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町の治安向上目指して(1)

ちょっと短いです

「よぉゾル、エリス、元気にやってるか?」


今日も今日とてお客がこないノワールで、暇そうにしているエリス達の元へ大柄な壮年の男性が訪ねてきた。


「あ、ヴァンさんお久しぶりです。最近挨拶に行けなくてすいません」

「なに、気にすんな。それよりエリス、こないだの露店祭で結構稼いだそうじゃねぇか。ちゃんとやるときはやるんだな」


そういって豪快にヴァンは笑って、よかったよかったと乱暴に頭を撫でる。


「わぁー!髪が乱れるからそれはやめてくださいっていっつもいってるじゃないですか!」


エリスが押されている珍しい光景を、ゾルが興味深そうに眺めていると、その視線に気がついたのか撫でる手をとめ、ヴァンがゾルへと歩み寄る。


「よっ苦労人。店は繁盛してるか?」

「ぼちぼち、といったところだな。それで、今日は何の用だ?ギルド長がただ茶を飲みにここにきたわけではあるまい」


相変わらずかてーやつだなと呆れながら、ヴァンはコーヒーを注文して席へと座った。


「ま、用があるのは確かなんだがな。お前ら、魔王城にいる頃町の整備なんかもやってたんだよな?」


ヴァンはこの町を統治している本人であり、町の治安を担っている冒険ギルドの長を務めている。

またクルツとも古い付き合いがあるため、エリスとゾルが人間界に住むときに力を貸してくれた人だ。

そのためエリスとゾルの正体も知っている。


「一応名目上は王でしたからね。民のために寝ずに奮闘なんかもしていましたよ」


遠い目で昔を思い出すエリスを尻目に、ヴァンは厚い茶封筒を机に出す。


「実は治安向上のため、この町に街灯を導入しようって話になってな。それで、お前さん達んとこの城下町はたしか導入実績があっただろう?そこでちょっと指導を頼みたいんだ」

「また随分と大事ですね。でもさすがにそんな物に携わったら私の正体ばれませんかね?」

「その辺は俺がなるべくフォローするさ。とりあえず腕利魔道具店長に協力を頼んだって事にしておく」


腕利と言われてにやけるエリスに、もう一押しだと思ったヴァンは止めの一言を放つ。


「もちろん、給金は弾むぜ?町の未来に関わる事業だしな」

「やります」


即答したエリスに、ヴァンはニヤリと笑って手を差し出す。


「よろしく頼むぜ腕利店長」

「わかりました、その代わりお給料の方は期待してますからね」


そしてエリスもがしりとその手を握り返した。




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