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変わっていく世界

「他人じゃなければって…何を…?」

ちょっ…ベッドに押し倒されていて身動きが取れない。

緒方(兄)の手がYシャツの中に入る。

回りの人間もなにかと色々してくる。

「肉体の関係でも作れば他人じゃねぇだろ?」

今まで止めてくれていた磯部も加わっていた。

このままじゃ、犯される……!

「やめろ!馬鹿じゃねぇの!

そんなんで言う分けねぇだろ!」

「馬鹿はどっちかしら?

一人で悩んでるよりもよっぽど楽になるのに言わないで

知られたくないからと変に言い訳をして……貴方のが馬鹿よ。」

桜に言われた言葉が頭のなかで響く。

知られたくないよ。だから言い訳もしたよ。

親族にだって言うのに時間がかかった。所詮奴等も一番近い他人に過ぎないのだと、逃げ道を自分に用意して。

妹の雛にも冷たい態度とって……

自分の気持ちを全部封じ込めて、自分の周りに殻を作って

自分を守るために自分をも誤魔化してきたさ。

「……ごめん。今はなにも言えない。

俺は強い人間じゃないし簡単に打ち明けられない。

でも、いつかは言うから今は待って欲しい。」

今の俺にはこれが精一杯の言葉だった。緒方(兄)の手から形見を奪い取ってその場を離れた。

俺は弱いから簡単に人を信じれないし、同じことが繰り返されるのが怖くて今まで自分の心を封じ込めて

何もしようとしてこなかったし、本当は忘れるのが怖くて

雫のものを近くにおいておいた。

教室に向かうつもりだったけど寮室に帰ろう……。



「言ったら彼奴等の前で涙が溢れてしまう。止められない。」

彼女を忘れたくはないが思い出して言葉に出すのが辛い。

思い出すだけなら少しは大丈夫だけど、言葉にして人に言うのは体が拒否するかのように涙が溢れて体が震える。

そこまで彼奴らに気を許したわけではない。

「良い奴等なのは分かったけど…まだだめだ。」

それに、簡単に逝って涙流すなんて同情してもらおうとしてるみたいで嫌だ。

それに、同情されて変に優しくなんてされたくない。

今までがそうだった。みんな同情して俺の事を可哀想だとか言う。

可哀想なのは雫なのに……一分一秒でも長く生きれたかもしれないのに。

彼女の笑顔も涙も怒った顔ももう見れないのに。

彼女はもう二度と自分で表情を表すことは出来ないのに。

皆、すぐに雫の事を忘れてひたすら笑ってた。

雫を殺した奴等も何食わぬ顔で重い十字架を捨てて楽しく生きてる。

雫だってもっと生きたかったのに……


雫の話をしても、今まで聞いてくれた奴は俺を可哀想とか哀れむような目で見て、雫の事で同情して気を使われた。

誰一人、普通には接してくれなかった。

はぁ……寝よ。

体調不良……頭あんだけひどく打ったしそれくらい通じるだろ。




朝……またやって来てしまった。

もうすぐ……夏だな……。

カレンダーを見てふと思った。

……あれからもう、一ヶ月か……

あの八人を避け続けて1ヶ月……。

向こうも話しかけてこない。それは忘れているからじゃない。待っているんだ……俺から言い出すのを。

「そろそろ……いうべきかなぁ。」

そんな言葉をもう何回繰り返してきただろうか?

意気地無しの俺が当然言うわけもない。

でも、今日こそは言う。

つもりだったが、忘れていた。

今日は特別講師が来る日で、暇なんてない。

全く……。そういえば、あの日から医務室行ってないな……。

そこにいけば!!

少しだけそんな思いが芽生えた。絶対に今日こそはいってしまおうと思っていたから。

うだうだしているのは嫌だったし、奴等が信用できる良いやつだとわかったからだ。

友達も少しはできたし充実しているけど、今までならそのまま逃げ続けていたけど、何故だか今はそれがとても嫌だからだ。

この1ヶ月……いや、あの言葉を告げられたときから俺はかなり変わった。

まだ水は怖いけど、それ以外は変わった。はずだ。

「雫……今日こそ言う。頑張るよ、俺。」




「はぁ……やっと一日が終わった……。さて、行こうか。」

医務室の前にたち扉にてをかけた。

いざとなると手が震えるなあ……。でも、決めたから。

ガラッ

扉を開けると8人がこちらを凝視していた。多分、立ってたのが影でばれていたんだと思う。

保健医が空気を察してか、医務室から去っていった。

「あの……!!」

「言える……のかな?」

緒方(兄)が優しく微笑んだ。俺は大きくうなずいてから、椅子に座った。

そして、段々と喋りだす。ここからは、緒方(兄)との会話になる。

「この前の……写真は、俺の……彼女だよ。

彼女の……16歳の時の……写真。」

生きてたときの最後の写真。

「なら、どうして……前は……」

「彼女は16の時に、高校の水泳の授業で死んだ。彼女を恨んでいた女子に頭を沈められて……。彼女は、いつも一生懸命だったから。」

皆の顔が一気に変わったが、俺はそのまま話を続けた。

「でも……彼女は、元々その日が命日だった。心臓がすごく弱かったんぁ。お盆があの子の命日であり……誕生日なんだけど、死ぬまで心臓病ってことを俺には教えなかった。」

もう、すでに頬に伝っているのは分かっていた。もう、きつかった。

「澪ちゃん……。」

「おれ……クラスが違って彼女守れなかった、

それだけじゃない。彼女の事がずっと大好きで……

でも、死んでて……

それに、彼女が死んでしまってから 皆、俺に同情して近づいてきて……耐えられなくて……」

それから色々と話した。

説明が下手だから分かりにくかったと思うけどちゃんときいてくれていた。

「で……滴さんが、俺の彼女の雫と名前一緒だし顔もにてて……挙動不審になって……

あと……もうひとつ……桜さんが雫みたいに見えることもあって……関わりづらくて……」

思ってること全部吐き出した。

8人は、驚いていたものの同情はしなかったし

慰めたりしてくれた。

明らかに他とは違った。

「澪ちゃん、謝りたいことがあるんだけど……」

え?何なの?いきなり……

緒方(兄)が、謝るとか……

じぃっとみつめてみたら、緒方(兄)は携帯を差し出してきていった。

「泣き顔写真撮っちゃった!」

あの状況で……て、お前ドンだけ最低なんだよ!!

ぽこっと殴って笑った。

確実に俺も俺の回りも変わっていた。

なんか、キャラが爆発してる感じですね。

このあとどう続くか自分自身よくわからないけど

今までシリアスで来た分

コメディも入れていこうと思ってます。

読んでくださる方に面白いと思っていただけるよう、頑張りたいと思います。

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