失ったもの
息苦しい夏が来る。
これで何度目の夏なんだろうか……。
「あいつも…生きてたら18か…」
俺は、この世で一番大事な女を失った。
女と共に大好きな水泳が出来なくなった。
「澪、雛が帰ってきてるんだから下来なさい。」
雛……妹が帰ってきたとこで関係ねぇよなぁ
義理の妹なんだし……
でも、降りるしかねぇよな
母さんうるせえし
「降りてきたよ、母さん。あ、そうか…お盆だったな。人多い」
親戚が大量発生してやがるなぁ
本当嫌だ……俺はお前らが来たところで嬉しくねぇしなぁ
でも、俺は愛想笑いして言うのだった。
「お久しぶりです、皆さん相変わらず若々しいですしお元気そうですね。」
あいつがいなくなって2年経つが、俺は愛想笑いしかしてねぇ。
楽しくねぇし、笑い方がわからねぇし、この世に希望を感じない。
重症だ。
「澪君、もう大丈夫なのかい?」
「ぁあ、はい。お陰さまで……それより今日は知らない顔があるけど?」
どうせ、雛の彼氏だろうなぁ…
うぜぇんだよね、人が彼女死んで苦しんでるときにそういうの…
そう…俺の彼女は死んだ。あいつはいつも一生懸命で、そのせいで苛められて、水泳の授業中に溺れさせられて死んだ。
あいつは何かと恨みを買っていた。
「あ、雛さんとお付き合い…」
「あ、別に俺にそんなこと言わなくて良いですよ。関係無いですから。」
笑顔でこれ言う俺って最低?
仕方ないだろ。俺だって人間だ。
親戚たちが一気に下がった場の空気をどうにかしようとしている。アホらしい。
「まぁいいから澪君座りな。」
「あ、いえ。俺は少し出掛けますから。」
今日は彼女の命日であり、誕生日だ。
「澪、雛が……」
「うるせぇんだよ。俺は雛よりも大事な女性がいるんだよ。雫のところいってくる。」
少し、悪い態度もとったが仕方ないだろ。
俺に余裕やらなんやらはねぇんだよ。
馬鹿みたいに雫のこと愛してたんだから。
ガラッ ピシャッ
雫の家まで歩いてむかった。
やっとついた頃には汗だくになっていた。
汗をぬぐってインターホンを押す。すると向こうから声が聞こえてくる。
『どちら様?』
「朝比奈澪です。」
『澪君か……入ってちょうだい。』
その言葉の直後に門があいた。何回も訪れているが全然慣れない。
戸を開いてなかに入るとおばさんとおじさんの姿が目に入った。
やっぱり悲しそうな顔だ。
「雫に会いに来ました。思い出させてしまって申し訳無いのですが俺は雫にこの日だけでも会いたいんです。」
「いや、良いんだよ。それだけ雫の事を愛してくれているんだろ。いつでも来なさい。」
その言葉に俺は涙を流していた。自然と頬を暖かいものが伝う。
何泣いてんだ、俺。
「すみません、止まらなくて…。」
彼女の両親は痛々しく俺を慰めた。優しくて、涙が止まらなかった。
「澪君、雫の…最後の君への手紙があるんだ。着いてきてくれ。」
最後の……。そうだった、あいつは心臓病を持っていて寿命はどちらにせよあの日だったんだ。あの日、最後のデートをするはずだった。
俺と雫の大事な場所で。
なのに、溺れさせられて俺はクラスが違うからあとから聞いて、女子は少しいじめるつもりだったらしいが、許せないに代わりはなかった。
それから俺は水が恐くなった。
考え事をしているといつの間にか雫の部屋の前にたっていた。
なかに誘導されて入るとおじさんが手紙を渡してくれた。
そのまま俺一人を雫の部屋に残した。
手紙を開く。雫のベッドに座り込んだ。
『大好きな澪へ』
私はもう命が長くありません。
今まで黙ってたのはごめんね。
でも、許して欲しい。
もう長くないなんて言ったらもう澪が
愛してくれないんじゃないかと思って
しんぱいで怖くて言い出せなかった。
て、自分のことしか考えてなかった。
まぁ、でもきっとこれを読んでるとき
すごく嫌いになってるかな?
でも、それが一番いいと思うの。
もし私の事をまだ好きでいるなら
私は澪を縛る鎖にしかならない。
のろいみたいに縛り付けてしまう。
こんな私のために人生を狂わせる。
とうぜんそんなこと望んでないから
忘れて人生楽しんで下さい。
れっとうかんなんて気にしないで
てか、劣等感なんてなくていいよ
今の澪は私に気を使わずに、
をたくにでもなんにでもなって
大事な女性を見つけて
切なかろうが頑張って生活して
にほんいち幸せになって。私は澪が
生きてるだけで幸せだから
きみも幸せになって欲しいから
ていうのが私の願いだから
↑1
~
↓
愛座 雫
なんだ……この暗号は
上から下 1……
一行目を縦で上から下に読め?
『私今でも愛してます
でも私の事忘れて
今を大切に生きて』
読んだ途端に涙が目から溢れて止まらなかった。
涙が止まらずに泣きじゃくった。
泣きすぎて嗚咽がした。
そんなん無理だよ、俺は雫以外愛せない。
世界で一番お前が愛しいんだ。
「……ぐ……ふぅ……ぁぁあぁぁぁああああ!!」
ただひたすら叫んだ。
涙の止め方が分からなかった。
止めたくなかった。自分の瞳から落ちる大粒の涙の雫を霞んで良く見えない自分の目で見ていたかった。
どんな雫も、彼女のようで儚かった。
一話目は以外と普通に終わりましたね。
二話から少しだけ過激になったりします。
まぁ、BLとかGLが含まれてきて
シーンが少し……になるだけですがww
さて、一話目はまぁ澪君のちょっとした話でしたがこれからはどんどん過去の話を盛っていこうかと思います。
これからどうなるのか、面白くはなるのか、良くわかりませんが
なるように努力します。
なればいいなぁ……( ・∇・)
一話を読んでくださった方はありがとうございます。
文章力や表現力などまだまだ未熟な点も多いですがまた読んでいただけたら良いなぁ。
と思っています。




