女っていろいろ面倒・・・
お待たせしました。
中間でかなりヤバい成績を取ってしまい時間がかかってしまったのです←相変わらず言い訳
まぁ、こんな話は置いておくとして今話も楽しんでいただけたらと思います。
まず俺は母と姉さんに簡単な連絡をすることにした。
母は、現在海外出張中なので帰宅は早くても一月後、その間家を任されている姉さんは仕事を抜けて今から帰宅すると連絡があった。(昨日、今日と徹夜で仕事をしていたのだ)
数十分後、家の玄関を開け中に入ってくる姉さんを迎えにいくと姉さんは俺をみて放心し、
「天使・・・・・・」
と呟いて倒れた。
・・・・・・意味が分からん。
とりあえず倒れた姉さんをリビングへ運び、一時間後に目覚めた姉さんに事の成り行きを始めから説明する。
「そう、そんなことがあったのね。仕方ないわ、これからは女の子として生きるのよ一希ちゃん」
「順応早いな姉さん・・・・・・嘘だとか思わないの?」
「あら、嘘なの?」
違うけど、なんか本人が納得いかないってどうなんだろう。
「なっちゃったものは仕方ないもの、今はこれからどうするかね。というかグッジョブ神様」
なにかおかしなことが聞こえた気がする。
「気のせいよ一希ちゃん。じゃあまず、それを証明するために・・・・・・あと戸籍の方と・・・・・・」
と動き出した姉さんの指示に従い、この日から数日は色々な手続きに奔走することとなるのだった。またこのときにカミサマも色々手伝ってくれたらしい、本人に言われるまで知らなかったが。
そしてこの日の夕方、我が双子の兄弟たちが帰宅してすぐに家族会議が開かれた。
「と言うことで、一希お兄ちゃんは一希お姉ちゃんになったのよ」
姉さんは穏やかな声で二人に言い聞かせたが妹の麻衣は、
「ふざけんなっ!帰ってきていきなり兄貴が女になりましたなんて納得できないっての!」
まぁ、全くごもっともなわけですが
「でもな麻衣、仕方なかったんだ。何とか認めてくれないか?」
「うぅ・・・・・・。じ、じゃあ本当に兄貴かどうか確認するぞ、イヤとは言わないよな」
「あぁ、しっかり全部答えてやる」
「先週あたしと約束したことは?」
「夕飯を駄目にした罰として、来月の最初の休日にスイーツバイキングに連れて行く」
「あたしと鹿衣と兄貴のとっておきの秘密は?」
「家から三キロ先にある裏山付近の廃ビルの屋上から見える景色」
「じゃあ、兄貴が中学の頃自分でつけた二つ名は?」
「『光と闇を統べる混沌の覇者』──ってちょっと待てぇぇぇぇえええっ!!」
「これもわかるのか・・・・・・やるな」
「・・・やるな、じゃねぇよ!なんて黒歴史をぶつけてくるんだ!つかお前何でソレ知ってんの!?」
「兄貴の部屋を掃除するときに見つけた『終末の書』に書いてあった」
「ウギャーーーー!」
「あぁ、あの廚二全快の真っ黒なノートね。確か設定は、世界の人々をすべての厄災から守るため、その身に宿した絶大なる力を持って敵と戦う。左手に宿る闇の力が暴走しないように普段は封印の呪帯を────」
「殺せーーーー!殺してくれーーーー!!」
「うん、兄貴っぽいな」
ここまでしてやっと認めてもらったが精神ダメージデカすぎる。
「鹿衣君は何か聞きたいことはあるかしら?」
「・・・・・・・・・」
鹿衣はすでに納得しているようで、大丈夫と親指を立てグッとつきだした。
「鹿衣、ありがとな」
これだけ精神攻撃を受け、さらに追加ダメージを受けたら恥死していただろう。
俺は鹿衣にふっと微笑みかけた。すると、家族全員が顔を赤くした。姉さんは鼻血を出し、麻衣はチッと顔を背け、鹿衣は少し俯く。
・・・・・・なんだこれ、これが美少女力のなせる技か。
「とにかく、みんな納得したということで面倒な話はこれでおしまい。麻衣ちゃんはいつも道理夕食の準備お願いね、一希ちゃんはお風呂掃除、私と鹿衣君は洗濯をします。では各自作業開始〜」
姉さんの言葉により家族会議は終了し、各々の役割を果たすため俺たちは動き始めた。
「一姉ぇ、風呂開いたー」
夕食が終わり俺以外の全員が風呂に入り終わったのだと、自室で横になっていた俺に麻衣が声をかけてきた。
ついでに麻衣は姉が二人ととなったので俺のことを一姉と呼ぶようになった。
「んー、今入るわ」
俺は着替え一式を持ち脱衣所へと向かう。
手早く服を脱いで洗濯籠に入れた。
ここで俺は女になったということを失念していた。
現在俺は女であり、服を脱げば当然胸が露わになる。
脱衣所にある鏡に映る姿は全体的に細く、雪のように白くてシミ一つ無いとても華奢な体躯、
胸は小振りではあるが確かに存在する白桃のような胸。少し強く抱きしめただけで折れてしまいそうな腰、
絶妙的に肉の付いた美しく、健康的な脚が写ってあった。
今更だが新しい自分のスペックの高さには驚かされる。
中身が思春期真っ只中の俺には少々刺激的すぎた。
そして同時に好奇心(というか誘惑)に負けた俺は自分の小さな膨らみに手を当てた。
ふにゅん
もみもみ
変な感じだな。くすぐったいが手の感触は悪くない。
もみゅりもみゅり
「はっ!?」
やばい、自分の体でなにをしてるんだ俺!
気づけば十分も時間がたっているじゃないか
・・・もう、さっさと風呂に入って寝よう────
俺はなれない女の体を洗い、風呂に浸かって出る。
水を含んだ長い艶やかな黒髪を拭く重労働を終わらせそそくさと布団に入って睡魔に身を任せたのだった。