第25話:廃村国家の旗 ―拡張と統治
夜明けの光が丘を柔らかく照らす中、四人は古屋前に立ち、瓦の軋みや水路のせせらぎに耳を澄ませながら、新たな国家運営の計画を練っていた。
「初めての防衛戦は成功。次は国家としての拡張だ」翼が丘の上から廃村全体を見渡す。
「まずは住民募集と土地整備が必要」天音が装置を操作しながら言う。「装置の力を活かせば、建物やインフラの準備は一気に進む」
「資源も整ってきたし、周囲の小さな集落と連携する方法を考えよう」凛花が資料を整理する。
「俺も人手を使った作業計画を立てて、拡張を手伝う」拓海が笑顔で頷く。
四人は廃村を複数の区域に分け、それぞれの役割を明確化する。瓦の軋み、水路の流れ、風のざわめき、装置の光――すべてが連動し、村全体が自然に整備されていく。
天音は装置を操作して、瓦の補強や水路の整流、土地の整地を加速させる。瓦の軋みが整い、水路の水が自動で流れ、倒木や傾いた建物も微細に整えられる。
翼は外周の防衛ラインを整備し、村の安全を確保。拓海は資材運搬や建設作業を統括し、凛花は制度設計と住民への情報伝達を担当する。
「旗を掲げるタイミングだな」翼が丘の頂上に立ち、手製の廃村国家の旗を高く掲げる。
瓦の軋み、水路のせせらぎ、風の音、そして装置の光――すべてが四人の努力と国家誕生を祝福するかのようだった。
「これで廃村国家の拡張と統治の第一歩が整った」天音が微笑む。
「外敵だけでなく、外交や住民の管理も必要になるな」拓海が現実的に補足。
「でも、装置と私たちの力で乗り越えられる」凛花が力強く言う。
「これが、廃村国家の本格的なスタートだ」翼が未来を見据える。
丘の上、廃村の瓦、整流された水路、風に揺れる旗、青白い装置の光――すべてが、国家としての誇りと可能性を象徴していた。




