✒ エルフの義姉ちゃん 2
キノコンと話ながら選んだ衣類は、リンゼ義姉ちゃんが着れるように仕立て直さないといけないから、完成が待ち遠しいな。
潟庄智惠
「 私の為に用意してくれた服だったのにリンゼ義姉ちゃんに使っちゃって御免ね……。
お願い聞いてくれて有り難ね 」
キノコン
「 御主人様…… 」
潟庄智惠
「 ところで “ にえ ” って何?
話がズレちゃったから戻すね 」
キノコン
「 御主人様の故郷で例えるなら──、ご飯を “ ライス ” ,水を “ ウォーター ” と呼ぶような感じですエリ 」
潟庄智惠
「 ≪ ヂェロニング大陸 ≫では、聖女を “ ニエ ” って呼んでるんだね 」
キノコン
「 人間は聖女を “ ニエ ” とは呼びませんエリ。
≪ 地上界 ≫で聖女を “ ニエ ” と呼ぶのは、キノコンとアストン,ディアスだけですエリ 」
潟庄智惠
「 地上界?? 」
キノコン
「 ≪ ヂェロニング大陸 ≫には≪ 地上界 ≫の他に≪ 天上界 ≫≪ 地下界 ≫が存在しますエリ。
≪ 天上界 ≫には翼を生やした亜人類──天使族や鳥系族の獣族,獣人族,人獣族が暮らしていますエリ。
≪ 地下界 ≫には亜人類──陽光に弱い悪魔族が暮らしていますエリ 」
潟庄智惠
「 そ…そうなんだ……。
亜人類が居るだけでも十分にファンタジーなのに、天使族とか悪魔族とか居るんだね 」
そっかぁ……天使族も悪魔族も亜人類に入るんだ。
そんな事より、“ にえ ” が “ 贄 ” って意味じゃなくて良かったぁ♥️
キノコン
「 御主人様、リンゼは未だ戦闘に参加させる事は出来ませんエリ。
リンゼは《 キャンプ地 》に残して続きを始めますエリ 」
潟庄智惠
「 うん。
夕方まで頑張るよ 」
キノコンと一緒に[ テント ]を出た。
──*──*──*── 時は遡り、大精霊side
主人である潟庄智惠と超皇神が[ テント ]の中へ入ると、アストンとディアスだけが残された。
潟庄智惠と超皇神が完全に[ テント ]へ入ったのを確認したアストンとディアスは互いに向き合い話を始めた。
アストン
「 ──今回の聖女は随分と丸い感じがするな。
他の大精霊達から聖女達の話を色々と聞いてたから、拍子抜けしちまったよ 」
ディアス
「 良かったじゃないか。
ハズレを引かされたと思ったが、そうではなかったからな 」
アストン
「 超皇神様は今回の聖女を気に入ってるみたいだな 」
ディアス
「 今迄の聖女達は比較的に年齢が高かったのだろう 」
アストン
「 現段階では俺達が聖女に振り回される感じは無さそうだな 」
ディアス
「 何時迄もそう在りたいものだ 」
アストン
「 『 名前を付けろ 』って言われた時も『 聖女の夫になれ 』って言われた時もお前、世界が終わったような顔してたもんな! 」
ディアス
「 言うな…… 」
アストン
「 ははは!
聖女には言わないさ。
でも、あの聖女なら、俺が夫になっても良かったよな 」
ディアス
「 お前はエルフの教育に励んでろ 」
アストン
「 ははは!
すっかり聖女に毒気を抜かれたな!
今では聖女が可愛くて仕方無いのか? 」
ディアス
「 黙れ──。
然し、彼女も今迄の聖女達と同様≪ テンクゥリア ≫へ連れて行くんだろう 」
アストン
「 可愛そうだけどな。
超皇神様ですら、≪ ヂェロニング大陸 ≫の “ 柱制度 ” を変える事は出来ないからな。
現段階では未だ “ 柱候補者 ” の1人ってだけだ。
転移召喚された聖女は複数居る訳だし、その中から最も “ 柱 ” に相応しい聖女を決め、≪ テンクゥリア ≫に供物として捧げる──。
気の進まない “ 柱制度 ” だけどさ、聖女を供物として≪ テンクゥリア ≫へ捧げないと、≪ ヂェロニング大陸 ≫が終焉を迎えちまう。
“ 柱制度 ” は終焉を防ぐ為に必要な繋ぎの儀式なんだ 」
ディアス
「 長期出張に出たきりの〈 皇 〉が戻って来る迄、続ける事を義務付けられた “ 柱制度 ” か──。
然し、異世界から召喚した人間を供物とする必要が有るのか?
≪ ヂェロニング大陸 ≫の現状を維持する為に利用するなら異世界人ではなく、陸民でも良いだろうに 」
アストン
「 そんな事は俺も知らないな~~。
知ってるのは超皇神様くらいじゃないのか?
まさか “ 聖女 ” が最終的に≪ テンクゥリア ≫へ供物として捧げられる存在だなんて誰も思わないよな。
異世界人が≪ ヂェロニング大陸 ≫の現状を維持する為に≪ テンクゥリア ≫へ捧げられる供物──犠牲だから、聖女を “ ニエ ” と呼ぶなんて、悪趣味だよなぁ? 」
ディアス
「 “ 柱 ” に選ばれなかった柱候補者の聖女達は≪ 地下界 ≫へ転移されるのだろう。
聖女達に救いはないのだな 」
アストン
「 仕方無いだろ。
それが “ 柱 ” に選ばれなかった聖女達の運命なんだ。
どのみち、元の世界へは戻れないんだから──、一瞬でも夢を見せて喜ばせてやらないとな 」
ディアス
「 『 故郷に戻れる 』と糠喜びさせた聖女達は、転移させられた直後に絶望する事になるがな 」
アストン
「 悪魔族の嫁になるんだもんなぁ。
子供を山程産まされて── 」
ディアス
「 ……………… 」
アストン
「 何だよ、ディアス。
何時かセキチェが悪魔族の嫁になるのが嫌なのか? 」
ディアス
「 そんな事は無い。
契約が解除されれば、何の関係も無くなるだろう。
それ迄の関係でしか無い── 」
アストン
「 確かにな。
短い付き合いだし、聖女が望む家族を演じてやろう 」
ディアス
「 ──出て来るぞ 」
アストン
「 準備しとくか 」
暫くすると[ テント ]から潟庄智惠と超皇神が出て来た。




