第16話:夜明けの誓い ―廃村国家への第一歩―
戦慄の夜を乗り越え、霧が丘を柔らかな朝日が照らす。瓦屋根に残る露が光を反射し、廃村は静かに目を覚ます。
「昨夜は……本当に危なかった」翼が深呼吸しながら瓦の上に立つ。
「でも、私たちなら守れた」天音は装置を慎重に観察しつつ、微笑みを浮かべる。
「チームの力……初めて実感した」拓海が背伸びをしながら言う。
凛花も小さく頷く。「これが、私たちの廃村国家の第一歩ね」
四人は古屋前の広場に集まり、昨夜の出来事を振り返る。瓦の軋み、水路のせせらぎ、霧の匂い――すべてが、廃村の生きた息遣いとして胸に残る。
「これから、ここを国家にするんだ」翼が空を見上げる。
「国家……まだ夢物語だけど、昨日の力を見れば不可能じゃない」天音が指を装置の光にかざす。
「一歩ずつでも、現実にできるはず」凛花が決意を込めて言う。
「俺たちなら、できる……絶対に」拓海も拳を握る。
丘の上に集まる四人の影が長く伸びる。瓦の軋み、風の音、装置の微かな振動――すべてが、未来の廃村国家への序章を象徴していた。
翼は静かに呟く。「廃村国家、始動――」
天音、凛花、拓海も同時に頷き、丘の上で小さな誓いを交わす。
廃村は依然として静寂に包まれている。しかし、瓦の軋み、水のせせらぎ、風の揺れる木々――すべてが、四人の決意を力強く後押ししていた。これが、廃村国家への第一歩だった。




