第20話:夜明けの襲撃 ―廃村国家の初防衛戦
夜明け前、丘の霧が濃く立ち込める。瓦屋根の軋み、風のざわめき、水路のせせらぎ――すべてが静かに、しかし異様な緊張を帯びていた。
「翼、影が近づいている!」拓海が林の向こうを指差す。
「分散して監視を強化!絶対に気づかれないように」翼が即座に指示を出す。
霧の中、黒い影が複数、廃村へと迫る。昨夜の足跡よりも大きく、数も増えている。瓦の軋みや風に紛れて、外敵は静かに接近していた。
「天音、装置の力を活かして防衛を!」凛花が叫ぶ。
「了解。微弱な振動と光で周囲の動きを制御するわ」天音は装置を操作し、青白い光を微調整する。
瓦の軋み、風の流れ、水路のせせらぎ――装置の力が廃村全体に伝わり、黒い影は近づくたびに微妙に阻まれる。拓海は素早く伏せながら警戒し、翼は全体の指示を出し、凛花は資料と装置の監視を担当する。
外敵が古屋に迫った瞬間、装置の光が一層強まり、瓦や木々の振動が共鳴する。黒い影は足を止め、霧の中で不自然に揺れる。
「今だ、押し返せ!」翼が声を張る。
四人は息を合わせ、装置の光と自身の動きを連動させ、外敵を丘の霧へと押し戻す。瓦屋根の軋み、風のざわめき、装置の振動――すべてが廃村の防衛網となり、外敵はついに退却した。
戦いが終わると、丘の上には朝日が差し込み、霧がゆっくりと晴れていく。
「……初めての防衛戦、成功だな」拓海が疲れながら笑う。
「装置の力と私たちの協力があれば、廃村国家は守れる」天音が微笑む。
「でも、外敵はまだ消えていない。今後も警戒を続ける必要がある」凛花が冷静に言う。
「よし、次はさらに防衛ラインを整備しよう」翼が決意を示す。
瓦の軋み、水路のせせらぎ、風の音、装置の光――廃村は今、四人の守護と未知の力に守られた国家として目覚めた。




