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帰宅したら知らない女性がいた!?

「はぁ〜、疲れた」

肩を軽く揉みながら階段を上がる。

ここ最近仕事が忙しくデスクワークの僕の肩はカチコチだ。僕の名前は佐々木海斗ささきかいとどこにでも居る社畜だ。

「今日はもうカップ麺でいいか」

健康的には少し心配だが仕方ない。

料理する体力すら残ってないのだ。


そんな言い訳を並べているうちにドアの前に着く、鍵を差し中に入る。

「ただいま」

返事が返ってくることはないが挨拶をする、まぁ癖みたいなものだ。


「お帰りなさい」

「うん、ただい……え」

返ってくるはずのない返事に声のした方を見る。

「…えっと、どちら様ですか」

それよりも他に取るべき行動があるような気もするが何も思いつかない。


「お久しぶりです。私のこと覚えてますか?」

そう聞いてくるってことはどこかで会ったことがあるのだろう。顔を覗き込む。

顔立ちは良くまつ毛は長い、若さゆえの肌のきめ細かさ。普通に美人という感想しか出てこない。


「分からない?私も大人びたもんね」

胸を張り嬉しそうに言う。

大人びたって事は昔に会ったことがあるって事だよな…


「ヒント出しましょうか」

「お願いしても」

僕の答えを聞いて女性は手を突き出す。

握ってる手を僕の前に持ってきて開く、その中にあったのは花の髪飾り、ずいぶん古い物らしく所々かけてたりしている。


それよりも僕が驚いたのはこの髪飾り自体に見覚えがあったからだ。

「もしかして…あんずか」

「そうだよー」

えへへ、と嬉しそうに笑う。

「ずいぶん大きくなったな。今何歳だっけ」

「18だよ、今年から大学生なんだ」

「昔から勉強得意だったもんな」

そうか、大学生か。僕は行ってないからどんなところか想像もできないけど楽しくやれますように。


「で、何でうちにいるの?」

一番気になる事を聞いてみる。中に居るってことは鍵を持ってることだし、誰から貰ったのだろうか。

杏はその場で正座し姿勢を正す。その姿に自然とこちらの背中も伸びる。


「改めて東雲杏、これからこちらで小世話になります。不束者ですがどうぞよろしくお願いします。」

…なんかドラマとかアニメとかの告白シーンみたいな事言ってるな。

「じゃないんだよ!!」

そんな僕の叫びは闇に溶けていった

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