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第七話 風(後編)

*みこさいシリーズ 風(後編)となります⭐︎

*今回はシリアス要素あり、若干の戦争描写含みます。*ギャグ要素もありますw

風が吹き荒れる未来都市。

オースはレグリアに再会してから記憶に何か引っ掛かりが…?

思い出した記憶は古代の戦争の記憶で…。

レグリアと話しがしたいと思うオース。

なんと、レグリアが管理局でバイト!?

だが、最上層部では、別大陸にて、新たな古代アンドロイド達の存在が明らかになり…!?

一体どうなるのか…!!

物語はまた動き出す…!!


*みこさいシリーズ 風(後編)となります。

レグリアに再会してから記憶に何か引っ掛かるものがあるオース。

思い切って直接レグリアに話しを聞こうと決心します。

*若干の戦争描写、シリアス要素あります。


どうぞお楽しみください♪


ーー



ーー



轟轟と強い風が、未来都市全体に吹き荒れている。

ここのところ、毎日だった。

荒々しい風が街を覆い尽くし、天高くそびえるビル群の間を通り抜け、通りでは時々突風のように駆け抜けていた。

風は止むことを知らず、吹き続けている。


日曜日の午後。


今日は一日中、朝から雨が降りしきり、窓に大粒の雨を打ち付けていた。



オースは、自室から窓の外を見上げながら、フェイフェイからもらったピンクのクッションを抱きしめて、ベッドの上に座っていた。


洗濯かごを持った狐柄エプロンを着たカイが、歩きながらオースを見た。


オースは、何か考え事をした顔で、ぼんやり窓の外を眺めていた。


カイは少し気になったが、洗濯物を畳もうとリビングへそのまま歩いて行った。


オースは、ずっと心に引っかかっていた。


それは、ーーレグリアについてだった。


最初に会った時から、違和感と言ったらおかしな表現にはなるが、レグリアを見るたびに、何処かで強い既視感を覚えていた。


そして、過去をうっすら思い出せるような、だが思い出せないという、ーーもどかしい感覚に、たびたび見舞われていた。


あの日、未来電気街ストリートで、レグリアに、


「オース!!行くぞ!!」


と、笑顔で腕を引かれた瞬間に、


ーーオースの脳内で、〝ある映像〟と重なった。


ペンギンパーカーを着たレグリアが、


ーー古代弓兵の服を纏い、オースの手を引いている記憶と…。


本当に、一瞬の出来事だった。

だがそれは、フラッシュバックのように再生され、オースの脳裏に深く焼き付いたのだった。


その夜、オースは夢を見た。


ーー


ーー


ーー星の消えた夜。

黒と灰色、雷で荒れ狂う空。

赤と橙色に燃え上がる枯れた大地が、眼前に広がっていた。

様々な声と影が入り乱れる戦場では、黒煙が上がり爆風のような熱風が吹き荒れ、肌を焼くように突き差す。

遠くから破裂音が絶え間なく響き、地面が振動する。荒れ狂う風が唸り声を上げ、

ーー戦いの最中であることを告げていた。


古代の弓兵姿のレグリアに強く腕を引かれ、夜の闇の中をオースは走っていた。

レグリアの足はとても速く、オースは息が切れそうだった。


レグリアは、白い古代弓を左手に持ち、白の弓兵ローブに紺の肩掛けを纏い、背には矢筒を付け、幾何学模様のヘアバンドを頭にきっちり身につけている。顔付きは、古代中立国軍副隊長の威厳ある風格そのものだった。


遠くでも近くでも、耳をつんざくような轟音と地鳴りが響き渡っている。


レグリア「走れ!!オース!!止まるな!!」

と、レグリアがオースの腕を引き、走り続ける。


オースは、レグリアに手を引かれながら、走っていたが、思わず後ろを振り向いた。聞き慣れた音が、聞こえたからだ。


そこには、信じられない光景が広がっていた。


辺り一面に戦火が舞う中、白く輝き美しくそびえていた中立国の城が、、


ーー赤く天高く燃え盛る炎に包まれ崩れ落ち始めていた…。


オース、カイ、アルヴィスの3人で、星を眺めていた屋上の巨大な鐘楼が、


ーー業火と熱風に煽られ左右に大きく揺れながら、哀しげにゴーン、ゴーンと鐘の音を辺りへ響かせていた…。


ーー


ーー


そして映像は途切れ、オースは目を覚ました。


オースは、ここまでしか夢で見ることは、出来なかった。


目を覚ました瞬間、オースは泣いていた。


後から後から、涙が溢れて止まらなかった。


やっと思い出した。


ーーレグリアの存在を。


もちろん、オースは全てを思い出せたわけではない。


けれど、断片的に記憶に浮かび上がった。


オースが怪我した際に、心配して駆け寄ってくれたり、みんなで星を見ている際にオースの隣に座ったり、


いつも、オースとカイを笑わせてくれた、

ーー温かいレグリアの笑顔を思い出したのだった。


オース「…僕、レグリア副隊長のこと思い出せた。…いつでも、とっても優しくしてくれたんだった。」

と、オースは自室で1人涙を流した。


ーー


ーー


オース「…でも、何だったのかな…。あの夢。…僕の過去なのかな…。」


オースは、訳もわからず葛藤していた。


もしも、このまま過去を思い出さずに済むのなら、そのまま思い出さないほうが幸せなんじゃないだろうか…?


カイが、あんなに苦しんでいた〝過去〟がオースにもあるのだとしたら…?


オースは、クッションを抱きしめる手を強め、更にうずくまった。


オース「ああ…怖いなあ…。」


オースが悩んでいると、ミコがオースの部屋に来た。


ミコは、オースの部屋の開いた扉から手を出して、内側にコンコンとノックしてから、ヒョコッと顔を出した。(入っていいか確認w)


ミコ「オースー!!一緒に録画した、今週の〝未来都市スイーツめぐり⭐︎〟見ない〜?なんか、ノクティスさんがね、街頭インタビューされてるらしいよ!!…って…オース、どうしたの…??」

と、ミコが心配そうに、ベッドでうずくまるオースに声を掛ける。


ミコ「どっか痛いの?オース。」


オースはうずくまったまま、ミコに首を振る。


オースは顔をあげて、

オース「ミコ、聞いてもいい…?」

と、元気のない声で言う。


ミコ「うん。」

と、ミコは心配そうに、オースのベッドの端に腰掛けた。


オースは、目に涙を浮かべながら言った。


オース「もし…ミコに記憶がなくて…。でも、、思い出すの怖かったらどうする…??」

と、オースは泣きながら言った。


実はオースは、ーーずっと不安だった。


カイに、〝過去〟の話しをされても、オースには何も記憶がない。


今の時点で、思い出せたのは、いつも優しく守ってくれたアルヴィスとの記憶と、温かなレグリアの存在のみだった。


オースの記憶は、まだまだ欠けたピースだらけだった。


古代に自分が、どういった人生を歩んだのか、詳細が分からない。


ここに来て、今まで隠していた不安や焦燥などの想いが、とうとう溢れ出てしまったのだった。


ミコは、少し困った顔をした。


しかしながら立ち上がり、オースの両肩にぽんっと手を置いた。


ミコは、オースの両肩に手を置きながら、

ミコ「オースには、カイがいるじゃない!私もいる!!大丈夫。みんなで居れば、きっと何だって乗り越えられるから!!」と、ミコはにっこり笑った。


オース「み、ミコ…。」


オースは、金色に輝く左目から、大粒の涙をあとからあとから溢れさせた。


ミコ「オースが、1人で〝過去〟に向き合うことが不安なら、…私も一緒に向き合う。だって、友達だもん!!それに…オースとカイを見つけたのは、…この私なんだし!!」

と、ミコは腕組みし、自信たっぷりに言った。


オース「ありがとう…。ミコ。ミコはほんとうに強いね。」


ミコ「ふふ。…オース。大丈夫。私はいつも味方だから!!ほら、泣かない!!元気出してよ!!」

と、ミコはオースの頭をポンポンした。


オース「僕、ミコが居てくれて…本当に良かったよ…。」

と、オースは左目の涙を手で拭いながら笑った。


2人が笑い合っていると、廊下でカイは、空の洗濯かごを持ったまま、壁に持たれて話しを聞いていた。


カイ「…。」


カイは俯きながら、リビングの窓の外に視線を向けた。


風が吹き荒れ、窓ガラスに雨粒を激しく打ち付けている。


カイは目を閉じ、深呼吸した。


選んでも、言葉が上手く思い浮かばなかった。


ーー何も言うことが出来なかった。


ーー


ーー未来管理局 歴史保全保管課 中央管理室ーー


カイは、発掘調査で上がってくる最新遺物のデータ解析、分析や分類整理に勤しんでいた。


ふと見ると、オースがカイの横に来ていた。


オースは、何かカイに話したそうにしている。


カイは手を止め、オースに向き直った。


カイ「オース。…どうしましたか?」

と、カイは落ち着いた声でオースに聞いた。


オースは、少し気まずそうに俯いていたが、

オース「実はね、レグリア副隊長と話しがしたいんだ。」

と、カイに思い切って言った。


カイは目を見開いて、驚いた。


カイ「もしかして、オース…記憶が…?」


オース「うん。…夢に見たんだ。レグリア副隊長を。…それでね、話しを聞いてみようと思って…。アルヴィス隊長に連絡してもらえるかな…カイ。全然、後で平気だから!!」

と、オースはカイに言い残してから、すぐに仕事に戻って行った。


カイはオースの後ろ姿を見送りながら、再びデスクに向き直った。


カイ「…思い出してきたのですね。オース。…分かりました。…私もあなたの味方ですから。」

と、カイはホログラムキーボードからアルヴィスの未来端末へと、メッセージした。


ーー


アルヴィス隊長へ


報告:


オースの記憶、断片的ながら回復の兆しあり。

現状は部分的な確認のみ。

尚、オースはレグリア副隊長との対話を希望。


カイより 


状況報告終了。


ーー


オースは、歴史保全保管課の業務で、ミコに頼まれ山のような書類を運んでいた。


新しく発掘された古代遺物のデータの解析済みの書類を、歴史課資料室にて保存する仕事だった。(歴史課は必ず紙でもデータ保存しているw)


オースは、色々と考え事をしていたため、歴史課の渡り廊下でうっかり転んでしまった。

オース「うわわっ!!」

と、オースは思いっきり転倒してしまい、書類の山を手から落としてしまった。


床にも上にも、紙の山が飛び散った。


資料の書類群が、高層の渡り廊下から階下へとヒラヒラ落下していく…。


オース「ああ…どうしよ…。」

と、オースが床から起き上がりながら呟く。


次の瞬間ドッと風が吹き、オースの目の前に人影が立っていた。


ーーレグリアだった。


レグリア「大丈夫か?オース。…へへっ!任せとけ、見てろよ?」

と、レグリアは右指をくるっと回す。

するとたちまち強い風が吹き、ふわふわと全ての紙が風で舞い戻り、資料の山がオースの前に元通り積まれた。


オース「えっ…す、すごい…。」

と、オースは感動した。


レグリア「まあなー!このくらい余裕だぜ⭐︎俺は〝風〟を操れるからな♪」

と、レグリアは両手を頭の後ろに組んで笑った。


オースがよく見ると、レグリアは、

ーー未来管理局の制服を着ている。


短い茶色の髪に、黄色の目が嬉しそうに輝き、管理局の紺の指定制服がとてもよく似合っていた。右耳の羽ピアスが動くたびに揺れる。ヘアバンドを外し、端正な顔に整っている容姿が際立つ。すれ違う職員が振り向いて見ている…。


オース「管理局の制服?…え?レグリア副隊長、未来管理局で働いてるんですか?」

と、オースは目を丸くした。


レグリアは笑顔でうなずき、

レグリア「そう!今日から働いてるんだー♪よろしくな、オース!!」

と、にこにこ言った。


オースは、資料の束を持って立ち上がる。


オース「へええ…ちなみにどんな仕事を…」


オースが質問しかけた時に、上階からアルヴィスが飛び降りてきた。

音もなく、ふわっとレグリアとオースの真ん中へと片膝をついて着地する。


アルヴィス「レグリア!また能力使用したな!?反応あったぞ…ってオース?偶然だな…。」

と、アルヴィスは立ち上がり、オースをみて表情が柔らかくなった。


レグリア「うう…ごめんって…。」

と、レグリアはしょぼんとしている。


アルヴィス「実は、、今日からレグリアは管理局で働かせることにしたんだ。…臨時でな。」

と、アルヴィスは疲れた顔で言った。


レグリア「配達の仕事がほんとは好きなんだけどさー、未来都市ってガラス多すぎてさ。何度かビルに突っ込んじゃって⭐︎クレーム来てさ。…んで、上層部の〝臨時業務補佐官〟になったんだー♪まあ、バイト的な?」


アルヴィス「…自分で修理代を稼がせる!私のところに、…一体どれくらいの修理の支払いが来ていると思ってるんだ…!!…よく見ろ。まだ古代の分の支払いの返済もたんまりと残っているからな…?」と、アルヴィスは小さな巻物を腰のポケットから取り出し広げて見せた。修理費を綴った巻紙は、床まで落ちどこまでーも伸びていた…。(ww)


レグリア「うわ…。出た…記録の鬼だ!一時撤退とする!またな、オース⭐︎」

と、レグリアは笑顔でオースに手を振り、渡り廊下から飛び降り風のように消えた。(ww)


アルヴィス「…!待て!レグリア!話しは終わってない!!」

と、アルヴィスが手すりから下へと叫び、走って行こうとするので、オースが引き留めた。


オース「あの…アルヴィス隊長。」


アルヴィス「うん?…どうした、オース。」


アルヴィスは、〝レグリアの歴代修理代記録〟をポケットに仕舞い込み、オースに向き直った。


オース「レグリア副隊長のこと、思い出したんです。」


一瞬、アルヴィスは目を大きく見開いた。


だがすぐに、優しくオースの頭にぽんと手を置いた。


アルヴィス「そうか…。オース。きっとレグリアも喜ぶ。」


オース「それで…夢を見たんです。」

と、オースはアルヴィスを見た。


アルヴィス「何を見た…?オース。」

と、アルヴィスは、冷静な声で聞いた。


アルヴィスは内心、『落ち着かなければ』と、静かに自分に言い聞かせていた。


オース「…夜でした。レグリア副隊長に手を引かれて…中立国の鐘が鳴っていて…火が…。」

と、オースは俯きながら言った。


それから顔を上げて、アルヴィスを見た。


ーーその瞬間アルヴィスは、今までオースが見たことがない位、ーーとても哀しい顔をしていた。

アルヴィスは、痛みに耐えるかのように眉を寄せ、美しい銀色の瞳は、心に深い影を宿しているように感じられた。


だがすぐにアルヴィスは、

アルヴィス「そうか…。」

と、一言だけ、無理やり言葉を紡ぎ出すように言った。


アルヴィスは、オースの言葉を聞き、古代のことを思い返していた。


ーー決して忘れられない、古代の戦争の記憶を…。


アルヴィスは、俯き目を閉じる。

無意識に、両拳を強く握り締めていた。


オース「…アルヴィス隊長?大丈夫ですか…?」

と、オースは心配そうに顔を覗き込む。


アルヴィスは、はっと気づいたように拳を再び開いてから、オースへ優しく微笑んだ。


アルヴィス「すまない、オース。唐突だったものだから。少し…。驚いてしまって。

…レグリアのことは何か思い出したか?」

と、アルヴィスはさりげなく、オースに話題を振る。


先ほどの、カイからのメッセージを見ていたからだった。


オース「えっと…全部じゃないかもしれないですが、レグリア副隊長は、僕にいつも声を掛けてくれたり、とても優しくしてくれました。それに、僕とカイと、アルヴィス隊長と星を見ていた時、、ふふっ…たまに隣で一緒に眺めていたなと思って…。」

と、オースは嬉しそうに笑いながら思い出して言った。


アルヴィスは微笑み、うなずいた。


アルヴィス「ああ。その通りだ、オース。レグリアは、…よくオースやカイと過ごしていたな…。よく私の執務室の窓ガラスを割った後、オースの部屋に隠れていたりもしたものだ…。」

と、アルヴィスは顔を顰めた。


オース「できれば、レグリア副隊長と…一度お話ししたくて。」


オースの言葉を聞いて、アルヴィスは笑顔でうなずいた。


アルヴィス「もちろんだ。オース。きっと、レグリアも喜ぶ。…だが、いまは研修中でな。私の管理下で、補佐官をさせているんだが…まあ、あの通りでな。とりあえず、管理局で働かせることにした。レグリアには伝えておく。何かあればすぐに連絡をしてくれ。ではオース、また…。」

と、アルヴィスは、オースの頭を優しくぽんぽんしてから、マントを翻し立ち去った。


オースは書類の束を持ちながら、アルヴィスの背中をしばらく見つめていた。


それから、ミコに頼まれた仕事を思い出すと、急いで歴史資料室へと向かった。


ーー


ーーー管理局最上層部 プライベートラウンジーーー


ーー


アルヴィス「…これが上層部および管理局の全業務だ…死ぬ気で覚えろ!!」

と、アルヴィスが天高く積まれたマニュアルや資料類をレグリアの前の机にドン!!と置いた。(ww)


レグリア「…覚えるの100年かかりそう。」

と、レグリアは目が点になった。


アルヴィス「3日で覚えろ、命令だ!!」

と、アルヴィスは片手で頭を抱えながら、ソファに腰を下ろした。


レグリア「うえー、、、無理ゲーだろ…。」

と、レグリアは両手を頭の後ろに当てがい、ソファに腰掛けのけぞり天井を向いた。


アルヴィス「こら寝るな!!暗記しろ!!」


ノクティス「…変わらんな、アルヴィス。」

と、ノクティスは目を閉じて優雅にソーサーを持ちつつ、紅茶カップに口付けている。


クロノスは、未来端末で何かをじっくり集中して眺めていた。

未来イヤフォンをし、画面を食い入るように見つめている。


レグリア「ん?何見てるんだ?クロノス。」

と、レグリアは立ち上がってクロノスの端末を覗き込んだ。


クロノスは、即座に右指を口元に当て、『静かに』のサインを送る。

端末を見ると、画面内には…オスカーの『Loveクッキング』のライブ料理配信が流れていた…!


視聴率がものすごい閲覧数になっている…。


レグリア「ええ、オスカーじゃん!!」


クロノス「ふっ…さすがオスカーだな…。」


ハートエプロンを付けたオスカーは、野菜の飾り切りなども手際よくこなしたり、一度に何品も作りながら、丁寧に料理の解説をしながら進めている。


どんどん閲覧数鰻登りとなっている……!!


レグリア「すご〜!あ、、配信で思い出した!!」

と、レグリアは手を叩いた。


レグリア「アルヴィス!未来端末、すこし貸してくれないか?で、検索して欲しいホログラムチャンネルがあるんだ!!」


アルヴィスは未来端末を取り出し、

アルヴィス「…その後徹夜で覚えさせるからな?」

と、レグリアに言われたチャンネルを検索し始めた。


それは、ある未来の人気VR対戦シューティングゲームホログラム実況動画だった。


レグリア「このチャンネルだ!〝クロウチャンネル〟」


アルヴィスが未来端末を押すと、端末からホログラムで未来ゲームのライブ配信映像が浮かび上がった。



VRゴーグルを付けた、緑の髪を一つに結んだ男性が、手を振る。

緑の髪の男性「はいはい、初見さんいらっしゃい。ゆっくりしていって〜♪」

と、未来ヘッドセットを軽く押さえながら言った。


画面は切り替わり、荒れた赤土の大地や瓦礫の都市跡が広がるフィールドが広がっている。


仮想戦闘フィールドに、銃声が乾いた音を響かせていた。


???「今ラスト三人。わりといいとこまで来てるな〜!」


遠くの建物の影に、敵プレイヤーが一人走った。


???「…お。いたな?」


緑の髪の男性の声は軽い。だが迷わずにトリガーを引いた。


敵のシールドが、弾けてヒットしたエフェクトが画面に広がる。


その瞬間、コメント欄が高速で流れていく。


《うまwwww》

《え!?今の当てる!?wwww》

《えぐいなーwwww》


緑髪の男性は、へへっと小さく笑った。


???「いやいや〜、まだまだwww」

と、リロードしながらフィールドを駆け巡って行く。


その時、別方向から銃声が聞こえた。


???「っと…挟まれたか…。」


遮蔽物に素早く滑り込み、壁にもたれながら片手で手榴弾を持ち、ピンを口で抜く。


???「初見さんごめんな、…今ちょっとだけ忙しいww」


そう言いながら、手榴弾を後方へ投げた。


後ろ手に轟音が響き渡った。


???「…ちょっと、戦闘中なんでな〜⭐︎」


そして緑髪の男性は銃を構え、壁から飛び出した。


ーー次の瞬間、再び銃声が鳴り響く。


ーー


アルヴィスは、端末を切りレグリアの方を向いた。


アルヴィス「…え?い、今のはもしかして…。」

と、アルヴィスは若干手が震えながら、レグリアの方を向く。


レグリア「うん!!いま別大陸で一緒に住んでるんだけどさー!未来ゲームの人気実況者してるんだ♪」


アルヴィス「奴は…何をしてるんだ一体…。」

と、アルヴィスは片手で頭を押さえた。


クロノスは、オスカーの料理配信を、じっくりと見終えてから端末をしまった。


クロノス「オスカー。今日も素晴らしかった。」


クロノスは、オスカーの料理配信専用の皮製メモ帳に、ペンで丁寧に本日のレシピや注意点を、しっかりメモし終えていた。(ww)


クロノス「ほう。…またアルヴィスの部下か。」

と、クロノスはソファに座り、足を組みながら、ティーカップに口付けた。


アルヴィス「…そうだが。」


ノクティス「…息災で何よりだな、アルヴィス。」

と、ノクティスはマドレーヌを食べながらもぐもぐ言う。


レグリア「ふふ。びっくりしたろ〜!?元気にしてるぜ⭐︎」

と、レグリアがソファに胡座をかきながら笑った。


アルヴィス「それは良かったが。…まあ、ここしばらく…数100年会ってないな。」

と、アルヴィスは遠い目をした。


ノクティス「…たしか、中隊長だったな。」

と、ノクティスは言った。


アルヴィス「そうだ。」


レグリア「最近は未来ゲーム配信者してて、毎日忙しくしてるんだよなー♪」


クロノス「ほう。…ふむ、中隊長か。」


ノクティス「… 今はどうしているだろうな。」

と、ノクティスは考えた顔をする。


アルヴィスは、思わず笑った。


アルヴィス「はは、、平和主義国家の中隊長って…またノクティスと全然違うタイプだからな。」


ノクティス「俺は連絡しない…。」

と、ノクティスは、カヌレをもぐもぐしている。


クロノス「中隊長…。今頃どうしているだろうな…。後でオスカーに聞いてみるとしよう。」

と、クロノスは窓の外に目を向けた。


向かいの建物の、太陽、月、星の合わさった都市のシンボルマークの旗が風に煽られ大きく揺れている。


クロノスは、静かに目を閉じた。


少しだけ、古代の記憶へと思いを馳せていた。


だが、その瞬間、、、


ーーバシャッ!!!!


クロノスの顔面に、レグリアが資料を取ろうとした際に、ひっくり返した紅茶が炸裂した。


床にティーカップが転がる。


クロノスは完全沈黙した…。


レグリア「あ…。マジごめん…。︎」


アルヴィス「まずい…。」


ノクティス「…。(焼き菓子の皿を抱えて退避w)」


室内中に赤いオーラが満ち始め、ばちばちと赤い閃光がほとばしる。


レグリアはタオルを持ち、

レグリア「く、く、クロノス?…悪かったってば…ごめんな…??」


クロノスは、両目を開けた。


クロノスは立ち上がり、深紅の目でレグリアを見据えた。


クロノスの周りには赤のオーラがまとわりつき、深紅の両目が、炎のように赤く燃え上がっている。


レグリアは、半泣きで怯え震えた。


震えながら、アルヴィスの背後に隠れる。


レグリア「ちょちょちょ、待って待って待って…!ごめんって!わざとじゃないんだってば!!」

と、涙目になりながらクロノスに謝った。


クロノスは、全身ずぶ濡れ+無表情で、レグリアに言った。


クロノス「レグリア副隊長よ。…上層部〝臨時業務補佐官〟として、初任務を与える。」


レグリア「…え?…はっ!(思わずピッと立ち上がり起立する。軍隊時代の習慣w)」


クロノスは、黒ロングブーツでコツコツと近づき、レグリアの眼前に来た。


もはや、全身紅茶でびしょ濡れである…。


クロノス「…別大陸で、あと2人の〝中隊長〟を探し出し、…現在何をしているかを報告しろ。」

と、クロノスはレグリアに毅然と言い放った。


レグリアは、目を見開いて驚いた。


レグリア「は、ちょっ…え、…ええ!?」


アルヴィスが、タオルでクロノスを一生懸命に拭いている。(www)


アルヴィス「クロノス…。レグリアだけでは無茶だ。…私が同行する。」


クロノスは首を振り、手を挙げてアルヴィスを制した。


クロノス「…安心しろ。助手を付けてやる。…オースとカイ、…それからミコだ。」


隅のソファで、プリンをもぐもぐしていたノクティスがスプーンを止め、クロノスを見た。


紫の瞳が、クロノス、アルヴィス、レグリアをまっすぐに捉えて揺らめいている。


レグリア「ちょっ…いくらなんでも急すぎないか?なんで…。」

と、レグリアは動揺している。


クロノスは、レグリアを真っ直ぐ見ながら、

クロノス「俺が知りたいからだ。…それ以上理由はない。達成できたあかつきには、今回のことは…水に流してやろう。」

と、ニヤリと黒笑いしながら言った。


レグリアは、何も言えずにその場で固まった。


ノクティスは、ティーカップ片手に、

ノクティス「…別大陸のスイーツ土産、期待している…。」

と、レグリアに手を振った。(ww)


アルヴィスは、レグリアを見ながら、

アルヴィス「大丈夫かな…。」

と、心配の声を上げた。


レグリア「くっ…こうなったら〝中隊長大捜索〟のミッションをとっととこなすしかないぜ…。」

と、やる気を出している。


クロノス「レグリアよ。オースが、貴様との〝記憶〟を思い出した。」

と、クロノスがタオルで髪を拭きながら言った。


レグリア「え…?」

と、レグリアは心底驚いた顔をした。


オースが記憶を失っていると、アルヴィスから聞かされていたからだった。


クロノスは、言葉を続ける。


クロノス「…レグリアと行動を共にし、別大陸に赴くことで、…オースに再び何かしらの〝記憶のヒント〟が見つかるやもしれん。…オースは、レグリアの部下に当たる。…しっかり面倒をみろ、…レグリア副隊長。」


アルヴィス「クロノス…。オースのこと、…そこまで考えてくれていたんだな…。」

と、アルヴィスはクロノスに涙を滲ませた。


クロノスは、ちらっとアルヴィスを見てから、

クロノス「勘違いするな。ただ…奴にも知る権利はあると思っているだけだ。」

と、クロノスは腕組みをし、アルヴィスに背を向けた。


レグリア「オース…。そうか、分かった!俺は〝風〟だからな。どこにでも行くさ⭐︎よし!行ってくる!!」


クロノス「〝中隊長捜索隊リーダー〟として任務を全うせよ。…いいな、レグリア副隊長。」


レグリア「了解しました!(背筋を伸ばし起立した状態で、ピッと敬礼するレグリアw)」



ーーこうして、唐突に別大陸への出張が勝手に決められた、ミコ、オース、カイ、破天荒レグリア(一応リーダー)の4人は、別大陸へ向けて出立することとなる…。


ーー


ーー


ーーー物語は、未来から過去、そして再び未来へと巡り回り道をしながらも進んで行く。


ーーーとうとう、別大陸にて、三副隊長ズだけでなく、三中隊長ズの存在がさらに明らかとなった…。


ーーー風が前へと物語を運んでいく。ーー出会いと様々な想いを重ねて、未来と過去を繋ぎ合わせながら。


*長文読んでいただき、ありがとうございました♪

次回は、別大陸編書いていこうかなと思ってます⭐︎

新キャラ登場させるの楽しみです〜!!!

今後とも応援のほどよろしくお願いします!!


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