってくれるの?」
「そうですよ。まだ間に合います。早く行きますよ」
そう言って、俺は先生の手を取り、走って店の出入り口を目指す。
「一宮。ありがとう」
まだお礼は早いですよ先生。
助け終わってから言ってほしいです。
本当はそう言いたかったけど、こんな顔を向けられたら何も言えなくなってしまった。
里川未来は16歳の高校生です。
本文に年齢を記載していないのでこちらで。




