『約束の大地の空の色は、天国の青よりも深い』をハードSFとして読みたい方向け
私こと並木空が一次創作で書くSFというジャンルが『ディストピア』じゃなかったためしがないように、この作品も『ディストピア』に分類されています。
SF単語に馴染みのない方には『超管理社会』だと思っていただけると少しはわかりやすいでしょうか?
典型的な強い統制と監視社会です。
第一部から『市民番号』やチアキ・ハセガワの行動が公務員であるショウ・ヨコヤマによって監視されていて、異常を行動を起こした場合(遅刻も含む)、すぐさま対応される、と語られているように、常に監視をされています。
ショウは監視する側でありながら、同時に監視されている人物でもあります。
後日談3のショウがピアスをしているエピソードが最重要シーンだったりします。
※ついでに他の作品へのブリッジ(伏線)になっています。
古典的な手法ですが、GPS(位置情報)だけではなく、システムから盗聴がされていて、ショウが公務員としてふさわしくない言葉を口にした段階で、ルールに従った処分が行われることになっています。
最も重い処罰は死刑ではなく、記憶の消去と再教育です。
チアキとの想い出が全部、消える、という一面があるので、ショウの台詞は理論的で感情が排除されており、あるいは詩の一説のように引用したものになっています。
『地表主義』のチアキの価値感に寄り添えば寄り添うほど。
人間らしい感性を持ち、チアキへの愛が深まれば深まるほど、その愛を失う未来がショウには待っています。
私があえてショウ視点は一切出さなかったために、実際のところは命がけの綱渡りの恋愛をしていることになります。
第二部のショウの発言で
「移住区以外は手をつけない、銀河標準法の法律があります。
私たちはすでに『神』の領域に手を出してしまいましたから、同じ過ちを犯してはいけないという戒めのようなものですね。
法律の下でしか守られていない約束です」
は、第一部で人類が地球を立ち去る原因(遠因)です。
チアキが生活しているJから始まる地域は日本の遠未来なので、直接的には戦争に巻き込まれませんでしが、世界大戦が勃発して、地球は人類が暮らすの適さないほど化学汚染されていました。
そこで開発された兵器はロボット(機械)ではなく、人工生命体でした。
見た目が人類と変わりがほとんどなく、人類に忠実で、賢く、寿命も長く(耐久年数も長く)、スペアをすぐに用意できる。
見た目からロボットとわからないために各陣営が競って作成しました。
また完全な人工生命体を作成した理由は、長期化した戦争での性欲処理の意味もありました。
遺伝子配列が決定的に違うために自然妊娠はしません。
ロボットにそういった機能をつけることも技術的可能でしたが、兵器と併用のメリットが少なかった&一部の狂信的な科学者の手によって開発が進められた人権のない人工生命体です。
※人工生命体はもろもろの耐久テストも何度も行われています。
もちろん過程を調べるために生きたまま解剖実験もされています。
パーツの再利用もされています。
銀河ではすでに人工生命体は『個』と定着されているために、行政官である公務員は当然ながら管理&繁殖をさせています。
これがショウの発言にあった『神の領域』です。




