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第15話:霧の襲撃 ―初めての戦慄―

夜が深まり、丘の霧は厚く濃くなる。瓦屋根の軋みと風のざわめきが静寂を切り裂く中、四人は古屋の奥で装置を見守りながら、外敵への警戒を続けていた。


「翼、あの影……今、動いた!」拓海が林の奥を指差す。

「距離を保って!」翼が即座に指示を出す。


霧の中、黒い人影が複数、丘に迫ってくる。瓦の軋みや風の音に紛れ、ほとんど気配を消して接近している。四人の胸は緊張で張りつめる。


「ここで攻撃されると危険だ……」凛花がつぶやく。

「でも、撤退は選択肢にない。守るしかない」翼が力強く言う。


天音は装置の前に立ち、青白い光の脈動を観察する。

「装置が反応している……この力を活かせば、何かできるかも」


黒い影が古屋の周囲に到達した瞬間、装置の光が強く瞬き、微細な振動が四人の足元に伝わる。瓦の軋み、風の流れ、霧の動き――すべてが不自然に変化し、外敵の動きを阻むかのようだった。


「…この力を使うしかない」天音が口にすると、拓海は即座に理解した。

「俺がカバーする。翼、凛花、指示に従え」


青白い光が四人を包み、微かに地面が震える。黒い影は光に阻まれ、近づくことができない。四人は息を合わせ、装置の力を制御しつつ、外敵を押し戻す作戦に出る。


霧と光の中、瓦の軋み、風の音、影の揺らぎ――まるで廃村そのものが四人を守ろうとしているかのようだった。


数分の戦慄の後、外敵は霧の中に消え去る。四人は深く息をつき、瓦屋根の上に立つ月明かりを見上げる。


「……初めての戦慄だったな」拓海が小さく笑う。

「でも、チームで力を合わせれば、廃村を守れる」翼が静かに頷く。

「装置の力、まだ完全にはわからないけど……頼りになる」天音が微笑む。

「私たちなら、もっと強くなれる」凛花も決意を込めて言った。


丘の霧は依然として深いが、瓦の軋み、水路のせせらぎ、風の匂い――すべてが、廃村に生まれた小さな勝利と希望を静かに示していた。


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