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私は恋する樹木精霊(ドライアド)  作者: いとしき
一章「神樹の目覚め」
3/12

二話「樹に転生って、何よ?」

一部修正しました。

食事の不必要について記載ぷらす

私がエルフを好きになったのは、中学生の頃だった。

三つ歳上の姉がリビングに置きっぱなしにしていたラノベを目にして、好奇心から手に取ったのが始まり。

勉強ばかりしてきた私にとって、エルフという言葉は、好奇心をくすぐった。物語に出てきたエルフは容姿端麗で神々しく美しい。


私はすぐに魅了された。


それが恋愛対象になるまでには、大して時間は掛からなかった。現実世界には、エルフなど居ないと、分かっていたのに。


◇◇◇


『いやぁ〜!エルフ最高ォ!』


エルフが居る世界って、幸せ過ぎる!!

おそらく状況を考えると、私は元の世界で死んで、この異世界に転生したという事だろう。

ラノベで散々勉強していたおかげもあり、当たり前の様に受け入れてしまった。


ただ、受け入れ難い現実もあるんだよな••••••。


というのも、私の転生した身体にある。


『“樹”って何のよッ!!?』


この身体ってば何も出来ないんだけど!!

根っこがあるから自由に動けないし、思考は出来るのに発声が出来ない。それから食事は不必要な身体みたいで、空腹という感覚も無くなった。たぶん光合成でもしてるのかな?一応、身体の部位毎の扱い方は、そこそこ分かってきた。先日、狼みたいな化け物を追い払った際に使えた「ツタ」は、どうやら人間にとっての「手」らしい。とはいえ、ツタは私の「胴体」といえる「幹」に絡み付いている他植物みたいだが、当たり前の様に使える。これは意外と便利。感触もあるので、ツタの伸びる範囲なら、移動しなくても簡単な周辺調査が出来る。広範囲の調査では、「頭」もとい葉っぱの生い茂る頭頂部まで行けば、辺り一帯の地形が分かった。ただ、なーんにも無いんだよね。だだっ広い深い森が続いているだけ。遠くに、私よりちょっと低いくらいの巨大樹を二本見つけたけど、どうやっても移動は出来ないから、調べに行けない。もしかしたら私と同じで、思考する樹木かも知れないのに••••••。

この近場では、同じ様に思考する植物は居ないみたいで、頑張って交信しようとしたけど、不可能だった。

当たり前だよね。植物なんだもん。

まあ、とりあえず自分の出来る範囲で、自分の事、この世界の事を、知っていくしか無い。

後は、強力な情報収集の味方が出来たしね。


「神樹様!本日もお伺いしました!」


うおっしゃあああぁぁぁぁ!!!

イケメンのエルフ来たーーー!!!


彼は、エルフ族のルーシュと言う。

五日ほど前、化け物に襲われていた所を救ったのだが、それから毎日の様に顔を見せてくれる。

凛々しくて勇ましい顔立ち、素敵。

私だけに見せてくれる笑顔、最高。


ルーシュは私の前にやって来て、片膝を付き、両指を組んで祈りを始めた。あー、まぢヨダレ出る。

樹になって良かった事は、こんなに直近でご尊顔を覗いても、変態と思われない事だよなぁ!

なんでこんなに神々しいんだろう、エルフって!


「神樹メア様、本日はまた別件で参りました」


あ、ちなみに神樹様ってのは、私の事らしい。

そりゃあ、こんなに巨大な樹だからね、御神木とかでもおかしくないと思っていたけど、実際にそうだったらしい。名前がメアと伝わっているのは、偶然なのか何なのか良く分からない。どうやら近くにエルフ族が暮らす集落があるみたいで、ルーシュはそこからやって来ており、私は森を守る神樹として崇められている様だ。エルフが暮らす集落とか、天国だよなぁー!


「私どもをお救い下さい!!」

『え、何なに?どしたの?』

「••••••」


祈りの姿勢を崩さないルーシュ。

私の声は、届いていない。

うーん••••••ぶっちゃけ一番苦しいのは、やっぱり喋れない事だ。ルーシュは自分の名前や集落の事を、報告する様に伝えてくれたが、私は発声出来ないから、会話は一方通行でしかない。くぅ〜、せっかく目の前にエルフが居るのに、何にも喋れないなんて!


「神樹様もご存知の通り、我が集落である“メアリス”は、深刻な食糧不足に陥っております。先日の魔獣の親玉が集落付近を縄張りとし始めているのです」


••••••ん?あれ、なんだ、これ?

何だか違和感がある。

ルーシュの口、開いてないのに、声が聞こえる。

頭の中に、直接響いてるみたい。


『も、もしかして!?』


私は、ありえないと思いつつ、祈りを捧げるルーシュに向かって、何となく言葉を投げかける。


『私の声が聞こえる?エルフの君!』

「••••••はッ、え、あれ?」


おっと、これまぢか!?

自分の思っている事を、口に出す様にするんじゃなくて、ルーシュの頭に流し込むイメージ、念を飛ばす形にしてみたんだけど、これはもしや対話が成立!?

ルーシュは反応を見せ、周りをキョロキョロと見回している。私はさらに続けた。


『そうそう!私、君の目の前に居るんだけどね、分かるかな?』

「え、ちょっ••••••うえぇぇぇぇ!!?」

『えー、なにその反応!可愛いんだけど』


イケメンエルフが慌てふためく姿、眼福!!

というか、普通に念話みたいな事が出来るっぽい!

最高に助かる!


(••••••え、あの、神樹様、なのですか?)

『うんうん!!私だよ、神樹メア!』

(な、なんですってーーーーー!!!?)


バタンッ!!


あ、倒れちゃった。

••••••え、大丈夫?


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