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第9話:足跡の謎 ―廃村外の危険―

夕暮れが丘をオレンジ色に染める中、四人は今日の作業を終え、瓦や資材の整理をしていた。霧が少しずつ戻り、廃村は静寂に包まれる。


「……何か足音がした気がする」拓海が立ち止まり、耳を澄ます。

「私も……同じく」天音が首を傾げる。


翼は丘の下を見渡す。足元には昨夜の雨でぬかるんだ土が乾きかけている。よく見ると、泥の中に不自然な足跡が残っていた。


「これは……人間のものか?」凛花が慎重に近づき、跡を確認する。

「形は人間。でも、誰が来たかはわからない。しかもこの向き……村の中心に向かっている」翼は眉をひそめる。


四人は顔を見合わせ、無言の緊張が走る。

「もしかして、外部の誰かが……」拓海の声が低くなる。

「まだ推測だけど、警戒は必要ね」天音が指示を出す。


丘の上から霧を透かして辺りを見回すと、倒木の影や林の隙間に微かに動く影が見えた気がする。四人の心拍は少しずつ速くなる。


「今夜は、この周囲をパトロールしよう」翼が提案する。

「ええ、油断はできません」凛花も同意する。


拓海は林の縁に沿って歩き、音や影に敏感に反応する。天音は小型の観測機器で足跡や動きを記録。翼と凛花は基地となる古屋に残り、通信と指示の準備を整える。


霧の中、瓦の軋み、木の揺れる音、微かな足跡――廃村は静かに見えるが、明らかに何者かが近づいている気配があった。


「ここからが、試練の始まりかもしれないな」翼が静かに呟く。

「でも、四人なら乗り越えられる……はず」天音が心の中で決意を固める。


丘の上に広がる廃村の闇は深く、外の足跡は静かに、しかし確実に、物語に新たな緊張感をもたらしていた。


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