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第2話「意外な再会」

アシュリーと再会したキラウェルは、憲兵に気付かれないように部屋に通された。


「ロベルゼ、パパ呼んできて」


アシュリーは、息子であるロベルゼに言った。


「はーい」


ロベルゼはそう言うと、奥の部屋へと走っていった。



「あの子は、息子のロベルゼです。3年前に生まれたんですよ」


アシュリーはそう言いながら、紅茶と菓子を用意している。


「ファラゼロさんも、もうお父さんなんですね…」


キラウェルは、驚きながら言った。


「ロベルゼが生まれた時、物凄い喜んだんですよ?お義父さんに聞いたら、昔の自分と同じだと言っていました」


アシュリーは、くすくすと笑いながら言った。


「そ…そうですか」


キラウェルは、そう言いながら庭を見た。


その時、ロベルゼが部屋から出てきた。


「あれ、ロベルゼ…パパは?」


不思議に思ったアシュリーは、ロベルゼに尋ねた。


「ねんねしてる」


そう言いながら、部屋の奥を指さすロベルゼ。


「えっ!?パパ寝てるの?」


アシュリーはそう言いながら、ロベルゼが出てきた部屋を覗いてみる。

キラウェルも、彼女に続いて部屋を覗いてみた。



机に突っ伏して、静かに眠っている男性が一人いた。

あの髪型と背格好からして、成人したファラゼロで間違いないようだ。


相当疲れているのか、こちらが覗いているのにも気付かず、かなり爆睡している。

アシュリーはそんなファラゼロを見て微笑むと、音をたてないよう、静かに扉を閉めた。


「キラウェルさんごめんなさいね?ファラゼロ…当主の仕事が増えてから、いつもあんな感じなんです」


アシュリーは、キラウェルに謝った。


「アシュリーさんが謝ることではありませんよ、疲れているんですから、そっとしておきましょうよ」


キラウェルはそう言うと、紅茶を一口飲んだ。


「それにファラゼロ、ピアスをずっとつけているんです。一度聞いたら、お守りと言っていました」


アシュリーの言葉の続きを、なんとロベルゼが継いだ。


「パパねーおふりょのときだけ、ぴあしとるのー」


ジェスチャーをしながら、ロベルゼが言った。


「お風呂以外はずっとつけているんですか?」


これに驚いたキラウェルは、アシュリーに尋ねた。

アシュリーは眉をひそめる。


「さすがに夏場とかは、雑菌を心配して外すように何度も言っているんですが、本人が聞く耳持たずで…」


「パパは、いつもママをこまりゃせるのー」


ロベルゼは、そう言って頬を膨らます。


「ねーロベルゼ、パパは困ったさんだねー」


「うん!」


アシュリーの言葉に、ロベルゼは元気よく頷いた。



と、何やら外がとても騒がしい。

外を見てみると、憲兵たちが(せわ)しなく動いている。


「キラウェルさん、見つかる前に逃げてください!」


アシュリーはそう言いながら、屋根裏部屋への階段を出す。


「えっ…屋根裏部屋って……余計に音をたてませんか?」


少しだけ不安そうに、キラウェルが言った。


「大丈夫です。上手く誤魔化しますから…さあ早く!」


アシュリーにそう促され、キラウェルは素早く屋根裏部屋へと移動する。


アシュリーが階段をしまうと同時に、憲兵にたちが部屋の中に入ってきた。


「何事ですか?ノックもせずに!」


アシュリーは、不機嫌そうに言った。


「アシュリー様、申し訳ありません。実は侵入者がいると、外の憲兵から聞いたものですから」



アシュリーと憲兵たちの会話を、音をたてないように耳を澄まして聞くキラウェル。


「外の憲兵に何かあったのですか?」


アシュリーは、一人の憲兵に尋ねた。


「はい…実は幼児化しておりまして…今は元に戻っていますが、かなりの上級魔法の使い手が放ったものかと…」



この話を聞いたキラウェルは、しまったというような表情になった。

そして彼女は…今度からは、無闇に人間に使うのはやめようと決意した。


「まぁ…そんなことがあったんですね」


驚きを隠せないアシュリー。


「はい。ですから、アシュリー様のところに来ていないかと思いまして」


この人物は、憲兵たちのリーダーなのだろう。

さっきから彼しか話をしていない。

リーダーらしき人物は、部屋を見渡している。


「怪しい人は、ここには居ませんよ。他を捜して下さい」


「わかりました。アシュリー様、何かあったら叫んでくださいね」


リーダーらしき人物はそう言うと、部屋を出て行った。そして、再び慌ただしく屋敷内を部下たちと共に走り去っていった。


頃合いを見たアシュリーは、先程の階段を出して屋根裏部屋を覗いてみた。

キラウェルの姿がないことを確認した彼女は、安堵のため息をついて、階段を下りた。


「おねえさん、いない?」


ロベルゼが、アシュリーに尋ねた。


「うん、もう行ったみたい」


アシュリーは、そう言って微笑んだ。



と…そこへ、この騒ぎで目を覚ましたのか、成人したファラゼロが奥の部屋から出てきた。


「あっ!パパー!」


ロベルゼはファラゼロを見るや否や、勢いよく抱きついた。


「お!ロベルゼ、今日も元気だな!」


ファラゼロはそう言うと、ロベルゼを抱っこする。


「ファラゼロ…さっきキラウェルさんが来ていましたよ」


少し呆れ気味に、アシュリーが言った。


「え…キラウェルさんが?何で起こしてくれなかったんだ?」


不満げに言うファラゼロ。


「だって…かなり爆睡していたから」


アシュリーは、そう言って苦笑いする。


「はは…」


アシュリーにそう言われ、何も言い返せないファラゼロ。


「結婚…おめでとうございますだって」


アシュリーはそう言うと、ファラゼロの肩に頭をのせる。


「会話、したかったな…」


ファラゼロは、アシュリーの肩を抱きながらそう言った。





その頃キラウェルは、バレッタで髪を上げ直し、追いかけてくる憲兵から逃げ続けていた。


「待て!止まれ!」


「逃がさんぞ!」


口々にそう言う憲兵たち。


キラウェルは鞘から白夜を引き抜くと、先頭にいた二人を峰で斬りつけ、大人しくさせる。


「止まれって言われたって、止まれるわけないじゃない…」


キラウェルは、ため息混じりで言った。


そうしている間にも、憲兵たちが後ろからやって来ている。

意を決したキラウェルは、白夜を持ち直した。


「やってやろうじゃない…まとめてかかってきな!」


キラウェルがそう言うと同時に、憲兵たちが一斉に襲い掛かってきた。


襲い掛かってくる憲兵の中には、剣や槍を持っている者がいる。

キラウェルは一度深呼吸をすると、左手から焔を出した。


「喰らえ!フレイムウェーブ!!」


キラウェルは、そう言いながら全体技を放った。


憲兵たちの何人かは焔にのまれ、激しくもがき始めた。

その影響からか、残りの憲兵たちはたじろいでいる。


その隙を狙っていたキラウェルは、一気に斬りつけていった。

バタバタと…次々に倒れていく憲兵たちは、皆蹲っていて動こうともしない。


「悪いわね…ここで捕まるわけにはいかないの!」


キラウェルはそう言って笑うと、足早に去っていった。




ファラゼロたちの家から離れ、再び関所にやって来たキラウェル。

門番と軽い会釈を済ませ、フォルフ地方へと戻ってきた。


「さてと…急いでシンラに戻らないと!」


キラウェルはそう言うと、一気に走り出した。



休みながら走り続け、かつて最初に訪れたリオシティにやって来た。

相変わらず賑やかなこの街は、華やかさが増している。


『あれ…?リンカの村行きのバスがない。明日までないのか』


キラウェルは、バスの時刻表を見ながら言った。



シンラには列車やバスが通ってなく、行くとしたらバスで、一番近いリンカの村まで行くのが鉄則となっている。

数年フォルフ地方に住んでいるため、キラウェルも熟知している。


しかし、頼みの綱がないとなると…話が違ってくる。


『今日中に、シンラに戻れると思ったんだけどな〜』


キラウェルがそう言って、悩んでいた時だった。


『あれ…?キラウェルさんじゃないか!』


聞き覚えのある声が、後ろから聞こえてきた。


キラウェルは声の主を確認するために、ゆっくりと振り返る。

そこに居たのは…



『アルフォンスさん!』


キラウェルは、嬉しそうに言った。


『久しぶりだね!元気にしてたかい?』


アルフォンスも、キラウェルとの再会を喜んでいるようだ。


『もちろんですよ!ところでアルフォンスさん、何故リオシティに?』


会話もそこそこに、質問を開始するキラウェル。


『異動命令が下されてね…その準備のために買い物していたんだ』


アルフォンスはそう言うと、買い物袋を持ち上げてみせる。

どうやら、日用品を買っていたようだ。


『異動命令!?どこにですか?』


キラウェルは、驚きながら言った。


『地図を見せた方が早いかな』


アルフォンスはそう言うと、懐から地図を取り出して広げた。

そして…ある場所を指さした。

そこには、“ギルリア王国”と書かれている。


不思議そうに地図を見ているキラウェルを見兼ね、アルフォンスが口を開いた。


『ギルリア王国は小さな国なんだけど、とても栄えているんだ。そこにも警察署があるから…僕は来月からギルリアなんだ』


アルフォンスはそう言いながら、地図を再び懐にしまった。


『でも何故ですか?』


どこか不満気(ふまんげ)なキラウェル。


『キラウェルさん、警官は異動して出世していくんですよ。現に…ラルフも結婚と同時に出世していきましたからね』


アルフォンスはそう言うと、一枚の写真を取り出した。

その写真には、ラルフと奥さんと思われる女性が笑顔で写っている。


『ラルフさん…いつの間に』


キラウェルは、写真を見ながら驚いている。


『僕も驚いたけどね。でも幸せそうでなによりだよ』


アルフォンスはそう言うと、写真を懐にしまいこんだ。


『アルフォンスさんは、結婚とかの予定はないんですか?』


キラウェルは、アルフォンスに尋ねた。


『僕彼女居ないし、当面は結婚の予定はないかな。まぁ僕も年頃だし…結婚しないとね』


アルフォンスはそう言うと、苦笑いする。


『さてと…僕は買い物を続けるよ。キラウェルさんも、早くリンカの村に着いた方がいいと思うよ』


アルフォンスはそう言いながら、荷物を持ち直す。


『はい、そうします』


キラウェルは、そう言いながら微笑んだ。


『じゃあ…いつかまた会いましょうね』


アルフォンスはそう言うと、立ち去っていった。


キラウェルは手を振ってアルフォンスを見送った後、急ぐためにリオシティをあとにした。




ハルブの街を通り過ぎた辺りから、太陽が沈み始めていた。

キラウェルは歩くのをやめ、野宿の準備を始めるために、川で釣りをしている。


簡単な竿を使い、魚が掛かるのを待っている。


『遊んでる………よしっ!食らいついた!』


魚が擬似餌(ぎじえ)に食らいついた時、キラウェルは竿を上げた。

釣り上げた魚は、意外と大きいものだった。

しかもその後二匹釣れたために、一匹は不死鳥に譲った。


適当な罠で掛かったウサギも調理し、魚も焚き火を焚いて遠火で焼いている。

不死鳥はというと、キラウェルが焼いた魚を美味しそうに食べている。

どうやら彼は、実体化もできるようになったようである。

…これも、キラウェルのお陰なのかはわからないのだが。


『明日の早朝には、リンカの村に着くようにしないとな。あまり遅くなっても、巫女様が不安になるし』


キラウェルはそう言うと、ウサギの肉を食べる。

不死鳥は、無言のまま美味しそうに魚を食べている。

その光景に、キラウェルは微笑んだ。




夕食を食べ終わったキラウェルは、焚き火を消して寝る準備をしていた。

しかし、嫌な気配を感じ取った彼女は、すぐ(そば)にあった白夜を手にした。


『この気配は…魔物?いや…魔物じゃないな』


キラウェルはそう言いつつ、警戒を強めていく。


そして、キラウェルが白夜を持ち直した…次の瞬間だった。


『襲え!!』


深い茂みの中から男性の声が聞こえてきた。

それと同時に、いくつもの影が通り過ぎていった。


『やっぱり来たか!』


キラウェルはそう言うと、手のひらから焔を出した。

焔に照らされて、影の正体が明らかになっていく。


全身黒装束を身に纏った人物たちが、キラウェルを逃さんと言わんばかりに囲っている。

クナイや刀を握りしめている者がほとんどであり、戦闘準備はバッチリといったところだろうか。


『これから寝ようと思っていたのに…寝かせてもくれないのかよ!』


キラウェルはそう言いながら、手前にいた人物から斬り掛かった。


一瞬の出来事だったため、クナイを持っていたその人物は、すぐに倒れてしまった。

だが…それを合図にしていたかのように、次々とキラウェルに襲いかかってきた。


キラウェルは白夜を巧みに使い、峰で斬りつけたり、魔法を発動させて敵を黙らせた。


キラウェルが息切れをする頃には、黒装束の者たちは倒れていた。


『場所を移そう…ここじゃ寝られない』


キラウェルはそう言うと、白夜を鞘に戻して走り去っていった。




先ほどキラウェルが居た場所から、かなり離れた場所である。

漸く落ち着きを取り戻したキラウェルは、木に登って枝をつたい、寝やすい場所を見つけた。


『ここなら…寝られるかな』


キラウェルはそう言うと、瞼を閉じた。


数分もしないうちに、キラウェルの寝息が聞こえてきた。

あれだけ動いたのだから、疲れているのは当たり前である。


運良く天気は快晴であり、夜空には満天の星が瞬いている。

キラウェルは、心地よい風を受けながら、深い眠りについていった。






翌朝、目を覚ましたキラウェルは、リンカの村を抜けてシンラへ向かう道を歩いていた。

もうすぐでシンラというところの…あの滝壺まで来ていた。


『ここを過ぎれば、あとはあの急な坂道を歩いていくだけだね』


キラウェルは、そう言いながら歩いた。



数年前、初めてこの地を訪れた時はとても大変だった。

ラルフとアルフォンスが居なければ、キラウェルとカンナは間違いなく道に迷っていたことであろう。


急な坂道をゆっくり歩いて行くと、シンラの入り口が見えてきた。

入り口が見えた途端、今までの動きが嘘のように、キラウェルは猛ダッシュし始めた。


そして、彼女がシンラに辿り着いた…その時だった。


『キラウェルさん!』


『?!』


キラウェルに、思いっきり抱きついてきた人物がいた。

あまりの出来事に、頭がついていかないキラウェルだったが、その人物が誰なのかわかった。


『カ…カンナさん!?』


キラウェルは、驚きながら言った。


『久しぶりです!元気でしたか?』


カンナは、嬉しそうに言った。


『勿論です!』


カンナの問いに、キラウェルは笑顔でそうこたえた。





カンナと再会したキラウェルは、場所を宿屋に変えた。自身が泊っている部屋で、キラウェルは彼女から様々なことを聞いていた。

まずカンナの事だが、二つ年上の男性と結婚し、子どももいるということ。

友人に会いに行くと家族に伝え、再びシンラに来たことも話してくれた。


『それにしても…数年前は片言だったキラウェルさんのセルネア語が、流暢になるなんて…人間って不思議ですね』


カンナは、感心したように言った。


『カンナさん、褒めすぎですよ。これでもかなり頑張って勉強したんですから』


そう言いながら、苦笑いするキラウェル。


『ところでキラウェルさん、ここでの生活は慣れましたか?』


口調を変えたカンナは、近況をキラウェルに尋ねた。


『勿論ですよ!』


キラウェルは、笑顔でそう言った。


『それは良かった…とても安心しました』


カンナは、微笑みながら言った。



その後二人は、他愛のない話で盛り上がっていた。

久々に友人と再会したためか、時間を忘れて話し込んでいた。


カンナは、思い出したかのように懐中時計を見た。

時刻は3時になろうとしていた。


『もうこんな時間…!早く家に戻らないと!』


カンナは、そう言いながら立ち上がった。


『カンナさん、帰られるんですか?』


もう少し居ても良いのでは?…と、キラウェルが続ける。


『流石に帰らないと大変です。主婦は大変なんですよ?』


何故か苦笑いするカンナ。


『そういうもんですか…』


納得したようなしないような…微妙な気持ちになるキラウェル。


『ではキラウェルさん、また会いましょうね』


カンナは微笑みながらそう言うと、シンラの宿屋をあとにした。



去っていくカンナを窓から見送ったキラウェルは、階段を下りて一階にいた。

このシンラに来てからも続けていた、日記を書くためだ。

いつもの定位置である窓際の席に座り、日記の続きを書き始めていく。


…と、その時。

キラウェルは人の気配を感じて顔を上げた。

彼女の前に立っていたのは、巫女であった。


『あれ?巫女様…どうしたんですか?』


キラウェルは、不思議そうに尋ねた。


『キラウェル様に、見せておきたい物が…』


巫女はそう言うと、一冊の本をキラウェルに差し出した。


本を手にしたキラウェルは、年期の入った本をまじまじと見つめる。

埃や本の傷具合などから、そうとう古い物のようだ。


『この分厚さからいって…日記ですか?』


キラウェルは、再び巫女に尋ねる。


『はい、そうです。ただし…ただの日記ではないんです』


巫女はそう言うと、ページを開くようジェスチャーをする。


『?』


不思議に思いながらも、本を(めく)るキラウェル。

開いたページには、古代文字で書かれた文章がびっしりと綴られていた。


『これは……約300年前に使われていた古代文字。しかも、保存状態がいいから読める』


キラウェルはそう言いながら、次々とページを捲っていく。

しかしキラウェルの手が、あるページでピタリと止まった。


『キラウェル様?』


巫女が、不安そうに言った。


『“我が名はシュリ、シンラを統治する者。昨日シンラの入り口前で倒れていた女性を保護した。追ってから逃げてきたのか、傷が至る所にある。早急に手当てせねば”』


キラウェルは、ある一文を読んだ。


『巫女様、これは300年前に書かれた日記で間違いないです。このシュリという方は?』


キラウェルは、振り返りながら巫女に尋ねた。


『一番最初に…このシンラを統治した人だと聞いています。簡単に言うと、初代巫女様ですね』


巫女の説明を聞きながら、キラウェルは視線を日記に戻し、再びページを捲っていく。


『母さんが魔法を継承したのが今から300年前…そして、この日記は300年前に書かれている。文章にあった保護された女性……。偶然にしては出来すぎている』


キラウェルはそう言って立ち上がると、巫女を見つめた。


『巫女様、この女性について書かれた文献は…他にはありませんか?』


若干興奮気味に、キラウェルが言った。


『は…はい。家の倉庫に行けばもしかしたら…』


キラウェルの気迫に押されつつも、巫女はそう言った。


『この日記と同じ時期に書かれた文献を一通り集めてください!調べたいことがあるんです!』


『わかりました。では…ルイにも手伝ってもらいましょう』


巫女はそう言うと、宿屋を走り去っていった。



今キラウェルは…一つの真実を掴もうとしているのであった。

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