第12話:古代装置の謎 ―天音の分析と初めての異変―
廃村に戻った四人は、瓦の補強や水源管理を終えた後、いよいよ古屋の奥に眠る古代装置の解析に取り掛かる。
「この装置、表面は錆びてるけど、構造は想像以上に精密ね」天音が手帳を片手に、装置の金属部分を指でなぞる。
「まだ動くのか?」翼が不安げに尋ねる。
「確かめる価値はある」天音は微かに笑みを浮かべ、解析を始める。
古代装置は複雑な歯車と不思議な紋様で構成されており、見た目だけでは何のための装置か判別できない。天音は光の反射や金属の振動を観察し、ノートに図解しながら少しずつ機能を理解していく。
「どうやら、エネルギーを一定方向に集中させる仕組み……かな」天音がつぶやく。
「集中?それって何に使える?」凛花が眉をひそめる。
「まだわからない。でも、この装置が村の水路や土台の補強に関係している可能性はある」天音は指先で歯車を軽く回してみる。
その瞬間、装置が微かに振動し、低い唸り声のような音を発する。四人は息を飲む。
「……動いた?」拓海が後ずさる。
「小さな動きだけど、確かに反応した」天音の目が輝く。
しかし、その直後、装置の奥から微かに青白い光が漏れ、部屋の空気がわずかにざわめくような感覚が走った。翼は体を硬直させ、警戒する。
「何か……起きてる」
「でも危険じゃない、たぶん……」天音は慎重に解析を続ける。
四人は初めて古代装置の謎に直面し、その異変に目を見張る。瓦の軋みや風の音に交じって、部屋の奥で微かにうなるような光の脈動――それは、廃村が秘める未知の力の兆しだった。
「……廃村には、まだ俺たちの知らない秘密がある」翼が静かに呟く。
「でも、私たちなら解明できるはず」天音が力強く言い、手帳に新たな図を書き加える。
凛花と拓海も頷き、四人の視線は装置に集中する。
丘の上の廃村に、未知の力と小さな希望が同時に芽生え始めた――初めての異変が、物語に新たな緊張感と期待をもたらす夜。




