第22話:資源争奪戦 ―近隣村との衝突
廃村国家の制度整備が進み、瓦や水路の補強も完了に近づく頃、翼たちは近隣村との資源調達の交渉に向かっていた。
「近隣村の資源は限られてる。無理に奪うとトラブルになる」凛花が慎重に言う。
「でも、廃村国家の発展にはどうしても必要だ」翼は地図を指しながら計画を確認する。
「俺たちの装置の力はまだ秘密。争いになったら不利になるかもな」拓海が警戒心を強める。
「交渉のテクニックで何とかなるはず」天音が微笑む。
四人は廃村を離れ、近隣村の集落へ向かう。瓦の軋みや風のざわめきに包まれた丘道を慎重に進む。
村に到着すると、村人たちは廃村国家の出現に驚き、警戒心を隠せない。
「ここは何者だ?」村の長が険しい表情で尋ねる。
「私たちはこの村の近くに新しく国家を作ろうとしている者です。資源の一部をお借りしたく……」翼が丁寧に説明する。
しかし、資源は争奪戦のように限られており、村人たちは簡単には譲ろうとしない。
「私たちも生活がある。簡単には貸せない」村人の声は厳しい。
天音は冷静に状況を分析する。「装置の力はまだ秘密。ここで見せる必要はない。交渉だけで解決する」
凛花は資料を広げ、村の資源状況と廃村国家の必要性を数字で示す。
拓海は慎重に周囲の動きを警戒しながら、必要な物資を運搬できる計画をサポートする。
数時間の話し合いの末、村人たちは条件付きで資源提供を了承。廃村国家は、外部との初めての平和的な資源確保に成功した。
「交渉って、力だけじゃなく頭も必要なんだな」拓海が感心する。
「ええ。力の使い方を間違えると、国家としての信用も失う」凛花が頷く。
「でも、これで国家としての一歩がまた進んだ」翼が笑顔で言う。
天音も装置の光を見つめながら、「まだ秘密の力を使わずに済んだのは大きいわね」と微笑む。
丘に戻ると、瓦の軋み、水路のせせらぎ、風の音、そして装置の光――すべてが、廃村国家の発展を静かに祝福しているかのようだった。




