第19話:廃村の守護者 ―未知の力との共鳴
日が沈み、丘の上に長い影が落ちる。瓦の軋み、風のざわめき、水路のせせらぎ――すべてが静寂の中で微かに響く。
「……何かが変わった」天音が装置を観察しながらつぶやく。青白い光の脈動が、以前よりも強く、規則正しく揺れていた。
「力の範囲が広がったのか?」翼が瓦屋根の上から村全体を見渡す。
すると、廃村の周囲に微かな気配が生まれる。倒木が自ら動き、水路の水が少しずつ整流され、瓦屋根の不安定な部分が自然に安定する。まるで、廃村そのものが生きているかのように反応していた。
「これ……装置の力と、私たちの意思が共鳴している?」天音は驚きと興奮で目を輝かせる。
「つまり、廃村が俺たちの“守護者”になってくれるってことか」拓海が笑みを浮かべる。
凛花も微笑む。「小さな勝利が積み重なれば、廃村国家はもっと強くなるのね」
四人は瓦の上や水路沿いに立ち、装置の光と村の反応を観察する。瓦の軋み、風の音、光の揺らぎ――すべてが自然と調和し、作業効率や安全性を高めていた。
「装置の力は私たちを守り、廃村全体を守ってくれる……これこそ、廃村国家の原動力になる」天音の言葉に、四人は深く頷く。
しかし、静寂の中で微かに、昨夜見た外敵の足音を思い出す。影はまだ消えてはいない。未知の力と共鳴する廃村が、外敵を迎え撃つ力を持つことを示唆していた。
「これで、外敵に立ち向かう準備はできたな」翼が拳を握る。
「ええ、廃村国家を、この力で守る」凛花が決意を込めて言う。
「俺たちの力と装置の力……これで最強だな」拓海が笑う。
天音も静かに微笑み、青白い光を見つめる。
瓦の軋み、風の音、水のせせらぎ、装置の光――廃村は今や、守護者としての力を手に入れ、四人の未来を確実に照らし始めた。




