第17話:封印の歯車 ―古代装置の秘密
朝日が廃村を黄金色に染める中、四人は古屋の奥に集まっていた。昨日の外敵襲撃を受けて、天音は装置の解析をさらに深める決意を固めていた。
「この装置……ただの古代の遺物じゃない」天音が手帳に図を描きながらつぶやく。「封印されていた歯車がある。多分、特定の条件でしか動かない構造ね」
翼が眉をひそめる。「封印?それを動かしたら、何が起きる?」
「わからない。でも、昨夜の光と振動はその歯車が微かに動いたことによる反応かもしれない」天音は慎重に装置の側面を観察する。
拓海が装置の横に立ち、手を置く。「俺たちの力で封印を解除できるのか?」
「私たちでやるしかない」凛花が指示を整理しながら頷く。「安全策を考えながら、一歩ずつ進めましょう」
天音はまず、歯車の周囲に簡易的な振動検知装置と光センサーを設置する。瓦の軋み、装置の微細な振動、風の音――全てを計測しながら慎重に解析を進める。
「…ここだ。封印解除の順序が少しずつ見えてきた」天音が指先で歯車をそっと回す。微かに金属の摩擦音が響き、古屋の空気がわずかに震える。
すると、青白い光が装置全体に広がり、部屋の影が揺れる。翼、凛花、拓海は息を呑み、距離を保ちながら見守る。
「これ……装置の力が目覚めてる」天音が目を輝かせる。
「まさか、こんなに強力なのか……」拓海が拳を握る。
光の揺らぎは廃村の周囲にまで微かに伝わり、瓦屋根や木々に反射する。風の流れ、霧の動き、装置の振動――すべてが異常な秩序で連動し、廃村そのものに不思議な影響を与えている。
「でも、これを活かせば……廃村国家の建設も大きく進むはず」天音が言い、図面に新たな計画を描き加える。
翼、凛花、拓海も頷き、チームは次なる試練に向けて心を一つにする。
丘の上、霧が静かに揺れ、瓦の軋み、水路のせせらぎ、装置の微細な光――すべてが、廃村国家の未来への序章を示していた。




