番外編 事件勃発3
みんなは顔を見合わせた後に
思いっきり笑っていた。
なんで笑ったかって言ったら、そりゃ……
「何暗くなってんの!俺らいるんだからさ!」
だそうだ…
確かにそうだけど、もう何年も帰ってないんだよ?
絶対に……拒まれる…
雫も、8人も何にも知らないから……
笑われてる……きっと励ましなのに…
なんで俺、こんなにモヤモヤしてんだよ……
「そ、そうだよな……」
ここで明るくならないといけないのに
俺の表情はさっきより確実に暗くなってるな……
どうしよう……常に笑ってないと…
また昔みたいに、笑えなくなりそうだ……
「ごめん……俺、ちょっと部屋行ってくるわ」
無理にでも笑った。
誰も気付いてなどいなかっただろう。
笑顔で送り出してくれたからな……
部屋に入って扉を閉めて壁を殴った。
それくらいしかできなかった。
親しかいない……わかってる
それを思いついたのは、自分なのに
何今更暗くなってんだよ……
覚悟を決めた上の筈なのに…意気地なしだな……
俺って、何でこうなんだか……
こうなってくると、雫の笑顔がこわい
また、壊れそうだ……
「ぁああ!!何でこんなに自分の事ばっかり……
雫のが日々不安だろうが!
自分が死んだ経験あるってわかってんだぞ!
あいつのが不安だって……わかってるのに……」
それに……あいつら8人には、
恩しかないだろ……
やらなきゃいけねえのに……
はあ……
もう大丈夫だ…
行く準備しよう……
着替えながらも頭の中は不安ばっかだ
でも、行くしかないから行くんだ。
電話……いれておこうかな。
といっても、俺の携帯には雛とその旦那の
番号しか入っていない。
家にいるかな?
雛に電話をかけるとすぐにでた
「もしもし、雛?」
返ってきたのは、変わらぬ義理の妹の声だった。
『雛だよ!お兄ちゃん!?』
こいつは、お兄ちゃんって呼んでくれてるんだよな……
血繋がってないからって
俺が避けすぎたんだよな……
コイツにも謝んないといけねーよな……
「おう…俺だ。
母さんと父さんの家にいる?」
まあ、いるとは思うな。
今日は、世間一般ではお盆なのだから。
つまり、雫の命日の前の日……
『今向かってる所だよー!
あ、お兄ちゃんも行くの?
なら、乗せてくよー?』
おう……ちょうど良いタイミング。
「じゃ、頼むわ
俺+雫と、友達8人いるけど、いいか?」
それをいうと、電話越しに
涙ぐむ声が聞こえた。
『ぐす……お兄ちゃん友達できたんだ……
て、雫さん!?
もしかして、ニュースで挙げられた
世界初の人間クローンって……』
ぁあ、そうか……
こいつらには知らせてないんだっけか。
ニュースにあげられたんだよな……
まあ、雫ってことは、教えてない。
生活に支障が出るからな……
「そうだよ。
じゃ、今からメールで俺の家の場所送るわ。
んじゃ、後でな。」
『わかった!』
電話を切って住所と家の写真を送った。
最近の携帯は便利だから助かるな。
送信すると、『了解』という返事が来た。
それから、俺らは雛達と合流して
あと、雪猫と敬愛もつれていった。
そして、家に着く。
懐かしい、実家 懐かしい、故郷。
玄関の前で立ち止まっていると、雛が背中を押してくれた。
「ただいまって、言えばいいじゃん(*^^*)」
本当、こいつ 優しすぎ……
勇気を振り絞って玄関を開けた。
「た、ただいま!!!」
中から母と父、親戚の皆が出てきた。
俺の顔を見て、みんな血相が変わった。
後ろの奴らも場の空気を読んでか、ヒヤヒヤしていた。
突然だった、母に思いっきり叩かれ
父には殴られた。
場の雰囲気は重くなったかのように思えたが
違ったのだった。
「「馬鹿息子!!!!!」」
息子……
はじめて、息子と言われた。
部外者は俺なんだよ……
俺は養子としてここに引き取られたんだ……
涙が出てきているのがわかった。
痛くてか嬉しくてかわからないな……
みんなにぎゅっと抱きしめられた。
皆が泣いていた。
感動なのか、もらい泣きなのか……
また、8人に助けられた気がする俺だった。




